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激辛カレー批評 |
スパイス・バー ターラ 札幌市中央区南1条西4丁目 |
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「ターラ」は、何年か前のオープンしたての頃に一度訪れたことがある。味に特徴のないパンチのないカレーであったことを記憶している。四丁目の交差点そばという絶好のロケーションにありながら、その後一度も訪れていないという事実が、私の「ターラ」に対する評価を顕著に表わしているだろう。
今回、ホームページ掲載用の写真を撮るため再び訪れたが、メニューが昔とかなり変わっているという情報もあり、多少の期待があった。 四丁目の交差点のそば、日本旅行ビルの外から階段で地下に降りていく。「TARA」という看板は目立たない。多くの人がこの店の前を通る割には、ここにカレー屋が存在することを知らない人も多いかもしれない。 まず、この時点でビジネス・チャンスを逸している。 狭い階段を降りていくと、店の入り口があるが、入り口周辺に自転車やいろいろなものが置かれていて汚い感じ。かなり印象が悪い。しかし店内は、薄暗い感じの照明で、おしゃれなバーといった雰囲気である。 メニューはルータイプのカレーを中心として、ターラ風スープカレーというのもあった。今回はこの店の最もスタンダードなカレーを食することにした。メニューの一番上に書かれていた、チキン野菜800円を注文することにした。辛さは、普通、辛口、激辛、三倍辛の四段階がある。ルーカレーであまり辛過ぎるのは、失敗する可能性が高いので、激辛ではなく、単なる辛口にしてみた。 土曜日の昼13時頃ということもあり、店内は7、8割の席が埋まっていた。そのほとんどは、女性のグループ客であった。店の雰囲気から考えても、納得がいく。 カレーの盛り付けは、非常にきれいである。ルーとライスを混ぜて食べてみる。まあ普通のおいしさだが、何かものたりない。ちょっとだけ辛いこの辛さも、このルーカレーには適当である。何かものたりないが、この味の欠落感は以前にも味わったことがある。そう函館「小池」のカレーの、味の空白地帯がこの「ターラ」のカレーにも存在しているのだ。玉ねぎなどの野菜の甘み、旨みが見事に抜け落ちてしまっている。コクというか、深みというものがない。女性向けの食べやすさ、ヘルシーさをめざしている、その雰囲気は伝わる。あっさりとしてカレーを目指しているのかもしれないが、何か物足りない。しかしながら、ライスとの愛称は良く、三分も立たないうちに半分以上食べていた。 |
チキンは衣のついたフライドチキンである。そして、衣にはハーブか何か香草が散りばめられていて、見た目はとてもうまそうである。フライがさっくりあがっていて、とても香ばしい。チキンにしてはあっさりとしていて、やはり女性向きなのだろうが、個人的には物足りない。この味付けは物足りない。チキンの量も少なく、もっと食べたいという気持ちになる。
スプーンとフォークが添えられており、ナイフが置かれていない。実際、具材はナイフを使わなくても、フォークで切れる程度の柔らかさに仕上がっている。スプーンで切るにしては少し固い。柔らかすぎず、固くもない固さである。 全体の量は、女性のお腹にあわせてあるので、空腹な男性には間違いなく少ない。 ランチセットのアフリカ餃子、サラダ、デザート、コーヒーのセット1200円というのも、そそられる。また、一品料理もいろいろあるので、何人かで行ったときは、一品料理をとってみるというのも楽しいかもしれない。 「ターラ」は夜O時まで営業している。夜間は、ちょっと珍しいつまみのあるバーといった雰囲気で営業している。 カレーの量、盛り付け、味つけ、店の内装、それら全てが女性客をターゲットとして設計されている。したがって、パンチのある激辛カレー好きな私の嗜好には全く合わない。しかし、こうしたオシャレなカレー屋があってもいいのかもしれない。 (2001年4月22日) |
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入り口が目立たなすぎるし、入りずらい雰囲気である。ただし、値段を表示したメニューは、その抵抗を多少は柔らげる。 |
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