樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
レトルト S&B食品 スパイシーチキンカレー
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以前、S&B食品の「札幌で大人気 ! スープカレー」を紹介した。今回の、「スパイシー チキンカレー」は、その第二弾ということらしい。「スープカリー」の表記は小さい(上の方の小さい文字)が、このカレーはサラサラのスープカレーである。 カレーを別皿にしようかと思ったが、パッケージの写真はライスの上からかけていたので、その通りにしてみた。しかし、パッケージの写真のようにはならない。スープ状なので、全てライスの間を通り抜けていく。パッケージの写真は、ライスを片側に寄せていたのだ。 味は、スパイシーチキンの名に負けぬよう、かなりスパイシーである。辛さもなかなかある。その点は、中途は半端なレトルトカレーが多い中、評価できる。チキンは別にスパイシーではない。このカレーは、スパイシーな「チキンカレー」であって、「スパイシーチキン」の入ったカレーではない。チキンと野菜は(ジャガイモとニンジン)は、ヤワヤワでよろしい。 |
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味としては、東京の『カーマ』あるいは『Nagafuchi』といったあたりに似ている。特に『カーマ』に似ている。ターメリックがたっぷり入ったスープカレーは、札幌人の口には合わない。 『Nagafuchi』のところでも書いたが、ターメリックの意味みたいなものが、このスープカレーにターメリックを入れることで、よくわかる。ターメリックはいわば接着剤のようなもの。トロみもでるし、味的にもからみつく感じになる。したがって、ターメリックが入るとライスとの相性がよくなる。実際、甘み系ルーカレーのほとんどにターメリックがたくさん入っている。ルーがライスによくからむようになるので、ライスがおいしくいたただけるのである。 逆に、辛いカレーの場合、ルーが舌にからんでくる。辛味スパイスが舌にからみついて舌に残存する。サッパリとした辛さではなく、しつこい辛さになってしまう。結果として、舌の鋭敏さが失われ、カレー全体の味わいも失われる。 このスパイシーカレーは、スパイスが強くて辛めの味であるのはいいが、ターメリックが入っているので、舌にからみつく。結果として、妙にしつこい味になっている。前回の、「札幌スープカレー」よりはだいぶましになっているが、まだまだ研究の余地がある。 多分、前回の「札幌スープカレー」が失敗し、その反省としてやっぱりカレーにはターメリックをたくさん入れなくてはダメだという結論に達したのではないか・・・。多分、東京人的な発想ではそうである。 札幌のスープカレーのほとんどがターメリックなし、あるいはごく少量でさっぱりとした味わいほ作り出していることを知らないのだろう。 この「スパイシー チキンカレー」のターメリックを四部の一くらいに減らすだけでも、もっと辛さとスパイスのパンチがストレートに伝わるスープカレーが出来上がるように思えるが・・・。 いずれにせよ、おいしいスープカレー、売れるスープカレーを作ろうというコンセプトを続けているという店は評価する。レトルトカレーには、甘み系のおいしいカレーはいろいろとあるが、刺激的でおいしいカレーというのほとんどない。今後、さらなる進化系をリリースし、刺激的でおいしいレトルトカレーという一ジャンルを築いて欲しいものだ。 (2001年3月16日) |
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