樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評
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スピカ カレー博覧会
2004年
 2月5日〜11日

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のべ1200円相当のカレー

 カレー博覧会について誉める記事を書いて、来客数の動因に貢献したいという気持ちもあって、忙しい中、初日の5日に行ってみた。何かお勧めしたい点を一つでも二つでも見つけようと思ったが、特にみあたらない。せめて、博覧会が終了するまで、感想をアップしないということくらいしか協力のしようがない。
 結局のところ、昨年度の問題点は何一つ解決されていない。
 だいたい、この会の目的がよくわからない。「北海道の料理、食材のアピール」「北海道を盛り上げよう」という意味では、食材の使い方や、値段設定がありえないものだし、営利目的なのであればもっとやりようがあるのではないか? ここのカレーからは、「来年も来てください」というメッセージは、全く伝わってこない。実際、「去年がひとがったので、今年は行かない」という私の友人も何人もいた。
 「ハーフサイズ」と「レギュラーサイズ」という量を二段階に分けるというアイデアは良いと思ったが、結局どちらも量が少なくては何の意味もない。とくにハーフサイズの量の少なさには、多くの人が驚いたであろう。適価という意味からは、ハーフで100円、レギュラーで200円高い。しかし、あと量を30%アップすれ現行の価格で十分勝負できる。このカレーであれば、原価率は30%以下、おそらく20%以下のメニューもあるだろう。量を30%アップしても、結果として今回の会期中のリピーター、来年のリピーターが1割でも、2割でも増えれば、むしろ金銭的にはプラスの勘定。
 なぜ人は食事をするのか? 満腹感を得るため。それが第一。おいしいかどうかは、二の次。多分、「量を少なくすれば、何皿も食べるだろう」という見込なのだろうが、それは間違いである。私は今回上記の写真のように、ライス大盛りとハーフ3品を食べたが、お腹は7割しか満たされない。胃の満足度から言えば、あと1−2品食べたいところだが、量も味も満たされずこれだけ値段だけ高い商品を、さらに追加注文しようといいう気にはならない。結局1200円払って、満腹感もなし、当然味の満足感もにいまま会場を後にするはめに。 
 昨年の感想ノートには、「量が少ない」という感想ばかりが並んでいたが、なぜそれは今年考慮されなかったのだろうか? 今回、アンケート調査を行っていたが、アンケートの結果を十分いかして欲しいものだ。
 ライス100円、大盛200円とられたのには、ビックリ。この価格設定だと、ライスは含まれているのが当然だろう。わざわざ「ホクレン」が協賛しているわけだから、もっと何とかして欲しい。これでは、道外の人に、北海道米は高いだけ、という印象を植え付けはしないか?

 あと、100円で買えるメニューが、ライスしかないというのはおかしいだろう。金券を使わせないで、それによって利益を上げようとでも言うのか? 100円で「ゆで卵」「チーズ」とかのトッピングをそろえて、1000円券11枚を残さず使ってもらうという配慮が必要だろうし、結局それは実質上の「値下げ」と同じ意味を持ってくる。

 さて、実際のカレーのお味はどうだったか? 
 意外にも、オデンとカレーを融合させた、この奇抜な一皿が、今回食べた中では一番おいしかった。多分その理由は、一番アツアツだったからだろう。汁のしみたダイコンは、意外と冷めずらく「アツアツのオデン」という感じ。
 オデンの上にのったドライカレーは、スパイス感は弱いが、逆にそれが良かったようで、ひきの肉ソースという感覚。アッサリとしたオデンと、ややコッテリぎみのひき肉がよくマッチする。
 しかし、問題なのは値段である。ダイコン一き切れ、小さいトウフ、ふき2本。これで、400円はちょっとありえないだろう。

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YOYO'S FARM
おでんカレー
ハーフ 400円

 「アジアン・スパイス」の水谷正巳さんが、「カレー博」のために考案したカレーだという。「アジアン・スパイス」のタイカレーのレシピを元にしているようで、味的にはおいしい。辛さは特に選べるわけではないが、なかなか辛め設定になっているのはうれしい。しかしながら、ぬるい。待ち時間がほとんどなしでカレーが出てくるのはうれしいが、客が来る前から、既に皿に盛ってあるようで、超ぬるいカレーが出てくる。ルーカレーはまだしも、スープタイプでぬるいのは、もとがどれほどおいしくても、20-30%は味がマイナスになる。
 ちゃんとした味レベルのカレーが存在しながらも、それ自体をおいしく食べさせられないというのは、大きな問題だろう。

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水谷流"シャケ入り"
タイカレー
ハーフ 300円

 この「ホタテカレー」は最もひどい。
 食べる前は、ハーフサイズでも大きなホタテがゴロリと1個くらいは入っているのだろうと期待したが、大きく裏切られる。直径2センチほどの珍味で食べるようなホタテが申し訳程度に数個入っているだけ。ホタテを期待した道外の人が、これを食べたら怒るるだろうな・・・。
 ルーの味は、ソースの味しかしない。ルーカレーの隠し味としてソースを使うというのは、よくある。しかし、これはどうみても入れすぎ。カレーにソースを入れているのではなく、ソースにカレーを入れているようなもの。これ、本当に星澤さんのレシピ通りに作られているのだろうか? 手元が狂ってソースが入りすぎたと信じたいけど・・・。

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星澤幸子の大地の
レシピ ホタテカレー
ハーフ 300円


 樺沢の提言
1 とりあえず満腹にして欲しい(量の30%アップ)
2 アツアツのカレーを提供して欲しい
3 100円で買えるメニュー(トッピング)を追加して欲しい(金券を使い残さない工夫)
4 展示スペースの有効活用(カレーを食べること以外の付加価値)
 
                                    (2004年2月10日)

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