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激辛カレー批評 |
私のカレー店の評価 「A店の評価がちょっと高いのでは?」 「B店のカレーはおいしいのに、評価が低いのは?」 そんな指摘を時々受ける。その理由は明確である。味だけで評価しているわけではないからである。私は、私なりに厳密な評価基準を持って、評価しているつもりである。 もともと、自分の日記的な感覚で始めたこのホームページも、今では少なからぬ影響を持つようになってしまったようである。したがって、ある程度その基準を示しておく必要がある゛たろう。 カレー店に限らず、飲食店全般において、「その店ですごす時間をトータルで楽しめるかどうか」が大切だと思う。どんなにおいしくても、店の中が汚らしければ、自信を持って人に勧めることはできない。内装、BGM、店員のちょっとした気配りの一言。味以外にも客を心地よくしてくれる要素はいろいろあるわけで、そうしたことも含めて私はカレー店を評価しいている。 味とボリューム、食べ終わった後の満足感でだいたい100点満点の評価をする。そして、細かいいくつかのポイントでプラスマイナスして、総合評価することになる。 具体的なポイントについて、詳しく述べておこう。 (1) 味 言うまでもなく最も重要な評価ポイントである。 「カレーは嗜好品である。結局、どの店がおいしいかは、個人の好みに過ぎない」 そういう人がいる。 それは正しいようで、実はそうではない。 当ホームページの人気投票で、札幌の100軒近いカレー屋の中で、わずか20軒に全投票得点の95%以上が集まる。これが、事実である。 何年も苦労しながら作り上げた味。あるいは、何年も料理修業した人が作り上げたカレーの味と、脱サラしてにわか勉強で作り上げた味とでは、歴然とした違いがある。 それは良いとして、「味」に関して、私が評価するポイントは二つある。 それは、「最初の一口」と「最後の一口」である。 「最初の一口」に驚きがあるか? いくらおいしくても、よくある味だったり、他店のものまねであれば、わざわざこの店に二度、三度食べに来る動機にはならない。今まで食べたことのない驚き。あるいは、その店ならではのちょっとした特徴。いうならば「個性」。個性のないカレーは、つまらない。 カレーは刺激のある食べ物である。しかし、それは辛さやスパイスの刺激だけではない。盛り付けの美しさ。奥深い甘さ。野菜や具の組み合わせの妙。辛さ以外にも、いろいろな面で脳を刺激してくれるカレーは、ポイントが高い。 「最後の一口」とは、「最後の一口」を食べた後でもう一口食べたくなるかどうか、である。最初の一口がおいしいカレーは、結構多い。ただ、後半になってくると、味が単調になったり、舌がひりひりとしてきたりと、最後までおいしく食べられるとは限らない。最後の一口を食べた後に、もう一口食べたくなるか。そして、その瞬間「また、今度着たいな」と思うかどうかが、重要である。 |
(2) 量 たまに、妙にライスが少なくて、ガッカリする場合がある。 精神的な満足感、それは「おいしさ+満腹感」である。どんなにおいしくても、量が少ないと、満腹にいたらず、何かもの足りなさを残して、店をでなくてはいけない。 もちろん量というのは、ライスとスープのトータルな量であるから、ライスが少なくても、スープが多ければ問題ないが、その場合はバランスというものが重要になる。 |
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最近では、「ライス大盛り無料」のサービスをしているところも多くなっているわけで、ライスくらいはケチらないで、盛ってほしい。 (3) 値段 言い換えればコストパフォーマンス。費用対効果である。値段が高くても、それに見合うだけおいしければ問題ない。しかし、1000円以上の値段がついているカレーで、実際1000円以上の価値を持っているカレーは少ないと思う。 社会人の私としては、「おいしければどんなに高くてもいい」という気持ちもあるが、実際は一流店は値段を安くおさえるために多くの努力をしているし、二流店は「スープカレーだから1000円くらいとってもいいだろう」くらいの気持ちで値段をつけていることが多い。 (4) 味のムラ スープカレーとは非常に微妙なもので、いつも同じ味をコンスタントに出し続けることが難しい。