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激辛カレー批評 |
カレーハウス CoCo壱番屋 中央区南2条店 中央区南2条西5丁目 |
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ファースト・フードの基本は、「早い、安い、うまい」である。「CoCo壱番屋」のカレーは、その条件を満たしているか。 試しに注文してから、カレーが運ばれて来るまでの時間を測ってみた。結果は8分と決して早くはない。しかし、メンチカツという手間がかかるものを頼んでしまったからだろう。後から来た客は、4分くらいで出ていたし、他の客も5分以内で出ているようだった。「早い」に関しては、とりあえず及第点を与えよう。 では、「安い」はどうか。私は、「CoCo壱番屋」の一番の欠点は、値段が高いことだと思う。メンチカツカレーの650円は、それだけを見るとそう高くはない。しかし、そこにはコーヒーもサラダもないのである。カレー単品で、後は単品やトッピングで、自由な味を構成できる。トッピングを用意している店はたくさんあるが、それをうまく利用している人は一体どれだけいるのだろう。すなわち、サイドオーダーとトッピングの値段が高すぎるのである。例えば、机上に野菜サラダのメニューが乗っているので、頼みたいなあと一瞬思ったが、180円という値段を見て躊躇した。コーンスープのメニューも目に入り、これもよさそうだなと思うが2200円という値段を見て、やはり断念した。仮に、メンチカツカレーと野菜サラダとコーンスープの三つをオーダーすると、1050円になってしまう。「CoCo壱番屋」はメニューが豊富で、サイド・メニューやトッピング、ドリンクなどで、自分の大好きなカレーを演出できる。その辺は楽しくてよい。ただし、自分の満足がいくメニューを作ると必ず1000円を超えてしまう。 例えば、「エミリア」では、エビカレーがランチでは、コーヒー、サラダ付きで880円で提供されていた。これと同じものを、「CoCo壱番屋」で頼むといくらになるか。エビにこみカレー(600円)、野菜サラダ(180円)、アイスコーヒー(200円)で、合計980円である。やはり、「CoCo壱番屋」は決して安いとは言えない。やはり、サラダやスープやコーヒーなどは、150円くらいで提供して欲しいものだ。 それでは、最も重要と思える「うまい」に関してはどうであろう。正直言って、まずくはないが、とりたててうまくもないという感じであろうか。メニューが豊富で豊かな割に、そのルーに自己主張がない。あらゆる具材に合うように、あえて平凡な味に仕上げているのだろうか。とりたてて欠点を指摘する部分はないのだが、どうしても食べたくなるということもない。そのへんの平凡さが、つまらない味にしている。 そして、辛さである。辛さを8段階から選べるのは良いが、これが後に嫌な辛さを残るいやみな辛さなのだ。例えば、「スリランカ狂我国」や「マジック・スパイス」の辛さは。辛くなればなるほど、味覚が鋭敏になる感じがする。「CoCo壱番屋」の辛さは、それとは全く反対で、辛くなればなるほど味覚がにぶり、味がわからなくなる。これでは、カレーは楽しくない。おまけに、食後もしばらくこのいやみな辛さが後を引くというのが許せない。 今回、私は「2辛」を頼んだが、この辛さで十分辛すぎるというか、かなり舌が不快な感じになった。 結果として「CoCo壱番屋」のカレーは、「早い、高い、うまくない」ということになる。しかし、唯一感心したのは、メンチかつがアツアツで出てきたことだ。ライスやルーもアツアツであったことは、非常にうれしい。 それと、標準のライスの量300グラムは、なかなかの満腹感を与えてくれる。 関西の友人に「CoCo壱番屋がないと生きていけない」という話を聞いて驚いた。関西では、「CoCo壱番屋」はマクドナルド並に庶民に親しまれているようである。では、なぜ札幌では、「CoCo壱番屋」があまり普及しないのか。その理由は明白である。札幌のカレーのレベルはきわめて高い。札幌では、「CoCo壱番屋」よりも安くておいしいカレーが、たくさんあるからである。 私は東京へ行くと、必ずカレー屋を数軒回ってくるが、そこで思うことは、値段が高いということである。1000円以下のおいしいカレーは滅多にない。「CoCo壱番屋」の料金体系は、全国均一である。したがって、東京や大阪では、「CoCo壱番屋」の料金は割安なのでろう。 (2000年12月22日) |
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