バルコの隣。大通りのど真ん中という絶好のロケーションにうるのが、『ガムラ・マサラ』である。『ガムラ・マサラ』といえば、どうみてもカレー屋の名前であるが、この『ガムラ・マサラ』は、カレーを出す洋食屋と言った方が適切であろう。
かなり昔からある店だし、便利なロケーションにありながら、あまり訪れることはなかった。その理由は、店の雰囲気。客のほとんどは、女性同士の客かカップルである。男性の一人客というのは、まず見かけないし、どうみても入りにくい。『ガムラ・マサラ』は、ちょっとしゃれた洋食屋である。したがって、気楽に入れるカレー屋とは違う。
メニューは、「ぶたの角煮カレー」を頼む。昔あった評判のブレイン・カレー(脳みそのカレー)は、メニューからなくなっていた。
カレーが運ばれてくる。かなり大きな角煮で三つも入っていて、想像していた以上のボリューム感がある。
ルーをいただく。「おいしい。」何年ぶりかで、『ガムラ・マサラ』のカレーを食べたが、こんなにおいしかったかという感じ。カレーというよりも、ビーフ・シチューだ。ビーフ・シチューにちょっとだけ、スパイスが入っているという感じ。まろやかで、奥深い味。ライスとの相性も抜群である。 |
サフランライス
ニンニクのつけものがつく
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角煮も柔らかく、口の中でとろける。洋食カレーの最高峰と言って良いだろう。
味に関しては、文句のつけようがない。問題は値段とのバランスである。このカレーに、1207円(消費税込みで)の価値があるかどうかということ。コーヒーを一杯飲めば、1500円超えてしまう。あとは、金銭感覚と、価値観(ルーカレーがどれだけ好きか)という個人的な問題にゆだねられるだろう。私はちょっと高いなという印象であるし、カレーに1000円以上払うのなら、スープカレーに払いたいという思いがあるので、評価は「★★★1/2」とした。
『ガムラ・マサラ』のホーム・ページには次のように書かれている。
当店のカレーは、いつでも気軽に食べられるカレーというのとは少しちがい、「今日は給料日だから、ガラム・マサラのカレーでも食べに行こうか」といった感じの、特別な日のカレー”を提供しています。それは、”「働くために食べる」のではなくて、「食べるために働く」”というのが当店のキーコンセプトだからです。
普段とはちょっと違うひと時を、過ごしてみませんか。 |
敢えて、高級な「特別なカレー」を目指しているのだ。そういう意味で、ここのカレーは「特別なカレー」を見事に体現しているだろう。ルーカレーの好きな人は一度食べてみる価値があるが、劇辛カレーファンには上品過ぎて口に合わないだろう。夏場のオープンテラスは、都会のど真中で爽やかな空間を提供している。デートとコースとしても使える店である。 (2001年12月8日) |