激辛カレー批評
[スープカレー ホーム]



Curry & Cafe
ベリーカリー


テレビ塔ビル地下一階

閉店しました。(2002年1月)

curry.jpg (16303 バイト)
 

『ベリーカリー』閉店についての一考察

 大通近辺での、貴重なスープカレーの店、『ベリーカリー』が閉店した。
 先日、店の前をたまたま通りかかったが、シャッターがしまり、装飾が取り払われていた。非常に寂しい感じがした。
 まあまあおいしいカレーを、安価に提供していた。すごくおいしいわけではないが、コストパフォーマンス的には悪くない店だと思う。
 『ベリーカリー』の閉店は、いくつかの現実を我々に示す。
 下記の紹介文にも書いているように、『ベリーカリー』のすぐ近くには『あっぱれ亭』というおいしいラーメン屋がある。「北海道ウォーカー」のラーメン・ベスト100で○位に入っていたので、人気店と言っていい。実際この日、『あっぱれ亭』の前には、七、八人の行列ができていた。まさに、「あっぱれ」である。
 単に『ベリーカリー』の閉店は、『あっぱれ亭』に食われたということだけでは、説明できない。札幌のいくつかのスープカレー屋は、値段が高いという悪評もある。『スリランカ狂我国』『マジック・スパイス』はそうかもしれない。しかし、値段とは反比例して、それら店は非常に繁盛している。すなわち、おいしければ高くても客は来るということである。
 しかし、その逆は真ではない。どんなに安くても、まずければ決して客はこない。まずいとまではいかなくても、「安くて普通に美味しい」、普通くらいのおおいしさなら、安くても客が来ない。それを、『ベリーカリー』の閉店は証明してしまった。
 このホームページで何度か書いているが、70点のカレーは、存在意味をもたないのである。そこが、究極の嗜好品であるカレーの特徴である。多分、ラーメンやそば屋なら、70点の味でも、値段がそこそこ安ければ、客は集まるだう。しかし、カレーは違うのだ。
 「どうしてもまた食べたい」という衝動を客に与えることが、リピーター作りの必須要件である。『ベリーカリー』や他の閉店したカレー店をみると、そこそこにおいしい店はあるが、超個性的なカレーを出している店はない。やはり、万人に70点から80点の得点をつけてもらおうという、優等生的なカレーなのである。
 スープカレーは、群雄割拠の時代に入った。もはや、「けっこうおいしいカレー」では生き残れない。100点をつける人が10人中一人でもいい。そのくらい、個性的なカレーを出している店が成功しているし、結果として個性的なカレーは、十人中三人以上が90点以上をつけるカレーになっている。
 繁盛しているカレー屋は、何らかの味の冒険をしている。

 残念ながら、『ベリーカリー』には、味の冒険は見られなかったように思える。

 

過去の紹介文

 札幌の街中に、本格的スープカレーの店が誕生した。これはカレーマニアにとって、うれしいニュースである。札幌の大通周辺に、おいしいカレー屋があまりない。『ターラ』は、野郎が一人で入る雰囲気の店ではない。また、『洛陽』はいまいち味にパンチが足りなく、不満が残る。昔、ベッシー・ホールの隣に『銀の塔』というスープカレーの店があり、足繁く通ったものだが、残念ながらつぶれてしまった。したがって、『銀の塔』依頼、大通周辺でおいしいカレー屋がない。カレー天国札幌において、信じられないカレー空白地帯が、実は大通なのである。
 ベリー・カレーは、テレビ塔ビルの地下一階にある。紀伊国屋近辺をよくうろちょろしている私にとっては、非常にありがたい場所である。
ロケーションはわかりやすい。オーロラ・タウンの一番東端。そこにある時計台ビルに続く階段を上っていくと、右側にある。階段にある「カレーのお店」の看板も、わかりやすい。
 店内に入ると、二階へと案内される。このビルの中のテナントなのに二階というところが意外だ。メゾネットみたいな、中二階である。このこじんまりとした閉鎖空間が、非常に落ち着く。すなわち、厨房や店員の姿がそこからは全く見えない。案の定、ノートを出して何か書きものをしている女性や、自分で持参した本を出してくつろいだ雰囲気で読んでいる男性もいた。
 そうした落ち着いた雰囲気の中、本日は「骨付きチキンカレー」を頼む。辛さは、普通、中辛、大辛があり、当然のごとく大辛を頼む。
混濁系スープカレーだ。若干のトロミを伴う。一口食べてみると、結構いける。しかし、スープだけを飲むと、少ししょっぱめであり、スイスイと運ばない。このスープカレーは、スープだけで飲むには適しない。ライスと混ぜ合わせると、若干のトロミがあるせいか、ライスと適度にまじり、しよっぱみも丁度よくなる。

