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激辛カレー批評 |
スリランカカリー・村上カレー店 プルプル
中央区南2条西9丁目 |
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再食 ナットひき肉ベジタブル スープカレー原体験と経験的嗜好形成についての一考察 久しぶりに「ナットひき肉ベジタブル」をいただく。言うまでもなく、『プルプル』の看板メニュー。やはり、おいしい。改めておいしい。「納豆」という素材の偉大さを再確認する。発酵食品の持つ豊かな旨み。それが、ことごとくスープに移行して、スープに圧倒的なうまみを追加している。それでいて、納豆の持つ強烈な個性に、もともとの骨のある荒々しいスープの味が決して負けていない。 |
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昔から、「プルプル」を食べ続けている私としては、「プルプル」の味は何か郷愁をさそう。最初に「プルプル」を食べてから、もう八年もたつのか・・・という感慨。その味は、ほとんど変わっていない。
毎月、新店が数軒ずつオープンしている。いろいろと新店をめぐり、いろいろな味を食べ歩くが、「やはり、プルプルのカレーはおいしい」という結論に達するのだ。これに賛同してくれる人も多いだろう。 味というのは記憶と深く結びつく。 90年代中盤、スープカレー店が10軒に未たない時代、新しい味を食べたいと圧倒的に希求する中でめぐりあったのがが「プルプル」であり、村上さんが「スリ狂」のファンであったのと同様に、私も週2、3回は食べていた「スリ狂」ファンであったという共通項もあって、「スリ狂」と似た点をもちながら基本的に異なるこの「プルプル」の味というのは、私の中でもスープカレーの味記憶の基本的な部分を構成する一要素となっているようだ。 昔からスープカレーを食べている人にとっては、「アジャンタ」「スリ狂」「マジスパ」「プルプル」といった店の味は、共通の味覚体験として共有それている(はずだ)。基準点といおうか、あるいは原体験といおうか。 そうした、原体験なり基準点が異なる人では、当然ながら経験的「嗜好」、それは個人による「嗜好」の差ではなく、何を食べてどういう生きてきたかという背景の違いによって形成される、経験的嗜好が異なる。 例えば、関西人は「ダシの効いたアッサリうどん」を好み関東人は「しっかりと味のついた濃い口うどん」を好む。関西人にだって濃い味が好きな人もたくさんいるし、関東人にだって薄口が好きな人は多いはず。そうした個別の嗜好を超えて、今までにどんなうどんを食べてきたかという経験が、嗜好に影響を及ぼすのだ。 「樺沢の味の評価がずれている」批判があるのは承知しているが、それもおそらくこうした原体験が差も影響しているだろう。すなわち、「ピカンティ」「らっきょ」「エス」といった最近の人気店。いずれの味もおいしいとは思うが、こうした店でスープカレー初体験をした人と、昔ながらの「アジャンタ」「スリ狂」「マジスパ」あたりで初体験をした人とでは、スープカレーに対する嗜好性が異なってくるだろうと予想される。 当サイトの主要な支持層は、30歳台で、それもむしろ後半。過去3回のオフ会で、のべ100人近くの参加者の年齢を調べても、25歳以下の参加者はわずかに数名で5%にも満たないのである。一食1000円するスープカレーはり、やはり高額。スープカレー店を食べ歩きを楽しんでいる人たちは、学生よりも社会人の方が多いと推測されるが、実際お店にいけば20台前半の客も少なくない。 当ホームページが、共通の味体験を持っているだろう30歳代の人の支持に熱く、 20代の人の支持が薄いのは、当然のことともいえるのだ。ちなみに、樺沢は38歳男性である。 こうした原体験の違いが、味の嗜好とその結果として評価に影響を及ぼすわけで、そうした点も加味して本文を読んでいただければ、さらに当サイトの情報が有用なものに変化するのではないだろうか? (2004年3月5日) |
再食 しめじチーズ 久しぶりに、「プルプル」に行ってみる。「プルプル」はオープン当時は、月1くらいでは行っていたはずだが、最近のようにスープカレー店が乱立してからは、新規店めぐりに時間をとられて、すっかり足が遠のいてしまっていた。以下記載する感想は、常連客にとっては、前からそうだと怒られそうだが、とりあえず久しぶりの感想ということで、ご了承願いたい。 「プルプル」は、サラリーマンで賑わう店であるから、昼休み時間は行列ができる。ということで、11時50分に入店した。幸い、その時は空席があったが、12時10分には外で待つ客が出始めた。ただ、混んでいても、カレーが出てくるのが早いし、席数が多く回転率もいいので、多少の行列は恐れることはない。 |
