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激辛カレー批評 |
大衆亜細亜飯店 HATHI (ハッティ)
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ステラプレイスにある『カレー研究所』は既に紹介したが、大丸にあるもう一軒のカレー屋が『ハッティ』である。ハッティとは、ヒンズー語・シンハリ語で「象」という意味。
メニューは、カレーとフォーがそれぞれ9種類ずつあり、それ以外はサラダとか春巻などのサイドメニユーである。雰囲気はカレー屋というよりは、カフェに近い。 この多くのメニューの中から、「ハッティ特製黒胡麻風ブラックカレー」(1000円)を選択した。日本米、タイ米、ナンの三種類から、選択できるので、ナンを選んだ。 5分ほどでカレーが運ばれてくる。この速さには驚く。 |
黒々としたカレー、まさにブラックカレーだ。食べてみる。キーマカレーに黒胡麻で色付けしたものであった。辛くはない。塩加減は丁度いいが、明らかに油っぽい。キーマカレーにありがちだが、ひき肉が油を吸い込んでしまい、かなり重たい味になっている。 具はマメである。四種類くらいの種類の異なる豆が入っていて、彩り、食感、味が豆の種類によって微妙に異なる。 |
ナンは、運ばれてきた瞬間に思うが、明らかに少ない。これでは満腹にならないと思い、数口食べたところで、「日本米」(250円)を追加注文する。ナンの味、というかだいたいにして焼き目が全くなく、タンドリー窯で焼いていないので、厳密に言うと「ナン」ではなく、「ナン風」のパンである。フワッとはしているが、風味もあまりない。既製品なのかもしれないが、そこまでは断定できない。ある程度は予想していたが、見た瞬間に追加ライスが必要と判断しなければいけないほど、ボリュームがないとは思わなかった。 |
追加ライスは、プリンのように型にはめて、上にナッツが盛り付けられていた。見た目には美しいが、あいかわらずの量の少なさ。この量であれば、150円が適価である。これでは、暗に男性客に「来るな」と言っているようなもの。 ただし、カレー自体は結構な量である。予想された量の1.5倍はあった。一方、ライスとナンは、予想された量の0.7倍ほどしかなかった。このカレーの量は、女性の二人客であれば、丁度よく食べられるくらいの量があると言える。つまり、カレーはグループ客を想定した量になっている。それを一人で食べると、かなり舌が飽きてくる。おまけに、この油っぽさはつらい。 あと一つ気になったのが、テーブルである。一人で行ったので、中央の大きなテーブルに通されたが、このテーブルの高さが高い。あるいは、イスが低いのか・・・。これは、どうみても、食べづらい。 客に対する注意の向け方などの接客やサービス面は、チェーン店ということもあり、きちんと教育されている感じで、好感が持てた。 カレー屋ではない。エスニック風カフェというか・・・。すなわち、男が一人で入って飯を食う店ではない。男一人がカレーを食べるという目的で行くなら、まず失望するだろう。男同士で行くと、ボリュームが少ないので満腹になるまで食べるとかなり割高につくと思う。カップルで行くか、女性同士で行くか。用途が限定される。 実際私が行った時の客相は、7-8割が女性の2人組みか3人組みのグループ。一人で来ていたおばさんが二人いて、男性の一人客は私一人という具合。 ということで、当ページをご覧のカレー通には全く向かない店と言えるだろうし、店のコンセプト、すなわちライスの量とその値段から、我々のような客層(一人でフラッと行ってカレーを楽しむ人たち)を拒絶しているように思える。 数人のグループで訪れ、カレー数種とフォー、サラダと春巻など多彩なメニューを楽しみ、少しずつつまむというのが、「ハッティ」の正しい楽しみ方ということになりそうだ。 (2003年4月4日) |
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