例えばタマネギは季節によって、甘さも水気も違う。「レシピが同じだから味は同じだ」という論理は通用せず、レシピを微妙に変えなければ、同じ味は出ない。 また、スープカレーは、客に出す直前にスパイスを加える。ちょっとした火加減や、タイミングの違いによって味は変わってくる。 同じ店に何度も通っている人は当然気づいているだろうが、カレーの味というのは日によって微妙に違う。微妙ならいいが、かなり違う店もある。 客というのは、「いつものあの味」を期待して、店を再訪する。味のブレを極力少なくして、常に同じ水準の味を出し続けるということは、非常に大切である。 (5) 定期的な営業 当たり前のことだが、営業日に必ず営業していること。そして、標榜する営業時間を守られているか。 わざわざ30分ちかく車を走らせて行ったのに、定休日でもないのに閉まっていたとしたら、これほどガッカリすることはない。一度ならまだしも、大体同じ店で二度三度経験するから、「タマタマ」という言い訳は通用しない。 あるいは、人気のある店だと、「スープ切れ」のため閉店ということが、よくある。 これも閉店1時間前くらいだと、「しょうがない」とあきらめる気持ちにもなるが、閉店時間の2−3時間も前にかかわらず、よく「スープ切れ」をおこしているようでは、評価を下げざるを得ない。確かに、大量のスープを作るというのは大変な作業で、店側の苦労もわからないではないが、それなら標榜する営業時間を短くしてほしいものだ。 私の好きなある店は、100回以上行っているが1度もスープ切れに出会ったことがない。これこそプロの仕事というものだろう。 (6) 注文してから出てくるまでの時間 当然、注文してからカレーが出てくるまでの時間は短いほうが良い。15分いないであれば全く問題ない。しかし、30分を超えるとなると、普通の人間であれば我慢の限界だろう。注文の時に「30分ほどお時間をいただいております」と一言あれば、それでいいわけなのに、何の説明もなしに30分以上客を待たせるというのは、どうみても問題だろう。 (7) 注文のしやすさ、メニューの分かりやすさ メニュー数がやたらと多い店がある。メニュー数の多さは、重要な顧客サービスと店側は考えるが、一見の客の立場では、「どれを頼んでいいかわからない」ということになる。客が自分の口にあったメニューを選べるかどうか。メニューごとに適切な説明が書かれているか? あるいは、口頭で説明してくれる店は、ポイントが高い。 一見の客に親切な店は、ポイントが高い。常連客も最初は一見の客なのである。 |
(8) ちょっとした一工夫、遊び心 『ベンベラ』り目玉焼き、『Voyage』のライスの上のクミン・シード、『ポレポレ』のマンゴーの漬物。ちょっとした一工夫。ちょっとしたサービスが、客の心を和ませる。 |
(9) 店の雰囲気 店の全体的な雰囲気は、大切である。BGMも含めてオリジナリティを出しているか? あるいは、落ち着いた雰囲気で、カレーを楽しめるか? 忙しいのはわかるが、食べた後の皿が10分以上も出しっぱなしになっていたら、他の客が不快に思うのは当然だろう。あるいは、材料の段ボールが積んであったりするのも、あまりイメージが良くない。 (10) サービス、接客 これも当たり前のことですね。当たり前のことを当たり前にやってほしい。 ちょっとしたことですが、明るい接客は、客の気持ちを明るくします。 (11) 衛生面の問題 |
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プラスマイナスの各点数は、あくまでもイメージです。 この表を見ていただけばわかるように、味が良くても、それ以外のサービス面がよくなければ、高い評価は決してつきません。 「激辛カレー批評」は、カレー店を皆さんに紹介するページです。いつやっているか分からないような店を、自信を持って紹介することはできません。 適当に★つけていると思っていた人も多いかもしれませんが、結構考えながらやっています(笑)。 以上、読んでいたたげれば、某店の評価が意外に低い理由。某店の評価がなんだか高い理由が、多少は理解していただけたと思いますが・・・。 |
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