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ここのチーズのメニューは、食べていなかったので、注文は「しめじチーズ」(700円)辛さは定番といえる「50番」(+50円)で、かなり空腹だったのでライス中盛(+50円)とした。 ほどなくカレーが運ばれて来る。あいかわらずの風味。大量の粉チーズがふりかけられて来た。チーズが「溶けてないじゃないか」と思ったその瞬間、数秒間でチーズはトロリと溶け出して安心した。 チーズがスープと合う。最初は、チーズが多すぎて「大丈夫か」と思ったのだが、溶けると容積が減り、ほどよい量となった。というか、これならもっと欲しいくらい。「チーズが溶けてスープの味わいを変えてしまうのではないか」という危惧もあったが、チーズは具の上にトロリと乗っかる程度で、スープに溶け出していない。チーズが溶けないでもともとのスープの味と、トロリチーズが、絶妙のハーモニーを生んでいる。 しめじの切り方、スープとの混じり方や量的なバランスは、明らかに「スリランカ狂我国」の「マッシュ」を意識している。しかし、それは非常によいことだ。しいて「スリ狂」の「マッシュ」との違いを挙げれば、「スリ狂」ほど煮込んでいないので、しめじのつるりとした食感と硬さが若干残っている点か・・・。それが好きか嫌いかは好みということになる。とにかく、しめじの量が多いのは良い。一口ごとにスープと一緒にしめじを食べていっても、最後までなくならないで食べられる。 しめじ以外の具は、ジャガイモ、ニンジン、カボチャ、ナス、ピーマンとたくさん入っている。昔の「ベジタブル」と比べて、明らかに具の量が増えている。隣の人の「納豆ベジタブル」や「エビつくね大根」をのぞいていてみても、昔の具の量よりパワーアップしていた。 さらに、具の調理も変わっている。一番変化が大きいのはナスだ。下記の2000年7月の評では、「唯一、文句があるとすれば、ナスはもっとスープを吸収するやわらかいものであればよかった」と書いているが、今回のナスは以前よりも明らかにやわらかく、そしてスープをたくさん吸収している。ジャガイモは一個まんま入っていたが、昔は切られておりボリュームも1個に満たなかったはずだ。ということで、具の調理や量に大幅な進歩が見られて嬉しかった。 一方、スープの味は昔と全く変わらない。50番の辛さに決して負けないスープ。というか、このスープは辛くしないとおいしくないわけだが、あいかわらずのパンチ力である。昔はいつも50番を平気で食べていたが、久しぶりに食べたせいか、額から汗がどっと出た。これぞスープカレーだ。 確か以前はライス大盛無料だと思ったが、ライス中盛(+50円)、ライス大盛(+100円)となっていた。しかし、その量はかなりのもの。中盛は、普通の店の大盛の量があり、大盛りはすごい量のライスが盛られている。とはいっても、ライス大盛、スープ大盛で食べているサラリーマンもいたりして、「よく食べられるなあ」と感心してしまった。 久しぶりに訪ねると味が変わっている場合があるが、良い方向に進化していて安心した。 (2003年3月31日) |
ベジタブル (2000年7月) 「プルプル」も、最近ではすっかり札幌を代表するカレー屋の一軒にのしあがった。ランチ・タイムにはかなりのにぎわいがみられ、時には行列もできる。確かに、ランチ・タイム700円でこの味ならば、行列もできるであろう。 ちなみに、最近(2000年4月頃か)メニューが変わり、ほとんどの具をトッピングできるようになった。好みによって味が微調整できるようになり、うれしい限りである。 本日のメニューは、「ベジタブル 80番」を頼む。辛さは、0〜100番まであり、私はいつもは、50番を食べるが、今日は体調も万全なので、80番にチャレンジする。 |
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皿からこぼれそうなほど並々ともられたスープ。究極的に真っ赤なスープ。思わず、生唾がである。どくとくのスパイスが効いたスープは、あいかわらずうまい。からさ、80番は50番とそんなに変わらないのだが、スパイスの主張が強まり、スープ本来の旨みを減じてしまってっているような気がする。やはり50番くらいが、辛さとスープのうまさのバランスがとれているということか。 飲み口がよく、おいしいスープは、どんどんと減っていく。3、4センチに切られた野菜も食べやすい。唯一、文句があるとすれば、ナスはもっとスープを吸収するやわらかいものであればよかった。 しかし、ランチ・タイムの700円は死ぬほど安い。この日本において、700円という貨幣価値がこれほどまでに高かったのか、と思い知らされる。大満足の一杯である。 (2000年7月) |
