東京らっきょブラザーズ



 東京都新宿区馬場下町61-9 山口ビル1階

03―5941―8455

 

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愛別矢部農園舞茸の
キノコスープカレー 950円


 私が3年間のアメリカ生活を終えて日本に帰国したのが、2007年6月1日。

 さすがに、すぐにスープカレーを食べたいとは思わない。
 アメリカにもスパイシーフードは結構あるからだ。
 とりあえずは、寿司や蕎麦などの日本食を食べたいという衝動にとらわれる。
 そしてその衝動のまま、しばらくは日本食を食べ続けた。
 アメリカではありえない、食材の豊かさとコストパフォーマンスの高さに感激する。
 さすがは、「日本食」。

 しかしながら、「日本食を食べたい」という欲求もそこそこ満たされると、やはり「スープカレーも食べたい」という衝動がメラメラとわいてくる。
 しかし、残念ながら私は、「東京」にいる。
 これからは札幌在住ではなく、東京在住なので、そうしょっちゅうは札幌のスープカレーを訪れることはできない。
 もし私が札幌にいたのなら、「和食」ほったらかしで、帰国した翌日には、どこかのスープカレー屋に駆け込んでいた可能性もなくはないが、そうならなかったのは、私が今、東京にいるということも関係している。

 東京には、どれだけスープカレー店が増えただろうか?

 まずは、「スープカレー 東京」というキーワードでGoogle検索してみる。
 検索結果に、「らっきょ」がかかった。
 なんと、「らっきょ」が東京進出していた。

 2007年5月5日。東京早稲田に「東京らっきょブラザーズ」オープン。
 一ヶ月前にオープンしたばかりではないか・・・。

 「らっきょ」のホームページ「SPICE GO GO」をチェックしてみると、メニューが載っていた。
 私の好物の「パイ包み」もメニューに加わっている。
 これは「行く」しかなかろう。

 おお、全く偶然だが、明日、「高田馬場」に行く用事があった。
 これは、「東京らっきょブラザーズ」に行かないわけにはいかない。

 用事もちょうどいいくらいに1時半くらいに終わった。
 東西線で「高田馬場」から一駅「早稲田」で降りる。
 東西線「早稲田」2a出口を出ると左斜め前に、店が見えた。
 駅の直近、それも早稲田大学のど真ん中。超ベストロケーションである。

 札幌スープカレーの行列の原則からいうと、大学の近くのスープカレー店は繁盛しやすい。
 この立地であれば、すぐに早稲田大の学生の間でクチコミになって、評判の店になることは間違いないだろう。もちろん、札幌と同じレベルの味が出せていれば・・・という前提だ。

 金曜の二時過ぎ。ランチのピークをすぎた時間帯であるが、店内は8割方席が埋まっていた。
 これは、まずまずの繁盛といえよう。

 メニューを見る。う〜ん。迷う。私の場合、札幌の「らっきょブラザーズ」では、「野菜」を食べることが多いが、私の好物の「パイ包み」も捨てがたい。
 しかし、もし札幌店との味の比較を一番に考えるなら、最もスタンダードな「チキン」という選択もありえる。
 いろいろ悩んだ結果、私が選んだメニューは、「愛別矢部農園舞茸のキノコスープカレー」(950円)。おいおい、全然違うじゃないか(笑)。

 愛別町の舞茸は、激ウマだ。私は昔旭川に住んでいて、愛別町にも行ったことがあるし、道北では「愛別町の舞茸」は、かなりのブランドである。
 その愛別町の舞茸を朝収穫して、すぐに直送したチョー新鮮な舞茸を使っているという説明書きを読んで、「舞茸のキノコスープカレー」を注文せずにはいられなくなった。

 ちなみに、辛さは「5番」で、「スープ大盛」(150円増)である。
 さて、3年ぶりに食べる「らっきょ」のスープカレーの味は・・・。

 うーん、うまい。

 口の中にマイルドなスパイス感が広がり、次にスープのうまみがやってくる。
 ライスのうまみ、甘みも絶妙。

 待望の舞茸だが、ありえない歯ごたえ。
 フニャフニャにならない適切な火の通りぐらいで、シャキッとした食感が最高。
 そして、舞茸のうまみとスープの相性も良い。

 札幌の「らっきょ」の味が、非常に高いレベルで再現されているのは驚いた。
 しいて違いを上げるなら、スープのキレというか後味か、微妙に違うような気もするが、ほとんど気づかないレベルと言っていいだろう。

 札幌と東京で同じ味を出すというのは、かなりの困難を要したはずである。「水」が違うと、レシピは同じでも、全く別な味になるからである。
 一言で言えば、「ただ札幌と同じ味を出している」ということなのだが、その裏のすさまじい努力が、この一皿に垣間見られる。

 ということで、かなり満足感とともに、「東京らっきょブラザーズ」をあとにした。
 この味であれば、早晩、行列店になることは間違いなかろう。
(2007年6月8日)

樺沢のスープカレーガイド「東京らっきょブラザーズ」

メニュー選択 一般にスープカレーは、具の違いによって、スープの味も大きく変わるが、「らっきょ」のスープは、様々な具にもうまくマッチする。したがって、自分の食べたい「具」を素直にセレクトしていいと思う。私が食べることが多いのは「野菜」と「パイ包み」である。

辛さ選択 辛さ選択だが、「らっきょ」のスープは極端に辛くしない方がいい。「5番」という辛さは、辛さの面からいうと激辛好きにはそれほど辛くない辛さだが、これ以上辛くするとデリケートなスープや具の味がわかりづらくなる。「マジックスパイス」や「スリランカ狂我国」のように、「辛いほどおいしい」スープカレーとは違うので、極端に辛くしないで、辛さ以外のスパイスのハーモニーを楽しみたい。激辛好きも最初は「5番」で十分。

こんな人にお勧め 「らっきょ」の味は、万人向けである。激辛好きやカレーマニアではない、普通の人。スープカレーを食べたことのない人にお勧めする。上品なブイヨンとかすかなトマト風味は、洋食のスープを彷彿とさせ、外食でカレーなんか食べないという女性にもお勧めである。


札幌激辛カレー批評
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