樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
インディアン工房 カボシャール 釧路市白金町22−7 |
釧路に出張の機会を得た。釧路の職場の人から、「釧路にカレーのおいしい店はないのか?」と尋ねると、「激辛カレーの店がある」という返答である。早速、詳しい地図を書いてもらい、同日夕方にこの『カボシャール』を訪れた。 地図はかなり詳しく書いてもらったが、少し迷った。釧路駅裏(北口)のJOMOの近くである。かなり広い駐車スペース(15台くらいとめられる)のうしろに、ログハウスのようなオシャレな建物が目に入る。「インディアンカレーのカボシャール」という看板があった。「インディアンカレー」とは、どんなカレーか。玉ねぎがたくさん入ったインドカレーであろうか。思わず、食欲がそそられる。 私が入店したときは、2組ほどしか客はいなかったが、夕方6時ということもあり、次々と客が入り、出るときには客席は8割が埋まっていた。店内は、壁の一部がレンガになっていて、作りはオシャレである。しゃれた喫茶店といった雰囲気である。 本日のメニューは、と思いメニュー手に取ると、妙にページ数が多い。インディアンカレーとは激辛カレーであり、1番から5番までの辛さがあり、特に4番と5番は非常に辛いので注意を要するといった、注意書きが事細かに書かれている。5番を食べたいという衝動にかられるが、初めてのお客様は5番はご遠慮下さいという但し書きがあり、断念した。インディアンカレーは具が全く入っていない辛さを楽しむためのカレーであるようだ。具が全く入っていないのでは寂しいので、「野菜カレー、4番」(800円)にした。 注文してから、「当店のお勧めはハンバーグカレーです」という一節が目に入った。そういう大切なことは、先に言って欲しい。 はたしてどれだけ辛いカレーが出てくるのだろうか。「ひょっとして、4番とはいっても、凄く辛かったらどうしよう。」「全部食べれなかったら、激辛カレー批評の名がすたる」と、期待半分、不安半分でカレーの到着を待つ。 すぐに、カレーは運ばれてきた。ルーカレーである。色が赤いとか、外見上大きな特徴は認められない。とりあえず、一安心した。 恐る恐る最初の一口を食べる。想像したほど辛くはなかった。「これならいける」、そんな感じである。いわゆるオーソドックスなルーカレーである。辛みは確かにある程度あるが、辛いのが苦痛にならない、気持ちの良い辛さである。確かに、辛さを楽しむことができる。ルー自体に、奥行きというか、深みがあまりないのが残念である。後半になると、味が単調で、やや退屈になってくる。しかしながら、大量の福神漬が入れ物に入れられてサービスされているので、口直しができるのがうれしい。かなり、たくさん福神漬をいただいた。 |
ライスのボリュームがかなりある。女性には少し多いかもしれないが、男性には十分満腹がえられる量がある。 具の野菜は、ちょっとしょぼい。小さく切った、ジャガイモやニンジンやマッシュルームが入っているが、下味があまりついていないのか、ルーの辛さに完全に野菜の味が負けてしまっている。この店で番数の高いカレーを頼むときは、もっとコッテリとした具(例えばハンバーグとかカツ)を選んだ方がよさそうである。 具がちょっと不満だなと思っているその矢先に、隣の客のオムレツカレーが運ばれてきた。オムレツが巨大だ。やっぱり、野菜カレーははずれだったのだ。このオムレツの巨大さから推測すると、ハンバーグやカツもかなりのボリュームがあるに違いない。もし、もう一度訪れる機会があるなら、ハンバーグカレーに挑戦せざるを得ないだろう。 そんなことを考えているうちに、スイスイと4番カレーを平らげてしまった。水を一滴も飲まずに食べることができたので、私にとって4番は決して辛くはない丁度良い辛さということになる。やはり、『スリランカ狂我国』で日夜鍛えている私にとって、並みの辛さは通用しないのだと自信を深めた。この程度のものであれば、5番も問題なく食べれるであろう。 |
サラダ付きである。 激カラ中のティッシュペーパーに励まされる。 |
総評すると店の雰囲気は良く落ち着ける雰囲気。接客も感じが良い。ルー自体の味に深みがないのが気になるが、辛さの低いもので確認してみないと、必ずしも断定できない。しかしながら、激辛カレーを標榜するのなら、ルーにも辛さにも負けない深みとうまみで自己主張してほしい。ビーフシチューのような味わいを追加すれば、もっとおいしい飽きのこないカレーが体現されるだろう。辛さ自体については嫌みがなく、変に後に辛さを残さなく、評価できる。価格は妥当である。 この辛さを再体験したいという思いを残しながら、店を去った。 (2000年10月25日)
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