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激辛カレー批評 |
enough(イナフ) 札幌市中央区南3条西2丁目 |
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場所が少しわかりずらい。今までこの南3条通を、何百回と通ったにもかかわらず、ここにこの店があることに一度も気づかなかった。この日も住所を見て、こんなところにこん店があったかなと思った。最初3条通の南側を歩いたので通り過ぎてしまった。南3条通の真ん中へん、南側を向いた小さなビルの地下に、このビルはある。 カレー屋でしない。バーだが、昼はカフェとして営業し、ランチメニューもそろえている。カレーメニューは一種類だけ。タイ風ココナッツミルクカレーの一種のみ。その他は、ペンネなどのパスタ料理、オムライス、サンドイッチなどである。「カレー」を売りものにするのは、バーとして不本意なのかもしれないが、このカレーは十分に売り物になる完成度を持っている。 地下の店内は、落ち着いた雰囲気。昼なのに、バーのような感じ。音楽も会話の邪魔をしない程度にほどよく抑制されている。 カレーを注文すると、「ちょっと辛いですか、よろしいでしょうか」と確認される。当然「いいです」と答える。 マスターが一人で切り盛りしている。ウェイター兼シェフである。カレーが出てくるまでに、10分ほどかかる。 机の上にカレーが置かれた瞬間、このカレーはうまいとわかる。上の画像を見て欲しい。見事な色合い。味だけでなく、視覚なうまさもカレーにおいて重要な要素であることは言うまでもない。そして、立ち上る香り。素晴らしい香りである。もう食べなくておいしいことは、確信できる。 マイルドな口当たり。甘さと辛さのほどよい調和。ココナッツミルクが入っているが背、ココナッツミルクの自己主張は強すぎない。あくまでも味のサポート役に徹している。この抑制の効いたココナッツミルクの使い方が良い。タイ風というより、日本風タイカレーなのだが、日本人に食べやすいようにうまくアレンジされている。 また、この独特の甘さは女性にお勧めである。辛さはあまり感じなかったが、食べ終わるとほんのりと、額に汗が。結構、スパイス使われているようだ。すなわち、普通の人(激辛カレーばかり食べていない人)にとっては、最初に店の人が忠告したとおり結構辛いカレーということか。 一つのカレーとして極めて高い完成度である。タイ風カレーでありながら、エスニックな味わいがなく日本風にアレンジされている点を、食べやすいととるか、もの足りないと感じるか、その辺で評価が分かれそうだ。 |
カフェめしと考えれば、このカレーは文句ない一品と言って良いだろうか。エスニック色の強いカレーを食べたいのであれば、専門店に行けば良いのだから。 地下にあるということもあり、店全体が凄く落ち着いた雰囲気である。イスもゆったりと深くこしかけるイスと、食べたりするのに適した普通のイスと数種類ある。 カップルにはデートにも使える。こんな落ち着いた店でちょっとむおいしいカレーをごちそうすれば、あなたの株も少し上がるのでは? そんなことを考えながら、一人寂しく店を後にする樺沢であった。 (2002年3月) |
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