樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
スープカレーの店 クレイジー・スパイス 小樽町色内3丁目3番地
0134-27-9048
|
|
再食 マヤックスープ 12月19日から、今までの「ノーマルスープ」に加えて、新しい「マヤックスープ」が登場した。ホームページには「スパイスドランカーに贈るマニアのためのマヤックスープ(1日20食限定)」と書かれている。ノーマルスープに比べ、甘さを控え、クローブが強めで、トロミのあるスープ、とのこと。最初から辛さがついているため、辛さは4番以上の注文しかできない。 納豆とキーマという個性的な具を選んでしまったために、厳密に味の違いは判定できないものの、「ノーマルスープ」よりもコクとパンチを感じる。個人的にもスパイシーな方が好きなせいもあって、「ノーマルスープ」よりも「マヤックスープ」の方が、私の好みかもしれない。スイスイと飲み進める。コクがあるのは、キーマからの味がスープに移ったためかみしれないが、おいしいスープであることには変わりない。 キーマと納豆の量は結構多く、ボリューム感もある。一方で、スープが少し足りない、もう少し飲みたいかなと、という気もした。 「スパイスドランカーに贈る」ということであれば、もっとパンチがあってもいいかも。 ノーマルでスタンダードな味をキープし、さらに個性的な一皿を追加する。路線としては非常に正しい。さらなる進化を期待したい。 (2003年12月19日) |
初訪時のレビュー 小樽の運河沿いの臨港線をずっと行って、左に大きく曲がって最初の信号を右折。すぐに、「焼肉ガヤ」の看板が見えるのでその向い。進行方向右手。詳しくは、HPのマップを参考。 大きな石造りの倉庫が、「クレイジー・スパイス」である。小樽市指定記念物である旧渋澤倉庫の一角。店前には十分な駐車スペースがあって、駐車しやすい。 まず、雰囲気が良い。歴史を感じさせる石造りの壁。天井は高く、店内は広い。フロア面積は道内のカレー店でも最大級。席数は50だが、余裕のある配置。テーブルごとに、敷居があり、セパレートされているので、カップルなどにもいいだろう。歴史的な雰囲気に、ルーレットやスロットマシーン、バドワイザーのネオン管などのアメリカっぽいインテリアが配置され、レゲエが流れる。これが、うまくマッチしているのがおもしろい。 |
|
入り口に人気メニューが黒板に書かれていた。1位チキン、2位クレイジーチキン、3位ポークとのこと。メニューが8種類もあるだけに、メニュー選択の助けになる。辛さは、0から10番までの11段階。ただし、それ以上の辛さも作ってくれる。辛さの追加料金なし。 ということで、二番人気の「クレイジーチキン、辛さ8番」を注文する。 札幌スープカレーの店でオーソドックスな深底の白いスープ皿に入っている。ガラムマサラが効いた、スッキリとした旨み系カレー。「サヴォイ」の味に近い。油加減、塩加減が適当で、非常に食べやすい。「クレイジー・スパイス」という割には、スパイス使いが上品で、激辛好きにはものたりないかも。むしろ旨みを重視する人向けの味。8番という辛さは、樺沢的には中辛か。 骨離れのよいトロトロチキン。そこに真っ赤なスパイスが大量にかかっている。チキン自体は、定番の「チキン」と同じものだそうだ。しびれるような辛さを想像したが、意外と辛くない。真っ赤なスパイスは、全て唐辛子ではなく、パブリカなどの辛くないけど赤いスパイスが混ぜられているようだ。とはいって、激辛に慣れてしまった樺沢の舌でのことだから、普通の人にとっては結構な辛さと思われる。チキンのボリュームは満足の量。 スープにキーマが結構たくさん入っていて、挽肉から良い味がスープに出ている。一方、挽肉の油はあまり出ておらず好感。キーマ以外は、ジャガイモ、ニンジン、タマゴとスープカレーのスタンダードの具材が揃う。スープはかなりの量が入っていて、普通の店でのスープ大盛に近い。 ライスは甘みがあっておいしい。 感想をまとめれば、「札幌でのスターンダードなレベルを十分にクリアーしたスープカレーらしい一皿」ということになる。しかし、札幌でこの味のスープカレーを食べたなら、「平凡なスープカレー」という感想になるかもしれない。オリジリナリティ不足が多少気になるが、その辺は店主自身も「もっとオリジナリティを出して行っていいのか迷うところです」と、問題点を認識していた。しかし、小樽というスープカレー未体験者が多い土地で、スープカレーを広めていくという視点では、このスタンダードな札幌スープカレーの味というのが、重要になってくる。最初から強いオリジナリティを出しても、スープカレーを食べ慣れない客にとっては、受け入れられない可能性も高い。常連客も十分ついて、小樽でスープカレーが普及したあかつきには、もっとオリジナリティのある味にチャレンジして欲しいと思う。 食べる前は1000円という料金が高めに感じられたが、スープと具のボリュームがかなりあり、辛さの追加料金もないため、適価と感じた。 まず、小樽のスープカレーの初心者の方に食べに行って欲しい。あるいは、スープカレー初心者の友人を食べに連れて行くのも良い。雰囲気が抜群なので、小樽のドライブ途中に寄るのも良いだろう。スープカレー店を何十軒も食べ歩いている人が、わざわざこのカレーのためだけに小樽まで行くというのは、あまりお勧めしない。 50席というこれだけのキャパを埋めるだけ客が来ているのかと、余計な心配をしてしまうが、時には満席になることもあるというから、小樽でもスープカレーがかなり認知されてきているのだろう。小樽のスープカレー普及の拠点として、頑張って欲しい。 (2003年11月14日) |
|
[ホーム] |