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激辛カレー批評 |
インドカレー 天竺 札幌市北区北35条西5丁目2-45 |
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前から行きたいと思っていたが、場所が北34条ということで、少し北にあるせいもあり、なかなか行けないでいた。今回、地下鉄で行ってみたが、地下鉄北34条駅から徒歩3分ほどで、地下鉄で行くのも便利であった。 注文は、野菜カレー(700円)で辛さはV3(50円増し)を選んだ。辛さは、8段階でかなり辛い辛さまであるが、何となく直感が働きV3にとどめることにした。 カレーが運ばれてくる。見た瞬間にわかった。「こんなところにあったのか。」表面が真っ赤なスープカレー。その赤さ具合は、いつも私が目にしている赤に近いし、スパイスの香りも同じである。食べてみて、また驚く。「スリランカ共狂国」のカレーの味に、驚くほど似ているのだ。基本となるスープは若干異なるのだが、スープに加えられる辛みのスパイス配合が「スリランカ共狂国」の辛みとほとんど同じである。「スリランカ共狂国」のコピーといっては失礼だが、「スリランカ共狂国」の流れをくむ、おいしいカレーであることは間違いない。しかし、「スリランカ共狂国」と最も異なるのは、その安さである。大ぶりな具もたくさん入って、この値段は絶対に安い。 スープカレーの味は、「スープの旨み」「スパイスの辛み」「塩味」の三種類に大別できる。「天竺」のカレーは「スパイスの辛み」に関しては、「スリランカ共狂国」と非常に似ているわけだが、 下地となるスープにはパンチと力強さがあり、「塩味」もやや強めである。最初、スープだけを何口か食べていたが、その味が強力すぎるというか、やや舌が疲れた感じになってしまった。このスープは、ライスと一対一で食べるのが正しいと悟り、後半はそうした配分で食べた。 ライスと一対一で食べるべきスープカレーに似つかわしく、ライス大盛り無料のサービスが行われているのはうれしい。ただし、大盛りにしてライスを残してしまった場合は100円の罰金を取られるので注意が必要である。その罰金に怖れをなした私は、大盛りを頼むのを躊躇し、「ちょっとだけ大盛り」という中途は半端な注文をしたが、店員は快く受けてくれた。結果として、中盛で丁度良かった。 他の客の大盛の量を見たが、結構な量があるので、大盛りにする場合は、空腹具合と相談して、注意を払うべきである。くれぐれも罰金をくらわぬよう。 ニンジン、ジャガイモ、ナスが大きいまま入っているところは、札幌スープカレーの特徴そのものである。特に具でおいしいのは、玉子である。白味に味がしみていて、見事な味玉子になっている。そして、カボチャの甘味は、この激辛カレーの中で、一服の清涼剤になっている。ニンジンとナスは、やや硬い印象だが、この辺は好みだろう。個人的には、ナスはもっとやわらかにジューシーに仕上げて欲しいと思った。 野菜カレー(V3)ライス中盛りというメニュー選択は、私にとって最善のものではなかったらしい。V3の辛さは強烈ではないとしても、スープの濃さ、塩辛さのせいで、後半になるとやや舌が疲れてきた感じがしたからだ。辛さはV2くらいで十分なのかもしれない(あくまでも、私にとってであるが)。次回は、別な組み合わせで試してみよう。 あと他に、挨拶がマメで、接遇態度に非常に好感を持てた。 この店で、私が一番良くないと思ったのは、店名である。私が今まで、ずっとこの店に足を運ばなかった原因は、実はこの店名にある。「天竺」はいいとして、そのキャッチコピーとしての「インドカレー」である。ここのカレーは、どうみてもインドカレーではない。狭義のインドカレーは「ミルチ」のように野菜からでる水分だけを使う水なしカレーであり、水を使ったとしてもタマネギなどの野菜ペーストを基盤にスパイスをからめていくのが一般的なインドカレーであろう。したがって、このスープカレーをインド・カレーと称することが、そもそも誤りである。すなわち、虚偽の宣伝である。インドカレーを期待してこの店に来た人は、このスープカレーは非常においしいにもかかわらず、ある種の期待はずれを味あわされることになる。 また、札幌にはインドカレーのおいしい店が少ないので、インドカレーというと「タOOO・ハOO」などのまずいカレーを連想させる。少なくとも私にとってはそうである。 |
もしこの店の店名が、「スープカレー 天竺」あるいは、「スリランカカリー 天竺」であったなら、私は数年前の開店と同時に訪れていただろう。しかし、「インドカレー 天竺」という店名が、逆に食欲を減退させていた。店名を変えるというのは、味を変えるよりも難しいかもしれないが、「インドカレー」と冠することで、多くのデメリットを抱えてしまっているように思えてしかたがない。 総評 このカレーで700円は安い。ランチタイムだと同じ値段で、サラダとドリンクがつくし、ドリンクはラッシーも選択できるのだから、もっとお得である。これだけのおいしいカレーをこれだけの安さで提供している店は「ミルチ」くらいのものである。 |
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