樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
HERBE CURRY CAFE エルブ 札幌市西区西野3条9丁目11-8 アーバンハイム1F 011―667―0771 ホームページ |
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2003年7月5日オープン。正確には、以前からあったフレンチレストランの「レストラン ル・エルブ」をカレーの店として、リニューアル・オープンした。 スープカリー3種、ルータイプカリー3種、パスタ4種が揃う。この店のスタンダード・メニュー「エルブスープカリー」(980円)を注文する。 店名の「エルブ(Herbe)」は、フランス語でハーブの意味。「ハーブ・カリー・カフェ」と称しているように、非常にハーブが効いている。今まで食べたことのない味だ。というか、スープカレーという感じがしない。ハーブスープとでも言おうか。フレンチ料理人であるシェフが、フレンチの「フォン」の技法でとったスープ。そこに、自家農園で栽培している生ハーブがふんだんに入っている。いわゆるカレーらしいスパイスは、あまり使っていないようで、そのせいか今まで味わったことのない、不思議な風味が作り上げられている。 スープに辛さはほとんどない。スパイシーな刺激がちょっとあるだけ。メニューでも辛さ設定はなく、辛さが欲しい人は卓上のチリペッパーで調整する。店長は、「辛くすると自分でも味がわからなくなるから」と言っていたが、「辛さ」ではなく「旨み」にこだわったスープなのだ。 具に若鶏のコンフィが使われているのも珍しい。表面がパリッとしていながら中は柔らか。ちょっと肉が小さいのが残念。おいしいので、もう少し食べたい気がした。 ライスはサフランライス。さらっとして、食べやすい。 とにかく、他に類をみない珍しい味。スープカレーをフレンチの視点からアプローチしている。スープカレーを和食の視点からアプローチした「ぐわらん洞」のような、ユニークなコンセプト。スープカレーを食べ歩いた者にとっては、驚きと発見に満ちた味であるが、スープカレーを食べなれない人にとっては、「これがカレー?」と思う人も多いだろう。ハーブの風味がかなり強いので、その辺でも好き嫌いが分かれるだろう。 なぜ、カレーの店を始めたのかについて尋ねると、近所にカレー屋がなかったからだとか。確かに、西野近辺にはカレー屋がなく、好立地といえる。しかしながら、近隣の人たちがふらりと立ち寄るには、値段も含めてやや高尚過ぎるような気も・・・。もう少し庶民的な味のカレーをメインにしないと、スープカレーファンではない近隣の住民には受け入れられないのではないか・・・と心配である。 ルゥタイプカリー、特に「帆立貝のオムライスカリー」は気になる。なぜならば、「ダンチュウ」(2002年12月号)に、「レストラン ル・エルブ」がオムライスののおいしい店として紹介されていたから。もう一度来たいと思う。 (2003年8月12日) |
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