【「映画の精神医学」推薦図書一覧へ】

「羊たちの沈黙」を
楽しむための資料集

★★★ 必携  ★★ 特に推薦  ★推薦


羊たちの沈黙 アルティメット・エディション DVD  ★★
監督:ジョナサン・デミ
主演:ジョディ・フォスター、アンソニー・ホプキンス
税込価格:3343円
 
sl1.jpg (4751 bytes)
2004年11月5日発売
【封入特典】
原作者・トマス・ハリスの世界観を解説したミニ・ブックレット
【映像特典】
●オリジナル劇場予告編
●インタビュー:沈黙の中の音楽
●ドキュメンタリー:「迷宮の中へ」
●メイキング・オブ 「羊たちの沈黙」
●未公開シーン集(22種)
●NGシーン集
●TVスポット集
●アンソニー・ホプキンスの電話のメッセージ
●フォトギャラリー(約120枚)
●MGMタイトルプロモーション

  私は、22もの未公開シーンが大変楽しみです。
原作小説
羊たちの沈黙 
著者:トマス・ハリス  出版社:新潮社
税込価格:820円

   
 トマス・ハリスはうまい。展開といいディテールといい。
 映画「羊たちの沈黙」をおもしろいと思った人は、原作もお薦めする。言葉で説明されているぶん、映画よりもわかりやすいのではないだろうか。当然であるが、小説としての別な味わい、別なおもしろさがあり、一粒でも二度美味しいという感じである。
 
sl2.jpg (5078 bytes)

ハンニバル スペシャルボックス DVD 
監督:リドリー・スコット 
主演:ジュリアン・ムーア、アンソニー・ホプキンス
税込価格:10290円

 この映画はダメです。原作小説のよさを、全てぶち壊している。レクターとクラリスのスリリングな精神的な駆け引きの意味が、原作とは全く別な意味を与えられてしまっている。
 ハリウッド映画としては、この衝撃的な原作をそのまま映画化することは、不可能なのだ。 
 映画「ハンニバル」を未見の人は、映画「ハンニバル」は見なくていいから、小説「ハンニバル」を読むべき。
sl4.jpg (5106 bytes)

原作小説
ハンニバル<上> <下> ★★
著者:トマス・ハリス  出版社:新潮文庫
税込価格:上巻 740円 下巻 780円


 映画「羊たちの沈黙」は大好きだけど、映画「ハンニバル」は大嫌い。そういう人は、是非読んで欲しい。 その理由が、ハッキリとわかるはず。そして、「羊たちの沈黙」と同様、この作品(小説)のファンになるだろう。
 映画「ハンニバル」の原作であるが、全く内容は反対である。
 あまりにも反倫理的な小説であるがゆえに、映画では全く違うように書き換えられてしまった。「羊たちの沈黙」のクラリス役ジョディフォスターが原作を読んだ段階で、出演を拒否したのも納得がいくる。
sl3.jpg (6243 bytes)
 しかし、反倫理的な部分こそが「ハンニバル」の最大の魅力である。
 究極の禁断の愛を描いたラブストーリーとして読めれば、傑作である。私は小説としては、「羊たちの沈黙」の方が、「ハンニバル」よりも、はるかにスリリングでおもしろいと思う。そして、この衝撃的なラストシーン。繰り返す。映画「ハンニバル」をつまらないと思った人も、この原作ラストには衝撃を受けるはずだ。
 樺沢、お薦めの一冊。

聖なる飢餓―カニバリズムの文化人類学
著者:ペギー・リーヴズ・サンデイ , 中山 元 出版社:青弓社
税込価格:4200円


 世界中の多くのカニバリズム(人肉嗜好)の実例を紹介し、それを通して心理学、民俗学的な視点から、カニバリズムとは何かということを、考察している。硬派な読み物ではあるが、「なぜ、人肉を食べるという、とんでもないことが起きるのか?」その答が、この本にはある。

図説 食人全書
著者:マルタン モネスティエ  出版社:原書房
税込価格:3780円

 女の方が柔らかい、男の方が味が良い。いちばんおいしい部位はどこか。
 決してお薦めはしません。ちょっと、危ない本です。しかし、この手の危ない本が好きな人って結構多いもの。
sl7.jpg (5624 bytes)
先史時代から現在まで、戦い・復讐・裁き・儀礼、そして愛の場面において行われてきた「食人」を多角的な視点からとりあげています。
 レクター博士の食人癖。「裁き」のための、そして「愛の行為」のための食人の動機を理解したいという人には、参考になるでしょう。

ひかりごけ 
著者:武田 泰淳  出版社:新潮文庫
税込価格:420円

 「人肉食」の小説といえば、まずは「ひかりごけ」を思い出します。
 限界状態でも生き延びようとする人間の心理が描かれます。
 普通の人間でも、生き延びるためにはここまでするのか?
 あなたは、ここまでして生き延びるか?
 いろいろな意味で、問題作です。
 短編ですので、すぐに読めます。
 名作です。読んでおいて損のない一冊。
sl6.jpg (5455 bytes)

FBI心理分析官―異常殺人者たちの素顔に迫る衝撃の手記
著者:ロバート・K. レスラー、トム シャットマン  
出版社:ハヤカワ文庫NF
税込価格:735円


 FBI行動科学課の特別捜査官として数々の奇怪な事件を解決に導き、「プロファイリング」という捜査技術を世界中に知らしめて「羊たちの沈黙」や「X‐ファイル」のモデルにもなった著者が、凶悪犯たちの驚くべき心理に迫る戦慄のノンフィクション。

 クラリスのお仕事ってどんなの? そこに興味を持たれ方は、おもしろく読めるでしょう。
sl8.jpg (5667 bytes)

臨床心理士への道 Aera books (Number 4)
著者:馬場 礼子  出版社:朝日新聞社
税込価格:1000円


 私もクラリスみたいになりたい。そう思った人は、いるだろうか?
 FBI心理分析官は無理だとしても、臨床心理士はどうだろうか?

 この本には、心理士である著者の経験を生かして、どういう人が心理士にむいていて、どういう人がむいていないのかが書かれている。
 結構それって重要で、向いてない人がなってしまうと、相当に苦労するだろうから。でも、とててもやりがいのある仕事であることは、間違いない。
sl9.jpg (5206 bytes)

ローマ人の物語〈2〉― ハンニバル戦記
著者:塩野 七生  出版社:新潮社
税込価格:2940円


 そもそも、ハンニバルって誰よ?
  北アフリカ、カルタゴの稀代名将ハンニバル。ローマ帝国との決戦のため、軍勢と象を連れて敢行されたアルブス越えはあまりにも有名。ハンニバル対ローマのすさまじい戦いが描かれます。

 これって、ハンニバル違いか?
 塩野七生さんの「ローマ人の物語」は、歴史の教訓を現代に生かすという意味で、最高の教科書です。サラリーマンにも絶大な支持を受けているお薦めのシリーズです。 
sl5.jpg (4823 bytes)

 

[映画の精神医学][映画ブログ][激辛カレー批評]