 そして、チキンの量がかなり多い。普通カレー店のチキンの1.5倍ほど入っている印象である。圧力釜でトロトロになったチキンは、油ものっていてジューシーでおいしい。また、下味もうまくついている。ライス一匙に対してチキン一切れを食べていても、最後もまでチキンがなくならないほどたくさんのチキンが入っている。
 しかし一方で、他の具が二種類くらいしかないので、ちょっとさびしい感じもしたが、それは欲張りだろうか。
 『ベリー・カレー』の大きな特徴の一つは、ランチ・タイムのカレーが、破格の安さということである。今回食べた、「骨付きチキンカレー」は750円と普通よりちょっと安いくらいの値段だが、ランチ・タイムには日替わりカレーが550円で提供される。普通のカレー屋では、ランチ・タイムは100円引きというのがよくあるが、『ベリー・カレー』は200円引きなのである。大判ぶるまいだ。そしてさらにうれしいのは、土曜、日曜もランチ・サービスをやっていることである。街中の飲食店のほとんどは、ランチ・タイムにサービス・メニューを提供しているが、大抵は平日のみである。  rice.jpg (12977 バイト)
 ライスは全く普通
 さらに、カレーのみならず、スープとフルーツもついてるというのだから、あっぱれである。そうしたなか、土曜、日曜にも550円でこのスープカレーを提供するというのは、かなり画期的な試みであり、店長の心意気を評価したい。
実は、この『ベリー・カレー』のすぐ近くに『あっぱれ亭』というラーメン屋がある。『あっぱれ亭』のラーメンは、結構おいしいが、『あっぱれ亭』のラーメンと競争する意味でも、あるいは他のライバル店と競争する意味でも、550円という破格のサービスが必要だったのかもしれない。
 この絶交のロケーション。私が、『ベリー・カレー』をしばしば訪れることは間違いないであろう。
(2000年10月24日)

shop.jpg (15247 バイト) テレビ塔の地下一階だかに、分かりやすい。オーロラタウンの東端にあたる。
 

 

 私にとって20世紀最後のカレーは、『ベリー・カレー』となった。『ベリー・カレー』のカレーには、スープ・カレーとルー・カレーの二種類がある。今日はルー・カレーを試してみる。というわけで、ナスとアスパラのカレー(大辛、750円)を注文する。
 ランチタイムなのでサラダバーがついていた。待ち時間の間にサラダバーをとる。サラダは8種類で、ドレッシングは4種類と非常にバラエティがある。フルーツポンチもついているので、サラダ・バーはかなりお得な感じがする。
 カレーはどろりとして赤みがかっている。辛いのかと思ったら、ビーフシチューあるいは、ハヤシライスに近い味わいである。タマネギがトロトロになるまで煮込まれているのだろう。辛さは大辛を頼んだ。そんなに辛くはないが、このハヤシライス風のカレーには、辛口よりも甘口の方が合うだろう。
 具はかなりたくさん入っている。ナス半分が二本、アスパラが5、6本。大きな人参が二つ。玉子といった感じ。ナスはおいしいけど、ルーカレーなので、スープを含みようがなく、ジュシーさはないが、甘味はある。ライスとの相性はよい。
 大晦日ということで、小さなおわんに年越しそばがサービスされた。うれしい限りである。
 個人的な趣味としては、ルー・カレーとスープ・カレーでは、スープ・カレーの方が好きである。
 店のおばさんが会計のときにな、いろいろと話し掛けてくれて、愛想がよい。好感がもてる。  
(2000年12月31日)

curry_nasasp.jpg (15679 バイト)
ナスとアスパラのカレー
(ルーカレー)大辛

salada.jpg (13190 バイト)
サラダバー

 

 

 

評価  ★★1/2
営業時間  
定休日  
駐車場  
席数  
ランチタイム 11:30−13:30
種類  スープカレー、ルーカレー
その他  
メニュー、値段
スープカレー
 骨付きチキンカレー 780円
  (セット1000円、サラダバー、ドリンク付き)
 地中海カレー 800円
.ルーカレー
 ナスとアスパラ 750円

 shop2.jpg (18767 バイト) 階段にも表示があり、間違えようがない。親切である。