樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評
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  印度カレー
 小いけ 本店

函館市宝来町22-5
市電宝来町から徒歩3分

0138−22−5100

 

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 盛り合わせカレー 840円

 昭和23年創業の老舗のカレー店「小池 本店」は函館山の登り口の近くにある。電車通に面しているし、カレー屋に似つかわしい黄色大きな看板が出ているので、見逃すことはないだろう。
 駐車場は店のまん前にある。店の外観は、モダンな洋食屋という感じ。店に入ると、内装にウッドを生かし、植物の鉢が並んでいて、やはりモダンな洋食屋という雰囲気がピッタリ。
 メニューは、カレー以外に、ドライカレー、オムライスなどもあり、やはり洋食屋風。カレーのメニューも豊富で10種類以上はあり、どれにしようか迷う。最も無難と思われたオーソドックスなメニュー、サービスランチの盛り合わせカレー840円を注文する。
 ハンバーグとスパゲティーとサラダが盛り合わせたプレートが運ばれてくる。カレーは印度カレーとはいうが、ごく普通のルーカレーにしか見えない。早速、カレーを一口食べる。
 「何だ、これは ! !」驚きの味。全く予想もしない味である。まず、ルーカレー特有の粉っぽさが前面に来る、そして引き続き辛さが残る。しかし、それだけである。うまみというものが全くない。コクというものが全くない。しょっぱさもないのだ。最初、これは何かの間違えではないかと思った。何か、大切なソースを入れ忘れているのではないか。この味の空白地帯は何か。ルーを見るといろいろと煮込まれていそうな雰囲気なのに、その旨みが全く感じられない。調理を間違えたとしか思えないが、おそらくそうではないのだろう。

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 看板が目印

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 薬味取り放題は、うれしい。
 しかし、ピンクの福神漬と紅ショウガとは、あまりにも寂しすぎる。市販品もいいところ。
 見かけから予想した味と、実際の味とが異なる。これはたいへん面白い。「パニエ」(富良野)のブラック・カレーは、そのミスマッチが生かされていた。しかし、「小いけ」のカレーは悪い意味で期待外れだ。こんな味気のないカレーというものがあったのか。ルーの味わいがない一方で、小麦粉の粉っぽさと、スパイスの辛味だけが、空しく口の中に残る。辛さは、辛めの調整になっているのはいいのだが、それも旨みとのハーモニーあってのものであろう。
 正直言って「まずい」としか言いようがない。具もいくつか入っているのだが、不思議なことに、味がまったくしない。ジャガイモなのか、肉なのかも判然としない。煮込みすぎて、味が抜け出てしまっているのか。しかし、その抜け出たはずの具の旨みはルーにも残っていないのだ。
 しかし、幸いなことに、つけあわせのハンバーグとスパケディー・ナポリタンは、かなりおいしかった。ハンバーグは非常にやわらかく仕上がっており、スプーンで切ると肉汁がしたたる。理想的なハンバーグである。私は、スパケディー・ナポリタンが大好きで、週一回以上はどこかで食べているのだが、このナポリタンはかなりいけている。パスタがアルデンテに茹で上がっており、麺の固い食感が楽しめるのだ。
 ハンバーグとスパゲティーはこれほどおいしいのに、なぜカレーだけこんなにまずいのか。大きな謎である。
 店の正面には、初代のシェフ小池老人の写真が大きく飾られている。果たして、初代店主は、23年前に今のカレーと同じ味で開業したのだろうか。どうも、違うという気がしてならない。

 それと、なぜこれが印度カレーなのか。典型的なルーカレー、欧風カレーにしか見えないし、これほどルーに小麦粉を入れているのは、他に「トレド」(札幌、北区)以外には存在しないだろう。
 念のため、他の支店も訪れて、食べ比べてみようと思うが。
営業時間  11:00〜21:00
定休日  水曜不定休
駐車場  6台
席数  約40席
ランチタイム
種類  ルーカレー
その他
メニュー、値段 チキンカレー 750円
盛り合わせカレー 840円
ジャンボカツカレー 800円

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