はらいそ
函館市松風町12-10
移転しました
（２００２年５月）
０９０-２０５１-６９３２
スリランカカレー ７５０円
樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
| カレー＆バー はらいそ
|
|
| 松風町の交差点､北洋銀行の裏手に位置する｡電車通から「カレーハウス」という大きな看板が目立つ。前回、函館を訪れたときに､この看板を見つけて､次回チェックしようと心に決めていた｡ 木造二階建ての住宅は､かなり老朽化している。そして、雰囲気が実にあやしい。樺沢をもってしても､入店に一瞬と惑う｡しかし、入り口にメニューが書かれているので、ここがカレー屋であることが再確認でき、若干の安心感が与えられる｡ 狭い玄関で靴を脱いで、中に上がる｡夜間はバーとして経営されているので､店内の雰囲気はカレー屋というよりはバーである。バーとして考えれば､ちょっとおもしろい雰囲気の店ということになるだろう。 スリランカカレー（大辛）とポークカレー（中辛）の二種類があった｡迷わず､スリランカカレーを注文する｡しかし、「辛いですけど大丈夫ですか？」と店長に聞き返される｡「そんなことメニューにも書いてあるんだから、いちいち確認するなよ」と内心思うが、確かに大丈夫か念を押した方が良いほど強烈な辛さであることは､後ほど判明する｡ かなりくせのある強烈な香とカレーとともにカレーが運ばれてくる｡そして、味も強烈｡喉の奥を強烈な刺激を襲う｡辛い（hot）とてうよりは、スパイシー（刺激的、spicy）という表現が正しいだろう。ブタ肉のサイの目切りをブラックペッパーを中心にしたスパイスで炒めている。チリペッパー、カイエンペッパーなどの赤系ペッパーは使われていないので､ルーは黒い｡また、ルーといっても液体部分はわずかで、豚肉の固形部分の方が多い。 白い固りが入っていた｡ジャガイモかなと思うが､食べてみると豚脂であった。もともと、豚肉自体も脂身の多い部分を使っている｡この四角い豚脂が、味にアクセントをつける。すなわち、辛味の中のほのかな甘味として、一服の清涼剤的な役割を果たす｡あるいは、こってり系ラーメンにかけられている豚脂のようでもある。 |
| この味は、横浜馬車町「キャンディー・ストリート」のスリランカレーにとちょっと似ている。といっても、どんな味かを想像できる人は少ないだろう｡スリランカ・カレーとは、肉料理におけるソースのようなもので､味､塩味、スパイスなどが強め調整されている｡これが一般的なスリランカ・カレーであるようだ。東京などではこうしたカレーが、スリランカカレーと呼ばれている｡札幌では､『スリランカ狂我国』のスリランカ・カレーのイメージが強いので､全く別なイメージで定着しているが｡ そうした意味で､『はらいそ』のスリランカカレーは王道のスレランカレーと言えるのかもしれない。 |
 |
| 後半になってくると、舌の後半がヒリヒリとしてくる。赤系辛味スパイスでは舌の前半にダメージが来るが、それとは大きく異なる｡私は通常、カレーを食べている最中には、水をほとんど飲まないが､このカレーを食べるのには､水を四口ほど飲んでしまった｡とにかく強烈だ｡これだけ辛いカレーは久しぶりである｡辛いといっても、心地よい辛さであり、楽しい激辛カレーの辛さである｡ ライスの盛りはやや多めで、大盛りに近い。辛いカレーに引っ張られて、どんどんとライスが胃の中に収まっていく｡ライスと豚肉の相性がグッド。ライスとよく混ぜて、ルーとライスをなじませるとうまみが増す｡ 注意すべきはかなり辛いので、これをおいしく食べれる人は少ないかもしれない。しかし、後からカップルが入ってきたが､「おいしい。おいしい」と何度も繰り返しながら､食べていたという事実も紹介しておこう｡こういう容赦のない辛さのカレーを普通のメニューとして普通に出してしまうという感覚がいい。カレーなのだから、辛いのは当たり前だ。中辛のポークカレーも、今後試さずにはおけないだろう。この日はなかったが、韓国のからし味噌ベースのコチジャン・カレーもあるらしい。興味がかきたてられる｡ ホームページを見ると､店長はテクノ好きとのことであるから、店名の「はらいそ」とは細野晴臣のアルバム名からネーミングしたのであろう。ホームページ、特に「カレー部」のところをもっと充実させていって欲しい｡ホームページというのは、大きな広告塔の役割を果たすのであるから。 とりあえず、函館に本格的でかつ個性的なカレーを出す店を発見できて､うれしく思う｡ (2001年9月29日) |
|
|
