樺沢のシカゴ日記
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「ブルース・ブラザースのリバイバルを見に行く 」

 シカゴを舞台にした映画はたくさんあるが、中でも最も有名なのは「ブルース・ブラザース」であろう。新聞を見ていると、ミュージカル「ブルース・ブラザース・リバイバル」の広告を見つけた。あの、「ブルース・ブラザース」のリバイバル上映か? これは、見るしかないでしょう。  
 とは思ったが、なぜかその計画は放置されたままだった。
 土曜の朝、家内が今日のシカゴ交響楽団のコンサートに行きたいと突然言い出す。行きたければ、事前にチケットをとっておけよ。シカゴフィルのコンサートは人気が高い。当日の朝にチケットがとれるはずがない。とはいえ、定期演奏会ではなく、屋外音楽堂での演奏会なので、どうなのだろうか?
 とりあえずインターネットでチケットの残りをチェックしてみると、$20の席は完売してていたが、$30の席はまだ残っていた。それを購入することにして、画面を進んで個人情報を入力する画面に到達する。だが、そこに書かれていてたのは「チケットは郵送で送ります」とのこと。
「郵送かよ」
 席を予約して、その予約画面を印刷して窓口に出せば、本物の入場券と替えてくれるというのが普通だろう。
 しかし、今どき郵送とは・・・。ネット注文の利便性は半減である。
 というか、今日のコンサートのチケットは買えないだろう。それが、締め切りにもなっていないのが、余計おかしい。
 とりあえず、無理だ。しかし、家内はあきらめない。街中のチケットセンターに出かけるという。そこで、残券を扱っているかもしれないと。
 実際に行ってみたが、予想通り、残券はなかった。
 会場まで行って当日券を買うということもできるが、おそらく最も後ろの芝生席しかないだろう。さらに会場は、街中から1時間ほどかかる郊外ときている。万が一、当日券がなかった場合、そのショックはでかすぎる。ということで、本日のシカゴはフィルはあきらめてもらうことにした。
 さて、訪れたチケット売り場は、その日のミュージカルや演劇の売れ残りのチケットを半額で売っているディカウントの店であった。
 これは、幸いだ。本日の残券のリストをチェックすると「ブルース・ブラザース」があった。今は、15時半だが、丁度17時からのが空いている。これ幸いと、チケットを購入。
 定価$50が何とたったの$25だ。ラッキー。
 劇場は、街中から少しはずれたところにあるので、早速電車で向かうことにした。
 かなり、さびれたこじんまりとした劇場である。こんなところ?
 しかし、席についてみると、何と前から3列目である。これはラッキー。と思ったら、300席くらいの劇場で客は120-130人しか入っていなかった。こりゃ、残券もでるわな。
 だが、舞台が始まると、場内は大いに盛り上がった。
 俳優との距離が10メートルも離れていない。コンサートなら最前列だとしても、シンガーとの距離は10メートル以上は離れるだろう。このライブ感は、体験したことがない。表情もバッチリ見えるし、言うことなしである。
 さて、ストーリーの方だが、何だか映画と違う。最初は、舞台だから歌と踊りを中心にストーリーが変えられているのだな、と思っていたが、一向に映画のストーリーにはならない。ミュージックのナンバーは、映画と大部分同じだが、話が全く違う。
  おい、まてよ。30分ほど過ぎたところでようやく気付いた。
  このミュージカルのタイトルは、「ブルース・ブラザース・リバイバル」だ。つまり、「ブルース・ブラザーズ」のリバイバル上映ではないのだ!!  
 話は、死んだジェイクがよみがえり、一日だけブルース・ブラザースが復活するというもの。なんとタイトルは、「蘇ったブルース・ブラザーズ」という意味だったのだ。これはやられた。ただ、このタイトルは、明からに狙っている。ネイティテブでも、私のように「ブルース・ブラザーズ」のリバイバル講演だと思う人は多いだろう。だまされた。
 でも、「ブルース・ブラザース」の代表的なナンバーは全て入ってた。実に楽しかった。
 隣のおじさんが妙に盛り上がっている。有名なナンバーが登場すると大はしゃぎしている。年齢は、50歳ほどだ。ブルース・ブラザース世代なのだろう。そんな世代があるかどうかは知らないが、「ブルース・ブラザース」の公開が、△年であるから、コアなファンの人は、今は40歳代以上のはずだ。そう思って会場を見ると、結構年長者が多い。20歳代の人は1割以下。40歳以上の人で7-8割が占められている。
 ゴスペル・ナンバーが特に盛り上がった。聖歌隊の三人のうちの一人、ゴリラみたいなおばさんのパワーが凄い。その口の大きさは、ゴリラ以上だ。しかし、動きは軽やかでリズムに見事に乗っている。この体格で、このリズム感は凄いぞ。巨漢のダンスは迫力ものだ。思このゴリラおばさんは、大変気に入った。
「ジーザス」「ハレルーヤ」「アーメン」「グローリー」これらの言葉が、ゴスペルではよく出て来る。 「ジーザス」「ハレルーヤ」 ・・・・・。 
 あっ!!  あの、「ジーザス、ハレルーヤ」おばさんは、今頃どうしてるだろうか? そういうえば、このゴリラおばさんの動きは「ジーザス、ハレルーヤ」おぱさんを髣髴させるものがあった。
 それにしても、このジェイク、ずいぶん太っている。ゴリラおばさんに負けないくらいだ。 体格の似た俳優をオーディションで選んだのだとは思うが、あまりにもデフォルメしすぎでないかい? 本物のジョン・ベルーシは、ここまで太ってはいなかったはずだが・・・。
 まあ、最後には握手もしてくれたし、よしとしよう。
 とにかく、非常に楽しい一時を過ごせた。これからは、ミュージカル鑑賞にもはまりそうだ。   
(2004年6月19日)

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