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激辛カレー批評 |
カレー研究所 札幌ステラプレイス店
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シネマフロンティアで映画が始まるまで35分しかない。ということで、「カレー研究所」で手早くすませよう。と思ったけど、満席で順番待ち。しかし、5分ほどで順番が来た。 ショーウィンドウでおいしそうだった、「ネパール風キーマ」を注文。10分かからず、カレーが来た。 キーマカレーは、最もはずれの少ないメニューだと思う。案の定、なかなかおいしいカレーであった。やや粗引きのひき肉で、肉のホックリ感が柔らかな食感となっておもしろい。キーマカレーはすこし油がきつい場合が多いが、油は多からず少なからず適量。 5倍辛にしたので、かなりスパイシーで、辛さ的にも満足。 不満といえば、目玉焼がちと小さいくらいだ。 この手の店にもう一回来たくなるからは、コストパフォーマンスが重要。味的にはまずまずなのだが、消費税を入れると1000円オーバー。800円なら時々来たいとは思うが・・・。 先ほどから店内を見回している、食べ終わっても喫茶店なみにゆっくりとくつろいでお喋りに興じている人が2組もいた。私が入店して退席しようとしているのにまだいる。30席に満たないこの店で8席がふさがっているというのは、かなりの迷惑である。入り口には順番待ちの人が並んでいるというのに、信じられない。「食事くらいゆっくり食べたい」という気持ちもわからないではないが、行列ができているときは、長居せずに立ち去るというのが、マナーではないだろうか。 最近、満員、行列のできるカレー店が多いが、この手のマナーの悪い客が目に付く。先日、某店で待っていたときは、40分ほど待っていたのだが、なんと食べ終わって30分以上もお喋りしているグループがあった。それも、飲み物も注文もせずに。10人以上の客が待っているというのに・・・。多分、この人たちだって、行列を並んで入店したはずだが。 待ち時間が長いのは店側の責任だけではなさそうだ。 空いている時はいくら長居しても良いと思うが、ランチなどの混雑時はやはりあまり長居すべきではないだろう。結局、今度は自分が待つ番になると、嫌な思いをするだけ。お互いに気をつければ、皆で待ち時間を減らすこともできる。 (2004年1月17日) |
オープン直後 遅ればせながら、初めて「大丸」と「札幌ステラプレイス」を訪れた。さすがに、オープンからしばらくたつせいか、混雑はしていなかった。「大丸」と「札幌ステラプレイス」のレストラン街をぶらっと歩いて、「大丸」の「ハッティ」よりも、この「カレー研究所」の方が良さそうな感じがしたので、こっちに決めた。と思ったら、7−8人もの客が並んで待っていた。これには、ちょっと驚く。なぜならば、レストラン街をぶらっと歩いたところ、これほど多くの客が並んでいる店は、他になかったからだ。 丁度18時頃で、混雑する時間かなと思って、「旭屋」で30分ほど立ち読みをして戻ったが、行列は全く減っていなかった。こんなことなら、名簿に名前を書き込んでから立ち読みに行けばよかった・・・。改めて行列に並ぶ。 |
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店の前の席に座って待っていると、この行列の秘密が分かった。店の前のショーウィンドウの中のカレーの見本が、実においしそうなのだ。スリランカ風、インド風、タイ風、マレーシア風、ネパール風など、10種類もの各国のカレーが揃っている。一国一種類と厳選されるているので、わかりやすいし、ネーミングもなかなか良い。この食品見本を前に、通行客が足を止めて、「カレー食べたくなった」とつぶやいていたが、その気持ちはよくわかる。「パブロフの犬」の実験ではないが、この食品見本を見るとよだれが出て、カレーが食べたくなるのは、全く納得がいく。 それと、それぞれのカレーの値段は880円。ランチタイムではないので、他店だと、どうしても1000円を越える店が多いということも関係していたかもしれない。 さて、10種類もあると注文に迷うが、ショーウィンドウの一番目立つ位置には、「スリランカ風」と「インド風」がディスプレイされていたので、そのどちらかにしようということで、「スリランカ風チキンスープカレー」(880円)にした。