樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
小樽 クフウ Kufuu 小樽市星野町22−1 0138-62-0202
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何人かの読者から推薦のメールが来ていたが、場所が遠いし、なおかつ小樽まで高速を利用する者にとっては、ここ通らない場所でもあり、なかなか行けないでいた。 場所は、5号線沿い。札幌市と小樽市の境界近く。札幌から行くと「JR星見駅」方向に右折する交差点を過ぎて、数十メートルいった左手にある。ソフトクリーム屋を目印にするとわかりやすい。逆に言うと、カレーの大きな看板もなく、ここがカレー屋だとは、分かりづらい。最初、通リ過ぎてしまったほどだ。 「クフウ」という店名は、「南国風(ナンゴクフー)」から来ているようだが、その名前の通り、店内は南国風の作りである。籐のイスは広々と配置され、レゲエが流れ、のんびりとした雰囲気である。中央のバンド演奏用のステージが店の4分の一くらいのスペースを占めているのには驚いた。 メニューのカレーは、「チキン」(850円)、「ベジタブル」(850円)、「ミックス」(1200円)の三種類。そして、オリジナル・メニューの「カリーがゆ」(900円)がある。「カリーがゆ」に魅かれるが、まずはオーソドックスにスープカレー。チキンと野菜の両方の味を確認したかったので、ちょっとゴージャスに「ミックス」で。「ミックス」には、「チキン」と「ベジダブル」の両方の具が入っている。辛さは、7段階。無料の中で最も辛い、「ブガラブー(中辛)」にする。 チキン、ジャガイモ、ニンジン、ナス、チーズ、ほうれん草、ピーマン、トマト、玉子などの具が入っていて、かなりのボリューム。ただし、ライスは普通くらい。 さて、味は・・・うまい。野菜のうまみが十分。スープ自体はあっさりとして軽いが、うまみの強さはかなりのもので、味がしっかりとしている。予想外のうまさに、スープばかりを3−4口立て続けに飲んでしまう。「福楼」などもうまみが十分あると感じだが、それ以上のうまみ成分が溶けている。 アッサリ系うまみ系スープであるが、今までに食べたことのない感じで、これとそっくりなスープは挙げられない。しいていえば、「アンブー」のような感じ。サッパリとした飲み口が似ている。 スープの量はかなり入っているものの、具の3/4くらいを食べ終わった段階で、スープを飲み干してしまった。それだけ、スープがおいしい(スープ単独でおいしい)ということの表れか。スープ大盛りは100円ましであるから、次回食べるときはスープ大盛にする。 欠点は、スープがちょっとぬるめだっことくらいか。 スープのみならず、具がおいしい。特筆すべきは、ナスとほうれん草。 ジューシーなナスきとても甘い。ホウレン草のバター炒めは、スープカレーの具として時々見られるが、このホウレン草はおいしい。スープがさっぱりしているだけに、バターの重さ(油っぽさ)が丁度よいバランスになっている。チーズも同様の理由で、うまくマッチしている。 ジャガイモなど具は全ておいしい。 チキンは、油ののった柔らかレッグである。やはり、上記の理由で、油ののったチキンを、あっさりといただくことができる。ライスと一緒に食べると、かなり良い。 辛さ「ブガラブー」はメニューには「辛口」と書かれていたが、「ピリ辛」程度あった。「スリ狂」で言えば、10-15番くらいか。かなりもの足りない。辛さ以外のスパイスも弱め。辛さやスパイスを楽しむよりは、旨みを楽しむスープカレーである。スープが若干「水っぽい」感じがするのも、スパイスが弱いせいだろう。 もっともっと、辛くして食べたいところ。旨み系スープは、辛くしすぎると味が崩れる可能性が高いが、このスープだと旨みが強烈なだけに、激辛にしてもおいしい可能性がある。ということで、次回が楽しみ。 今回は、具の多いミックスを頼んだため1200円と高めの値段であったが、、それ相応の満足感が得られ、全く適価と感じた。普通なら、「チキン」か「ベジタブル」にして、スープを大盛にするのが良いと思う。 総評すると、うまみが溶け込んだスープと丁寧に調理された具のパランスがよく、非常にレベルの高いスープカレーと言える。というか、なぜこれほどのカレーが、話題にも上らず、今までほとんど注目されずに放置されてきたのかが不思議である。 その理由は、まずはロケーションの悪さ。それと、看板が目立たないということだろう。スープカレーの店だということが、大きく表示されていない。私の場合、ここを目標に来たにもかかわらず、通り過ぎてしまったくらいだから、一見の客はふらっと入るとも思えない。 評価的には、ほぼ★4なのだが、辛さとスパイスの物足りなさがちょっと気になったので、もう少し辛いのを食べて判断したい。 (2003年5月9日) |
再訪 「カリーがゆ」に挑戦 「カリーがゆ」というネーミング。何か、心を動かされる。ということで、「カリーがゆ」に挑戦。辛さは、一番辛い「ホーミー」をセレクト。 土鍋でぐつぐつと煮立った「カリーがゆ」が登場。スープの表面にはチーズがかかっている。その量は、半端ではない。「カリーがゆ」であり、「チーズがゆ」である。しかし、スープに大胆なほどのチーズが投入されたこの一皿は、チーズ好きにはたまらない。 |
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私は夜お腹がすいたとき、時々「チーズ茶漬」を作って食べている。なものだから、このカリーチーズがゆは、大変うれしい。具は一口サイズに細かく刻まれて、ごはんに混じっている。コーンが結構多い。たまに、ナスとチキンとトマトが出現する。チーズの影に隠れているので、次の人サジに何が出てくるのかがわからず、クジ引き、あるいは闇鍋的な楽しみがある。 チーズの量が多く最後まで、3サジに2回くらいをチーズと一緒に楽しめる。チーズのコッテリ感と、もとものスープのアッサリ感とが、絶妙のハーモニーを作り上げている。 ランチタイムはライス大盛無料だが、大盛にするのを忘れた。「かゆ」ということで腹持ちが悪いのではないか、という懸念があったが、もともとがかなりのボリュームであった。ライスがスープを吸収して膨れたせいもあるだろう。大盛りなしで、かなりの満腹感。大盛にしていたら、全部は食べられなかっただろう。 「ホーミー」といいう辛さは、額から汗が流れる。かなりの辛さ。一方でうまさを妨げることがない。前回の「ブカラブー」と比べて、スープ表面の油が多くなっていたが、これが辛さアップによるものか、チーズから出た油のかは判然とはしなかった(多分、前者?)。 しかしながら、『クフウ』のスープカレーは、スープ自体、具自体の完成度が非常に高いので、ごちゃまぜにして全部投入してしまうことによって、スープや具、それぞれの味わいを減じているような感じがしてもったいない。ただ、もともとのスープは、アッサリスープの好きな人にとっては丁度良いのだが、コッテリスープ好きにとってはものたりなく水っぽく感じる人もいるかもしれない。したがって、『ピカンティ』で「ミレニアム、ローストチキン」を平気で食べられるようなコッテリ派には、通常のスープカレーよりも、カリーがゆの方が楽しめるだろう。 アッサリ派は定番スープ、コッテリ派は「カリーがゆ」と、自分の好みに合わせて注文すべし。 「かゆ」というのは、アッサリといただきたい。チーズが入っているだけに、その元となるスープはアッサリしていたほうが、チーズのコッテリ感が際立つ。ということで、チーズは極端に辛くしない方が良さそう。 納得の味とボリュームである。これは★4の味である。 (2003年5月22日) |
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