樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評
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スープカレー
スパイシーBOBO

札幌市白石区栄通19丁目4の7
焼肉金剛園2F

011-853-8628



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スパイシーボボオリジナルカリー
(インドネシア風)  
チキンやさい 1050円
辛さ 30番

 2003年3月10日オープンだから、オープンして結構たつ。「HOT PEPPER」にものっているから、チェックしている人も少なくないはず。しかし、「スパイシーBOBO」の噂は全く耳に入ってこない。結局のところ「行くべしリスト」の後回しになっていたが、先日「BOBO」のカレーを食べたという人と初めて出会い、その感想を耳にした。彼は「スープにしても、スパイスにしても何か入れ忘れているような味」と評していた。すなわち、大変物足りないということだ。そうした意見が耳にひっかかり、足を伸ばしてみる。

 場所は、南郷通を地下鉄東西線「南郷18丁目」駅の交差点を右折して、数百メートルの左手。「焼肉金剛園」を目印にして行けば、見逃さない。地下鉄から歩いてもすぐだ。
 スープはコッテリ系のインドネシア風とサッパリ系のスリランカ風の二種類。それぞれに、「やさい」(850円)、「フィッシュフライ」(900円)、「チキン」(900円)、「チキンやさい」(1050円)4種のメニューがある。
 辛さは30番まであり、0−5番が無料。6−30番が100円増。辛さについては、あまり辛くすると人によってはお腹をこわす可能性があるので注意してください、といった但し書きがついているだけで、何番がどのくらいの辛さなのかの注釈が全くない。
 お腹を壊したら困るので、追加料金なしで一番辛い「5番」にしようか迷っていたら、他の客が20番の辛さを注文していた。店員に辛さについて尋ねるが、全く要領を得ない。30番の辛さは、食べる人がいるかと尋ねると、時々いるということなので、「チキンやさい 辛さ30番」を注文した。
 初めての店で、一番辛い辛さを注文したことなど、今までのカレー人生の中で一度もなかったのだが、なぜか直感が働いた。
 カレーは10分以内に運ばれてきて、結構早い。
 さて、味は・・・。結構、うまいぞ。というか、かなりパンチがある。
 30番の辛さで正解だった。30番はちょうど良い辛さだった。というか、これなら40番くらいでも行けそうな気がした。「マジスパ」の「虚空」が食べられる人なら、迷わず「30番」でOKだろう。
 メニューには「コッテリ系」と書かれいたので、とんでもなく油っぽいカレーが出てくるのではないかという懸念があったが、それは払拭された。というか、全く油が浮かんでいない。バジルが浮かんだありがち系のカレーでありながら、ごく小さな油が点状に存在するのみ。これは、私にとっての理想な油加減で、そのせいもあり非常に飲みやすい。しつこくないカレーである。
 逆に「コッテリ系」愛好者にとっては、これは物足りないのかもしれないが、樺沢的には油加減、塩加減は適切と判断される。
 メニュー設定もそうだが、似た味のカレーと言えば、「ベンベラ」だろうか。今回食べたのはインドネシア系だが、以前の「ベンベラ」のスリランカと同程度のアッサリ感である。ただし、うまみはやや少なく30%減くらい。
 昔の「ベンベラ」のスリランカ風で、うまみ30%減。「ベンベラ」のうまみは強烈なだけに、評価としては、そう悪いものではない。
 辛さ30番の辛さが存在するので、相対的にうまみがかなり弱く感じられるのだ。辛さのパンチとのど越しのよさが、味覚の中心ということ。このカレーを「何か入れ忘れて」と評した人は、かなり低い辛さで食べたに違いない。このスープだと、辛さが低いと飲みやすいだけで主張のない力の弱いスープということになるだろう。
 ということで、このカレーは、極力辛くして食べることをお勧めする。というか、辛くしないとダメだろう。ただし、辛さは赤唐辛子中心で出しているので、後半になると舌がヒリヒリとした感じも出た。辛さの出し方をもう一工夫あると、もっとおいしくなるだろう。
 具のチキンは、かなり良い。トロトロだ。このトロトロ加減は、札幌でも一、二を争うだろう。したがって、柔いのが嫌いな人には勧めないが、柔らかなチキンの線維の間にスープがしみこんでいて、ライスの上に乗せるととてもおいしかった。ナスも柔らかで、スープを吸収してジューシーになっていてGOOD。
 皮付きジャガイモは、やや固め。ニンジンは普通。あと、炒めキャベツが結構入っている。
 「スパイシーボボオリジナルカリー」と称しているが、どこがオリジナルなのかは不明。というか、「ベンベラ」に多少のアレンジを加えたカレーにしか見えなかった。
 あまり良くない評判に反して、全く期待しないで行ったせいもあり、結構おいしく食べられた。新店としては及第点だと思う。


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サフランライス
やや黄色が強め

 問題は、メニューの書き方なのだろう。もし私が、何の予備情報もなく、このメニューを見たなら、辛さの追加料金のない最大の辛さである5番を注文しただろう。結果として、「パンチがなくスープも弱い、何の特徴もないカレー」という批評になったかもしれない。そのスープにあった適切な辛さで食べなければ、スープカレーは死んでしまう。
 以下、この店に限ったことではない一般論を・・・。適切な辛さで食べないとおいさが激減するというスープカレーの難しさが、スープカレーがなかなか普及しない原因の一つでもあるのだが、客の舌にあった辛さを選べるような「メニュー・カード」を作っている店が少なすぎる。
 どの店の店主も、おいしいスープを作ろうと一生懸命になっている。しかし、客がその客にとって一番口に合うスープ、具、辛さを選べるように工夫している店。「メニュー・カード」に客の適切な選択を促すのに過不足ない情報が記載されいる店は、札幌の約100軒あるスープカレー屋の中で、わずかに5軒程度だろうか・・・。ほとんどの店は、メニュー・カードの作り方に無頓着すぎる。新しいメニューを作るよりも、新しいメニュー・カードを作ったほうが、客は増えるはずだ。私が合格と思うメニュー・カードを使っている店は、いずれも行列店であるし。
 さて話は脱線したが、辛さ強めで食べると、「ボボ」のカレーは結構楽しめる。うまみが少し足りないので、今後の改善を期待したい。                (2003年6月21日)
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営業時間 11:00〜22:00
定休日  水 
(以前は火曜でしたが、変更されています)
駐車場  数台
席数  
ランチタイム  
  スープカレー
   
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