樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
ぐるぐる本舗 函館市元町7-9 0138−27−4846 |
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函館にもスープ・カレーがあった。スープ・カレーはもはや、札幌の専売特許ではない。 函館元町の公会堂とハリスト正教会の間にある土産物屋が並ぶ一角、そば屋の二階に、「ぐるぐる本舗」は位置する。 窓側のテーブル席は、函館港を一望でき、眺望がすばらしい。 カレーは、スープ・タイプを中心に数種類ある。メニューに「おすすめ」と書かれる、チキンカレーを注文する。チキンカレーはスリランカ風スープカレーであるらしい。トッピング・メニューとして、チーズ、煮卵などが用意されている。迷わず、煮卵をトッピングする。 辛さは、中辛、大辛、激辛と調整できるそうなので、大辛にした。 |
香ばしいフライド・オニオンとレモンが、口直しになる。 |
ランチタイムの時間であったので、コーヒー(ホットorアイス)がサービスされた。ランチタイムは、土日も関係ないようである。 カレーが運ばれてくる。「ライスにスープをひたしてお食べください。」という店員の説明がある。いわゆる『アジャンタ』形式の食べ方であるり、味が濃厚で塩味が強いスープカレーに適した食べ方である。 では、このカレーはどうか。見た目は濃厚。半透明の赤。スープの表面には、油の層が張っている。外見と同じく、味は濃厚であった。スープのしっかりとした自己主張がある。辛味もまずまず。辛味は赤唐辛子を油で炒めたラー油のようなもので出している。ラー油の辛い油とチキンから出た油が、かなり油っぽい。油がきつすぎる。油が舌にまとわりつくので、スープの旨みを邪魔している。チキンの油はもう少し減らして欲しい。 スープは魚っぽい風味が強い。ニョクマム(魚醤)が入っているのか。 塩味はライスと一緒に食べると丁度良いが、スープの後半にさしかかるとすこし塩見が気にかかる。油味と一緒になって、味に飽きがくる。油味5%減、塩味3%減、スープ量10%アップで、スープの味とうまさがもっと引き出されるだろう。 具は、チキンとニンジン、ナス、ピーマンとシンプルである。とろけるやわらかさに仕上がって、チキンやニンジンはスプーンでほぐすことができる。その具の柔らかさを主張するかのように、テーブルの上にはスプーンと割り箸しかのってない。すなわち、フォークとナイフが乗っていないということが、フォークとナイフなしで食べれるということを意味しているのである。 しかし、スプーンでチキンをほぐす上で、大きな問題があった。皿の底が深すぎる。骨付きチキンが大きい割に、器が小さく、下手をするとスープがハネてしまう怖れがある。浅底の平べったい皿の方が、ほぐしやすいし食べやすい。 ナスは素揚げしてあり、ジューシーでおいしい。ニンジンは普通である。 ライスに添えられた、香ばしいフライド・オニオンとレモンが、口直しになる。盛り付けも良い。 トッピングの煮卵であるが、オデン屋で出てくる煮卵とたいした変わらない。普通の煮卵であった。 元町観光のついで寄るのにグッド・ロケーションであるし、窓からの眺めがよくカップルで寄ってもおかしくない店である。味に改善の余地が若干あるが、札幌スープ・カレーの魅力を、函館の人にも十分伝えることができるだろう。 他の種類のカレーも試さなくてはいけない。 (2001年4月14日) |
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