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  トイストーリー2 トイストーリー2 オフィシャル・ページ(英語)

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 世界最先端のCG技術がここにある。「CGもここまできたか」と感心する。話もおもしろいし、子供連れで行くには最適の映画だろう。映画のパロディがたくさん入っていて映画ファンにも楽しめるしくみになっている。
 しかし、何か煮え切らないものがある。『バグズ・ライフ』の時も思ったが、技術はここまで進んだが、その技術を使って何を表現するのかが重要である。『トイ・ストーリー2』のCG技術は凄い。そして、この映像を作るために、膨大な時間とお金がかかってることもわかる。しかし、膨大な時間と金をかけて作り上げたのが、映画のパロディでは、一体何のための技術が、ということになる。『バグズ・ライフ』は、所詮『七人の侍』のパロディにすぎなにかった。

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  『バグズ・ライフ』も『トイ・ストーリー2』も、一種の実験映画としてとらえれるかもしれない。将来、もっと凄いフルCG映画が登場することは間違いないが、その発展途上の一本に過ぎないと理解できるかもしれない。
 しかし、高度なCG技術を駆使して、一体どんな映画が作られるのか。CGであるから、どんな映像も視覚化することが可能になるだろう。映画作家たちのイマジネーションが試される。今回の『トイ・ストーリー2』を見ていると、技術に人間が使われているような気がしてつらい。
 CG映画のさきがけ的作品『トロン』を見たときは、ぶったまげた。たまげたのは、その映像の凄さではなく、コンピューターの電脳世界の中に入ってしまうという、考えもしない発想である。ストーリーは『オズの魔法使い』のパロディになっているが、画期的な技術を必要とするほどの、画期的な発想とアイデアが、そこには存在していた。ソフトのためにハードが必要だったのである。しかし、いつしか我々は、実際に必要以上の、つかいこなせる以上の技術を手にしているような気がする。
 プレイステーション2が発売になったが、その高度なスペックを使いこなすだけのソフトがどれだけ発売されるかが、懸念されている。高度なハードが先にあり、常にソフトは後からついていく。これも、問題は同じなのである。
 『ダイノソー』の予告編が『トイ・ストーリー2』の前についていた。その映像の美しさは感嘆もので、「絶対に見たい」とは思うが、『ダイノソー』にしても発想としてはいたって平凡なものである。
 「こんなものが映像にできるのか」「こんな映像世界があるとは予想もしなかった」、そう思えるようなCG映画が登場することを期待したい。

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冒頭のバズが活躍するエピソード
その時通る六角形の廊下は『新しき希望』のレーアひめが捕らえられていた監房ブロックの廊下のパロディである。

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I am your father.

ゾーグのセリフは、もちろん
『帝国の逆襲』のパロディである。