辛さスパイスは、追加料金で三段階ある。一方、追加料金で香りスパイスも追加ができるというシステムもあった。二段階目の辛さに相当する辛さ五倍(100円プラス)を選んでみた。店員さんが「結構辛いですよ」と忠告してくれたが、余計なお世話である。 外に行列ができているわりには、10分もかからずカレーが運ばれてきたのは良い。 スープの量はまあまああるが、具が少ない。一番厳しいのは、ライスが少なすぎること。普通の店で言えば、「小盛」か「小ライス」になる。 スープの味はというと、「おいしい」。かなり意外。といっては失礼であるが、東京を中心に展開するチェーン店でここが7軒目ということもあって、正直全く期待していなかったのだ。十分おいしいです。タマネギを中心に味を出したスープ。タマネギの甘さがいい。塩加減はちょうどよく、スープ本来の味わいを楽しめるよう配慮されている。 タマネギで出したスープにターメリックが入るというパターンは、東京の方でよくある、南インドのスープカレーというやつに分類できる。何をもって「スリランカ風」と名づけたのかはわからないが、この手のスープカレーは東京に昔からあるタイプのものだ。 例えば、レトルトで出ている「鳥肌の立つカレー」や「横浜カレーミュージアムオリジナルカレー」なんかは、これにかなり近い味だろう。この両者のカレーは、カレーミュージアム館長の小野員裕氏が監修したものであるから、この手の味というのは、東京人には広く受け入れられる味と考えられる。 しかしながら、現在札幌で流行っている「札幌スープカレー」は、ターメリックが入らないものが主流である。あるいは、あまりターメリックらしさが前面に出ない程度に抑制して使っている。この辺が札幌人に受けるのかどうかのポイントとして重要かなという気がした。 具は、チキン、タマネギ、ゆで卵の三種類のみ。食品見本を見たときはジャガイモに見えたが、実際はタマネギであった。具のタマネギ、それもこれだけ大きなものが入っているというパータンは、札幌のカレー屋では記憶にない。チキンはボリュームがあっておいしいが、他店との比較でいえば「並」レベル。ゆで卵は半熟ではなく、表面が多少スパイスが染みている以外に、別に楽しみもない。したがって、具は単調かつ、物足りない。満腹にもならない。 ライスが少ないので、追加ライス(100円)を頼む羽目に。普通の胃の大きさを持つ男性諸君は、ライス大盛りは必須である。 スープの辛さだが、「チョイ辛」くらいで、かなり物足りない。「スリランカ狂我国」の20番程度か。汗の1滴もにじまない。この程度の辛さで、「辛いですよ」と忠告されるのは不本意であるし、100円の追加料金をとられたのも不本意。100円とるのなら、もっと辛くして欲しい。ちなみに、この一段階上の「10倍辛」は150円プラスである。 五倍辛でこの程度の辛さであるから、辛さの追加なしの味は、どんなものだろうか? かなり、心配であると同時に、「五倍辛」にしておいてよかったとも思う。 総評すると、スープはおいしい。しかし、具が少なく味が単調となる。ライスが絶対的に少ない。ある程度の満足感を味わうために、ライスと辛さの追加料金を払う必要があり、結果としてここのカレーを楽しむには1000円を超えてしまう。 結構、酷評になってしまったが、味自体は悪くないと思うし、チェーン店としては予想以上においしいのは事実である。価格と精神的な満足感にかなりのギャップが存在する。それをいかに埋めるのか。ショーウィンドウのせいか、他のメニューに挑戦したい気持ちは多いに湧いた。 「カレー研究所」の東京の店の批評などを読むと、東京店では、スリランカ風は「キーマカレー」となっている。また、店によっても若干メニューのラインアップが異なるようで、その土地の嗜好を考慮に入れたメニュー構成にしているようだ。 スープ自体には問題ないので、札幌人の舌と胃の大きさをもう少し研究し、楽しい店にしていって欲しい。 (2003年4月1日) |
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店の前が混んでいたため、写真撮影不能 |
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