樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
レトルト 明治製菓 アジアン・ダイニング
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ベトナム風ポークカレー 普通のレトルトカレーは、味がとがらないよう配慮されている。ある味が突出しないということ。すなわち、万人に受け入れられる味作りをめざしている。したがって、結果としてマイルドでなめらか味になってしまう。「辛口」と称しても、それは辛さの苦手な人にとっての「辛口」でしかない。 普通のレトルトカレーは、そういうコンセプトで作られているから、子供に食べさせたりするのには良いかもしれないが、カレー好きにとっては、全くおもしろみのない平板な味しか体験できない。 しかし、この「アジアン・ダイニング」シリーズは、コンセプトが違う。一般人というも、ちょっと変わったものを食べたいと思っている人に向けて作られている。したがって、いくつかの味のとがり、すなわち個性があっておもしろい。 この「ベトナム風」でいえば、ココナッツミルクとニョクマムの風味がある。しかし、その味も嫌味が出ない程度に抑制されている。とがりそうでとがらない、微妙なバランスが成立している。 辛さは、「辛口」と表示されている。そして、実際に辛いのだ。カレー好きにとっては、すごく辛いわけではないが、レトルトカレーの辛さとしては、かなりストレートな辛さで、それなりに楽しめる。 一般のレトルトカレーは「没個性化」したカレーであるとすれば、このカレーは、「個性が際立つ」カレーである。それでいて、個性が一人歩きしない程度に抑制されている。 |
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このくらいの遊び心というか、ちょっとした味の変化がなければ、食べていてつまらない。 レトルトにしては具は大目で、ちゃんと具が入っているのが実感できる。特に、ジャガイも甘くておいしかった。 甘さで思い出すが、このカレーは「明治製菓」で作っている。製菓メーカーが作っているということもあり、ルーのマイルドな甘みが結構いい感じである。 カレー好きであれば、一度は食べて損はないカレーではないだろうか。味、値段や具の多さなどを考えると、お買い得の一品だと思う。 |
タイ風レッドカレー 「大辛」と書いてあるだけあって、本当に辛い。辛さの苦手な人は、やめておいた方がいいだろう。逆に、激辛カレーファンにとっては、一度は試して欲しい一品である。 基本的にはマイルドなタイカレーだが、そのマイルドさの後ろに、ちょっと鋭い辛さが隠れている。本格的な風味を気軽に楽しめるというところが、うれしい。 袋茸がちょっと変わっていて面白いし、タイカレーに必須のタケノコも、想像以上に入っている。 スープ状なので、やや量は少なく感じてしまう。というか、それは、「もっと食べたい」という気持ちの表れでもあるので、プラスの意味を持つかもしれない。 この「アジアン・ダイニング」シリーズ、全部に言えることだが、パッケージがなかなか良い。食欲を非常にそそる、おいしそうなパッケージだ。特に、このタイ風レッドカレーの赤のパッケージは非常良いと思う。 この「アジアン・ダイニング」シリーズは、なかなかセンスが良いのだ。パッケージ・デザインのセンスは当然として、味のセンス、コンセプトが秀逸である。 |
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インド風キーマカレー キーマカレーのレトルトというのは、他社からも既にいくつか出ている。それらとの比較ということになると、同程度というレベルだろうか。 だいたい、キーマカレーというのは、挽肉の味が出て、もともと非常においしいものだ。どのインドカレー屋に行っても、そう大きくはずすことはない。このキーマカレーも、十分おいしい。しかし、よくあるキーマカレーの水準というレベルであって、特筆する何かは感じられなかった。 この三種類の「アジアン・ダイニング」シリーズの中では、やや個性が弱い。 |
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