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ナットひき肉ベジタブル 納豆という具をカレーに導入したのは、私の知る限り、プルプルが最初である。今では、「マジック・スパイス」のトッピング・メニューに加えられているが。 このナットベジタブルは、かなり奇妙な食べ物である。他の、プルプル・カレーとは一線を画す。とにかく、納豆のぬめりによって、スープのサラサラ感が消失しているのだ。いっぽう、納豆の食感と味が、スープの主張をはるかに凌駕している。オクラが、納豆のぬめりを大きくバックアップしており、絶妙の味わいを醸し出す。納豆嫌いは、一口も食えないだろうが、納豆好きにはたまらない一品である。納豆が嫌いでない人は、この新感覚カレーを一度は試してみるべきであろう。 (2000年7月) |
通販に挑戦 『プルブル』が、ホームページのオープンに引き続き、カレーの通信販売を開始した(2001年末頃)。 「レッグ入りカレー」(500円)「納豆・挽き肉入りカレー」(500円)「カレースープのみ」(400円)の三種類である。ベジタブル等の具は、味が劣化するせいなので取り除かれている。 試しに取り寄せてみた。クール宅急便(冷凍)で届けられる。 |
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早速、「レッグ入りカレー」を作ってみる。作り方を詳しく書いたプリントが入っている。まずは沸騰したお湯に、パックごと入れる。 まだ、袋を開けていないというの、部屋にクローブの香りが充満してきた。これは、期待できそうだ。調理法について、詳しくプリントに書いてあるのがよい。
皿に盛ると、かなりのスパイスの風味がほとばしる。なかなかのものだ。 スープは辛さ0番の状態で送られてくる。自分で、「辛みスパイス」から必要量のスパイスをいれて、辛さを調整するのだ。 辛味を入れる前のスープを一口だけ味見する。辛さ0番のスープを味わうチャンスなど普段はない。濃厚なスープだが、これでは全くカレーとはいえない。チリペッパー人サジが約10番に相当するとプリントに書かれているので、いつも「プルプル」で食べる30番の辛さにするために、三さじ入れる。いつもの、真っ赤なスープになった。 |
一口食べる。いつものプルブルの味だ。冷凍ということで、かなりの味の劣化が懸念されたが、その心配はなかった。パックから出して鍋に移して、少し加熱するという若干の調理が、いくつかのスパイス成分を揮発させて、風味を蘇らせたようだ。味の保存度としては90%くらいは、あるのではないだろうか。 とろとろのチキンがうまい。うますぎる。追加調理のせいもあり、店で食べるチキンよりも少し柔らかめになっているようだが、それもまたよし。脂の乗ったチキンは、このくらいトロトロになっても実においしい。 食べ方としては、チキンをほぐしてしまって、スープにつけておく。スープにチキンの味を染み出させて、さらにチキンにスープのうまさをしみこませていただくと、スープもチキンも二倍おいしくなる。 |
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後半になると、店で食べるのと同じように汗だくになってくる。手先にもスパイスの臭いが染み込んでいたから、このスパイス力は大したものだ。 追加調理の加熱処理が効いている。いままで冷凍カレーをとって食べていたが、ルーカレーかインドカレーが多かったので、袋から鍋にとって、加熱するのがはばかられた。ルーカレーやインドカレーは、当然のことながらスープカレーと比べると水分の割合が少ないとの出、加熱して水分を飛ばしてしまうと、味のバランスを損なう恐れがあるので、そんなことは考えてもみなかった。 別の日に、「納豆・挽き肉入りカレー」を食べてみる。「レッグ入りカレー」と同様の作り方で作ってみる。 これで、一袋500円は激安。他の店の通販カレーも食べているが、700円、800円というのが少なくない。しかし、店で食べるのに800円は普通だが、レトルトで800円で800円の満足感を得るというのは、かなり難しい。 |
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