樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
2003年2月閉店 JEPUN BALI (ジュプン・バリ) 札幌市白石区本郷通9丁目北3-13 |
|
「HOT PEPPER」に以前から広告が出ていた(クーポンで100円オフ)。やっと行けた。地下鉄で行くとすれば、南郷七丁目で下車。徒歩10分くらいか。場所がかなりわかりずらい。迷った。「HOT
PEPPER」の地図が悪い。住所が「本郷通」になっているが、本郷通に面していない。南郷七丁目方向から、本郷通沿いに来たら、アピアビルのところで左折しよう。何十メートルか行くと、左手にある。西向きの店であるが、少しひっこんでいるので、近くまで行かないと店構えが見えない。右の看板が、道路近くに出ているので、目印にしよう。 いきなり店に入って、店内に大きな犬がつながれていてびっくりする。それも三匹もいる。 |
店内は、少し狭い。土曜の昼頃ということもあり、ほぼ全てのテーブルが埋まっていた。一つだけ空いているテーブルがあったので、そこに座る。どうも、机の配列が機能的でない。真中に棚が置かれていて、じゃまくさい。バリの雑誌などかたくさん置かれていておもしろいのだが、どうも、くつろげない雰囲気である。 注文であるが、ココナッツカリー、オリジナル・カリー、ビッグ・エッグ・カリー、ジュプン・カリーなどたくさんの種類がある。しかし、それぞれのカレーについて、何の説明も書かれていないので、どんなカレーなのか分からない。特に、オリジナル・カリーとジュプン・カリーは、説明なしでは想像することもできない。 店は、店長一人で注文から調理まで全部やっている。従って、常に忙しい。忙しそうに働いているので、水もなかなかー持ってこないし、メニューについて説明を聞く雰囲気もない。 せっかく、たくさんのメニューを用意しているというのに、それがどういうカレーなのかわからなければ、全く意味がない。メニュー・カードに数行程度、説明を書き加えるべきだろう。 混んでいたせいもあり、20分ほど待たされる。カレーが運ばれてくる。かなりのボリューム感。かなり大きい野菜が、大量に入っている。これで、850円はお得かな、と最初は思った。スパイスの風味もなかなかある。 味をみる。「何だこれは。味がしないぞ。」うまみがない。味の空白地帯。函館「小いけ本店」でもそんな体験をしたが、極端にうまみのないカレーは、二度目の体験である。酸味が少しあるスープ。飲みやすい。しかし、肝心のうまみが、ほとんどない。このスープに一番近いのは、『サボイ』だろう。『サボイ』のスープから、うまみだけを取り除くとこんな味になるかもしれない。 |
バリ島独特のスパイスの使い方が、ちよっとおもしろいのだが、このスープではそれも生かされない。とにかく、ものたりない。 それと、ココナッツカレーという名前でありながら、ココナッツの味も風味もほとんどしないというのは、どういうことか? 個人的にはココナッツの風味は弱い方が好きだが、ここまで弱いと、「ココナッツ」を期待して注文した客は、期待を裏切られる。 具の野菜は、可もなく不可もない。白いゆで卵が食欲をそそるが、半分に割ると、半熟部分が全くなく期待を裏切られる。半熟卵だからこそ、二つ割にしないで、一個まんま出しているのだろうと考えていたが、深読みしすぎであった。 全品、デザートのアイスクリームがサービスされる。甘味がおさえられたアイスは食べやすく口直しには良い。 |
カレーを食べる以前に、待ち時間や店内の狭苦しさ。メニューの記述など、基本的な部分で多くの問題がある。それでもカレーが、おいしければ文句はないのだが・・・。 カレーのコンセプト、オリジナリティという点ではおもしろさがあるのだが、それがうまく味につながっていない。まだまだ味に改良の余地がありそうだ。『マジ・スパ』から3丁ほどしか離れていないこの場所でやっていくには、もっと味のグレードをアップしなくては厳しい。 (2002年1月26日) |
|
[ホームに戻る] |