樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評
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レポート
スピカ カレー博覧会
2003年
 2003年2月5日〜11日

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 2月8日(土)の13時頃にスピカを訪れたが、凄いことになっていた。数百人の人が何十メートルも列を作って並んでいるのだ。会場に人が入りきらず、入場制限が行われていた。これは、すごいぞ。やっぱり、カレーを好きな人はたくさんいるのだ。どうみても、入場するまでに30分以上かかることが歴然としていたので、その日は食べないで帰った。
 この教訓をもとに、2月10日(月)、平日の昼間に訪れる。さすがに、空いていた。しかし、「アジャンタ」と「五島軒」は既に品切れである。
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 まずは、STVの番組「1×8行こうよ」の中で開発された、「YOYO'Sカレー」から食べる。
 まず、その量の少なさに驚く。少ない。超少ない。結局、スプーン4口で食べ終わってしまった。味わう暇もないほどの少ない量。
 さて、味はというと、「普通」。普通としか言いようがない。この味をどう記述するか、かなり困難である。あまりにも普通すぎて。家庭で作るバーモンドカレーとあまり変わらない。敢えてその違いを文章化するとすれば、トロリとした食感。カスピ海ヨーグルのようなトロリとしたような、モチっとした食感があること。
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YOYO'S ファームスペシャルカレー 300円
 そして、色が家庭のルーカレーより少し黄色が強いということ。それくらいである。味については、説明しようがないくらい普通。
 わざわざ、特別に開発してこの味ですか・・・。バーモンドカレーをそのまま出しても、ほとんどの人は気づかないかも。
 番組では、スープカレーとルーカレーの両方を開発したのに、どうしてこの「ルーカレー」の方になってしまたったのか・・・。スープカレーは、このルーカレーよりもまずいのか? そんなことが、果たしてありえるのか? 
 多分、スープカレーはルーカレーと比べて、量産できないので、却下されたのではないかと、私は推測するが。
 次は、「16スパイスカレー」をいただく。辛さはカレー博最高の★★★★★になっており、そのスパイス使いが期待される。
 食べる前から香りがする。そして、味はというと「苦い」。スパイスをたくさん入れているのはわかるが、スパイスの苦味がもろに出ている。そのわりに、たいして辛くもないし、スパイスの刺激も弱い。一言、「マズイ」。
 ちゃんと、味見して作っているのだろうか? こんなもの、普通の店で出したら、苦情が殺到するに違いない。あまりにもひどすぎる。

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16スパイスカレー 300円

 次は、「ラムレーズンドライカレー」。そのコンセプトは非常に期待できる。ラムレーズンの入ったドライカレー、その味を想像しただけで、ヨダレが出てくる。しかし、実際の味は、想像を絶するものであった。
 「甘い」。甘すぎる。というか、甘さが強すぎて、辛さやスパイスが全く感じられない。子供向きなのかもしれないが、これだけ甘いと、気持ち悪くなってくる。
 カレーの「甘さ」というのは、「辛さ」があって、初めてお互いに引き立てあうものである。このドライカレーも、スパイスをもっと効かせれば、「甘辛くておいしいカレー」として成立しただろうに・・・。単なる甘いだけの気持ち悪い食べ物に成り下がっている。

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ラムレーズンドライカレー 300円

 会場の出口に雑記帳がおかれており、来場者の感想が書かれていた。「量が少ない」「まずい」という言葉が、いたるところに見られる。憤慨したのが自分誰ではないと知り、少し救われて気持ちになる。
 結局、1人で3皿完食したが、満腹にはならなかった。もう1皿食べようと思っているうちに、狙っていた「オールスターキノコin北海道」が品切れとなった。
 結局、味的にも量的にも不満だらけのまま、会場を後にした。この量の少なさは、ぼったくりである。
 私のように、一人で来ている人は例外中の例外。たいていは、2人連れか、家族4人とかで来ている。2人連れが一人2皿頼めば、二人で4種類楽しめる。これで十分だろう。量としては、ハーフサイズが適当なのだろうが、ここで提供されていた量は1/4サイズである。

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種類が多く見ているだけでも楽しいが、人気の品はことごとく品切れ。
欲しいのは、ほとんど買えなかった。

 300円の値段をつけるのなら、この二倍の量は欲しい。この量で出すのなら、150円がいいとこだろう。子供などは、とりあえず満腹になれば満足するのだから、味が無理なら量だけでも納得させて欲しい。
 カレー博覧会を訪れてカレーの難しさを感じた。なぜ、こんな大衆に迎合するような、平凡な味のカレーを作るのだろうか? 10種類を並べるカレー博覧会なのだから、もっと個性的な味をそろえて、そこから個人が自分の嗜好で、食べたいカレーを自己責任で選べば良いはず。ここで提供されていたカレーは、どれも平均的な安全圏を狙った味付けばかりで、おもしろさは皆無なのだ。
 横浜カレーミュージアムもそうだが、1日数百食ものおいしいカレーを作ることなど不可能なのだ。既存店の人はそれを当然知っているらしく、この日も「アジャンタ」と「五島軒」は、早々に売り切れになっていた。
 「カレー博覧会2003」ということは、来年もやるのだろうか? 多分このイベントは、札幌のカレー文化を盛り上げるために行われたのだと思うが、ここでカレーを食べた道外の観光客は二度と札幌のカレーを食べたいとは思わないだろう。どうみても、札幌のカレー文化に対して、マイナスの効果しかなかったと思われる。来年以降もやるのであれば、もっと根本的にコンセプトを考え直してほしい。
                                    (2003年2月10日)

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