樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
スープカレー ゆうじ 岩内町字宮園307-1
0135-62-5500
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札幌から行くと、岩内町からニセコ方面に向かう道(道道岩内洞爺線)を左折する。数分で左手に「ゆうじ」が見える。一般の住宅を改造した店である。見逃さないように。 ここ「ゆうじ」は、札幌の人気店「心」の開氏が初プロデュースした店である。したがって、スープの基本的なレシピは「心」と同じである。さて、どこまで同じで、どの辺にオリジナルのアレンジがあるのか。訪れてみた。 店の看板、そして室内は手ずくりの感じ。 |
ライスの「海苔」が、心プロデュースの証 |
まず、メニューである。「納豆オクラ」と「ラビオリ」はなく、「シーフード」と「ハンバーグ」というのがある。「納豆」と「ラビオリ」は、スープカレーになじみのない人たちには受け入れられないだろうと、最初からメニューに載せなかったとのこと。 せっかく来たので、多くの具が入っている「ミックスカレー」(1350円)を注文。 辛さは、100番まで。10番までが無料。15番を注文した。 スープの味は、確かに「心」の味である。しかし全く同じかというと、そうでもない。 「心」と比べるとよりサラサラでトマトの酸味が若干弱い。スープの基本レシピは変わらないが、やはり岩内町民の嗜好に合わせて、味付けは多少変えているとのこと。 ネット上で、「ゆうじ」のいくつかの感想を読んだが、いずれも「らっきょ」に似た味と書かれていた。現在、「らっきょ」と「心」は味が異なる。「心」よりも「らっきょ」に似ているとはおかしいなと思ったが、食べてみると納得である。スープのサラサラ感とトマトの酸味の弱さは、現在の「らっきょ」の特徴であるから、「らっきょ」に似ているという感想は適切なものだ。もっと正確に言えば、「らっきょ」と「心」の中間、あるいは中間よりもやや「心」よりの味ということか。 いずれにせよ、「心」と同様においしい一皿であることに間違えはないし、「心」のマインドを引き継いでいる。「心」 「らっきょ」のカレーが好きな人は、この微妙な違いを食べ比べて欲しい。 具に関しては、ひる貝、かに爪、エビといったシーフードが岩内らしい。チキン、ジャガイモは大きい。他には、ラビオリと玉子、サツマイモ、ニンジンなどが入る。結構なボリュームがあり、ライスは普通盛だったが、満腹となった。 辛さ15番は、適度に辛く、それでいてうまみもわかる。自分としては適切な辛さ。 ただし、客の大半は、2−3番を食べているようだ。 私の岩内の友人が言っていた。「味はおいしけど、値段が岩内にしては高い。」 確かに、850−900円の値段設定は札幌と同レベル。現在、岩内という、スープカレー未開の土地で、かなりの苦労をしている様子。この価格設定もしょうがなのかもしれない。 人口二万人に満たない小都市にスープカレー店が出店したのは、道内でも初めてのケースである。今後、幅広い人たちにスープカレーが広まっていくのかが試される。何とか健闘して欲しい。 (2003年11月16日) |
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