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激辛カレー批評 |
こうひいはうす 札幌市中央区南20条西15丁目 |
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「こうひいはうす」という名前のカレー屋を訪れてみる。 市電「電車事業所前」駅のすぐ前である。電車通りに面しており、「スープカレーの店という看板があるので、分かりやすい。 店のたたずまいは、カレー屋ではなく喫茶店という感じ。そもそも、店名が「こうひいはうす」なのだから、当然なのかもしれない。店内にはジャズが流れ、やはり喫茶店の雰囲気。 閉店20時なのだが、19時45分に入店しても、ギリギリ間に合った。時間のせいか、チキンカレーしかなかった。辛さは1番から10番まであり、10番が一番辛い。7番を注文する。 カレーを見た瞬間に、アジャンタのカレーを想像する。スープの赤さ具合、油の浮き加減、大きなトリと具材のシンプルさ。全てが、アジャンタを模範にしていることは明らかであるが、その味もやはりアジャンタを見習っていた。当然のことながら、アジャンタのようなスープの完成度はないが、「アジャンタ風カレー」あるいは「アジャンタの簡易バージョン」を食べているような気がした。 スープの量はかなりあり、アジャンタよりも多い。 油はアジャンタほど強くないので食べやすい。塩気も薄いので、すいすいと飲める。丁度良い。スパイスはアジャンタのそれと似ているが、舌の後味的にはニセコ「カリーゴヤ」のスープカレーに近いものがある。 チキンは特に下味が強くなく、ほどよくやわらかいが、トロトロではない。やはりアジャンタの「とり」に似ている。タマネギがピーマンの下に隠れていた。スープをとるのにタマネギは必須の野菜だが、具としてカレーに入れられているのは珍しいだろう。 「アジャンタ」のグレードを一つ落としたような味だから、そこそこにおいしい。しかし、飛びぬけて美味しいとはいえない。当然のことながら、オリジナリティに乏しい。何かこの店ならではの、特徴が欲しい。 |
値段は700円と適価である。しかし、味と比較するとそれ以上でも以下でもないと思う。近くにあれば時々は食べてもいいが、わざわざ気合を入れて食べに行くカレーではない。 というか、基本的にこの店は店名の「こうひいはうす」の通り喫茶店と考えた方がよいのかもしれない。おいしいカレーを出す喫茶店と考えれば、このカレーは十分及第点である。 マスターが常連客と楽しそうに話しをしていたし、私にも気さくに話しかけてくれた。やはり、そうしたマスターとの会話を楽しみながら時間を過ごす喫茶店ととらえた方がいいのかもしれない。この店のカレーには大きな特徴はないが、マスターご個性的なのが最大の特徴だった。 このロケーション。電車通り沿線はカレー激戦区である。「アジャンタ」もすぐ近くだから、昼であれば、当然「アジャンタ」の本店に行ってしまった方がいい。他にも、「ピッキーヌ」や何軒か競合店があるし、車があれば「マッサーラ」あたりまで行きたくなる場所である。カレー屋として生き残っていくのは、難しい気がする。おいしいカレーを出す喫茶店として、頑張って欲しい。 |
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