樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
パキスタンカレーの店 ボスコ 移転しました |
南郷通14丁目に面した南側に、「ボスコ」はある。南郷通は、今までに何百回と車で通っているが、こんな所にカレー屋が存在しているとは、全く知らなかった。非常でしゃれた喫茶店を思わせる外装は好感を持てる。しかし、この店をカレー屋だと、誰が気づくだろうか。「パキスタン・カレー」と控えめに書かれた看板を、車で走っているドライバーが読むことは不可能である。カレーという言葉に過敏な、カレー好きの私ですら今まで気付かなかったのであるから、それほどカレー好きでない普通の人々が、この看板に気づくはずかない。「ボスコ」は郷通に面するという絶好の立地条件を持ちながら、その立地条件を全く生かしていない。もっと「ここはカレー屋なんだぞ」という自己主張をした方が良いのではないか。「カレーライス」というよくあるのぼりを上げても良い。少なくとも、この店の控えめな外装は、ビジネス・チャンスほ大きく失していると言ってよいだろう。 ここまで、立地条件どうこう言うのは、この店のカレーがおいしいからである。せっかくおいしいカレーを出していながら、あまり多くの人に知られていないのが、残念である。 手元にあったガイド・ブックには、「タンドリーチキンカレー」が勧めてあったので、それを注文しようと思っていたが、メニューを目にすると、そこには「ムール貝とナスのカレー」 という文字が。ナスに極めて弱い私は、初心を翻し「ムール貝とナスのカレー」を注文することにする。辛さの指定はない。 そう時間がかからずに、カレーが運ばれてくる。パキスタン・カレーとは、どんなカレーかと期待するが、インド・カレーに近い。刻みタマネギの炒めたものに、スパイスを合わせていくタイプの水を入れないカレーである。しとかし、タマネギの大きさが、インド・カレーよりも大きい。5ミリ各ほどのタマネギは、形状をとどめ、野菜の甘味と歯ざわりを堪能することができる。辛さの指定はないものの、想像していたよりもスパイシーである。期待のナスは、大き目のナスが5切れ入っている。ナスのジューシーさもあって、満足する味である。ムール貝は、まあまあの味。しかし、私が最も注目したいのは、卵である。カレーにおけるゆで卵は、最も重要な具の一つである。しかし、半熟のゆで卵というは、珍しい。ここのゆで卵は、ほどよく半熟になっている。この半熟度が、たまらなくおいしかった。 一皿食べ終えると、額に若干の汗が。凄く辛いわけではないが、スパイスがかななり効いている証拠である。辛さの選択はないが、野菜の甘味をいかした辛さという意味から、この辛さが最適である。 全体としての満足度は、かなり高い。 別な種類を、近々に試してみることにしよう。 (2000年9月3日) |
特に特徴のないライス。 |
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小奇麗な外装は、あまりにも目立たない。 左隣の「安売りビデオ王」を目印にして行こう。 |
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