樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
インドカレー ラージ・モリタ 函館市本町32-29 |
|
函館で最も有名なカレー屋といえば、「五島軒」と『ラージ・モリタ』ということになるだろう。しかし、『ラージ・モリタ』のカレーをおいしいという人と、私は一度も出会っていない。というわけで、『ラージ・モリタ』への訪問は、かなり後半へとずれ込んだ。 メニューの数は、非常に豊富である。インドカレーだけで20種類以上、それに日本風カレーも十種類くらい。一品メニューもかなりあるので、全メニュー数は50を超えるだろう。どれを頼むか迷ってしまうが、マトンザグカレー(マトンとほうれん草)にした。 辛さは、五段階あって中辛、大辛、激辛、特辛、超特辛の五段階があり、超特辛は追加料金が必要手なるので、特辛にしておいた。セットでは、ライスとナンを選べるが、ナンを選ぶ。 |
厚めの皿に入ったカレーが、グツグツいいながら出てくる。ナン食べるインドカレーにしては、ずいぶんと水っぽいカレーだ。水なしカレーではない? 辛さ的には十分であるが、何かコクというか深みがない。甘味に工夫がなく、うすっぺらな感じがする。それよりも、やはり水っぽい。水(あるいはスープ)の入れすぎではないのか? 普通は、この手のインドカレーは水をほとんど入れないで作るはずだが、この粘稠度は水が入っているとしか思えない。あまりにもサラサラとしているので、ナンをつけて食べずらい。ナンに絡まないほどスープ状になっている。 | ナンはでかい ただし味は・・・。 |
ナンは全くふっくらしておらず、風味も味もほとんどない。あまりにも、つまらないナンだ。ナンはそのまま食べても全くおいしくないので、カレーに浸してみた。ヒタヒタにして、ドロドロになる一歩手前ぐらいカレーをしみこませたら、結構おいしくなった。でも、普通はこんなふうには食べないけど、このスープ状のナンにカレーを絡ませて食べるのは困難。 サグカレーというのは、ホウレン草の風味がスパイスとマッチして非常においしいというのが今までの私の既成観念であり、サグカレーはどこのインド料理屋で食べてもハズレがないと思っていた。しかし、その考えは誤りであった。このサグカレーは、ホウレン草の風味がどういうわけがほとんどない。ひょっとして冷凍(?)。 一方、マトンの方は、かなりリッチに入っている。どれくらい入っているかというと、最初に想像して量の三倍くらいは入っている。最初から最後まで、一口ずつ一切れのマトンをいただいても、おつりがくるぐらいたくさんの肉が入っており、マトンを堪能することができる。しかし、具がマトンしか入っていないので、後半には少し飽きてきてしまう。 ルーと具の量は結構多いため、トータルとしてはまあまあのボリュームがある。まあ、しかしこのカレーは、ライスと一緒に食べた方が絶対においしいだろう。というか、ナンがおいしくなさ過ぎるので、相対的にそうなるわけだが。 卓上に鉄人スパイスという、この店オリジナルのスパイスが置かれていた。試しに少しかけてみる。チリペッパーが大部分だが、それ以外にもいろいろと配合されているようだ。セパレート・タイプが嫌いな私は、そのままの味で味わった方が良いと判断し、そのスパイスをあまりたくさんかけるのはやめた。 人口調味料を使わないとか、米は無農薬の契約農家から直接仕入れているとか、材料にいろいろなこだわりを持っているようだが、どうもそれがあまり味に反映していない。 帰りがけに、「辛さはいかがでしたか」と心配して聞いてくれたが、「丁度良かった」と答えた。実際、「特辛」の辛さは、ピリリとして、辛さ的には丁度良かった。 値段だが、これで1450円は、どうみても高い。インド料理屋のカレーは、札幌でも、東京でも、どこでも高い。どこでも、1200円くらいは覚悟しなくてはいけない。しかし、この味で1450円はどうみても納得が行かない。コスト・パフォーマンスが悪すぎる。 (2001年4日) |
|
|