| |
激辛カレー批評 |
ノアノア
札幌市中央区南14条西6丁目4-13 |
|
市電「行啓通」下車。電停のすぐ前で。駐車場はないが、交通の便的には便利。 「モスバーガー」の2軒隣だが、「モスバーガー」の隣というのが、立地上かなり損をしているような気がするが、今さら言ってもしょうがない。 入り口のドアの黄色いシマシマを見て、シャッターを降りているのかと一瞬勘違いをしてしまった。本日のおすすめメニューを立て看板で出しておくというのはgood。 カウンターだけの店内。木目のカウンターと白い壁がきれいで、清潔な雰囲気である。店は女性の店長が、一人でとりしきっている。 メニューは「チキンカレー」ではなく「若鶏のカレー」、「野菜カレー」ではなく「季節の野菜カレー」と、ちょっとしたネーミングの工夫がある。注文は「季節の野菜カレー」にする。 トマトの酸味が効いた、さわやかなうまみカレーである。雰囲気的には、『スパイスベリー』の赤カレーに似ている。あるいは、『パオ』のスープカレーのトマトの自己主張を少し減らしたような感じである。 玉ネギの甘味のきいたスープ(ルー)と、硬めのライスがよくマッチする。ライスはそんなに多くないので、空腹時には大盛り(100円)も必要か。スープというよりもルーといった方がいい粘度。あるいは、スープカレーとルーカレーの丁度境界線か。 圧力釜でやわらかく煮た野菜。それを注文があってから軽く炒めて、ルーに入れる。オープン・キッチンで、作業過程が全て見えるが、自分のカレーが作られていく過程が観察するのは楽しい。 炒めるときにいくつかりスパイスが加えられているので、スパイスの生っぽい、新鮮な風味が野菜を通して味わえる。その点でもっともおいしかったのが、ピーマンである。ピーマンは、スープカレー定番の具として、野菜カレーには70%以上の出現率で現れる。しかし、その役割は「いろどり」がメインで、「ここのピーマンはおいしかったな」と感じることはまずない。 しかし、この『ノアノア』のピーマンは、ピーマンの表面積が大きいというメリットを最大限に生かして、スパイスが表面にいっぱ付着し、結果としてスパシー・ピーマンに変身している。ちょっと、おもしろいと思った。 しかし、逆にダメなのはニンジンである。スプーンで切れるだけ柔らかく煮込まれているわけだが、ニンジン本来が持つ甘味、うまみがスープに逃げてしまっており、野菜のうまみが閉じ込められておらず、スカスカな感じになっている。 ナスは味が逃げるというほどではないが、うまみ成分の減少はいなめず、硬さ的にはジューシーナスとしての最適な硬さでありながら、味わいとしてのジューシーさに欠けるのである。 |
オクラが一本入っていたが、これも普通の野菜カレーに入っているのは珍しい。普通じゃないカレーには入っていますけど。 キノコも何か物足りない。 結局、圧力釜で抜けた成分を補うために軽く炒めてスパイシーさを加えるという戦略か。 ライスがすすむうまカレーとして値段的にも、なかなかいい店だと思う。近くにあれば、ちょくちょく利用したいところだが、何十分もかけてどうしても食べたいかというと、そこまでではないような気がする。 (2001年6月24日) |
![]() 丸いテーブル・マットがオシャレである。 |
|
![]() |
[ホームに戻る] |