樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
スパイス小屋 ムッシャ 函館市富岡3-10-3 0138−40−0804 |
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再食 『ムッシャ』の味が大きく変わったという情報があったので再食した。 食べたのは、以前と同じ「チキンスープカレー」。写真を見ていただけばわかるように、依然とは全く別なカレーへと変貌していた。油っぽくコッテリとしていたカレーが、アッサリとスッキリとしたうまみ系カレーへと変化した。油はほとんど浮いておらず、非常に飲みやすいスープ。札幌で言えば『チャイ・ババ』のような感じ。 「毎日でも食べられるカレーを作りたかった」という店長の言葉どおり、このカレーなら飽きずに毎日食べられるかもしれない。素揚げしたジャガイモは『らつきょ』様。表面はカリッと、中はホックリ。チキンは柔らか。 辛さに関しては、あまり辛くし過ぎないほうがいいかも。アッサリとしたうまみを損なわない程度に。もう少し、旨みが増強されれば、もっと完成度が高まるだろう。 スープに関してはまだ研究中で、日夜味の向上をめざしているということで、今後のさらなる進化が楽しみである。 (2003年9月23日) |
オープン当時の味 函館で『ぐるぐる本舗』についで、スープカレーを出す二軒目の店ということになる。『ぐるぐる本舗』がオリジナルのスープカレーであるのに対し、『ムッシャ』は札幌スープカレーの典型的なパターンを踏襲しようとしている。味的には、『心』に近い。うまみ系スープカレーでバジルを浮かせ、ちょっとだけトマトの風味がする。札幌スープカレーの一つのタイプである。味はおいしい。しかし、スープとスパイス、いずれもパンチがなく、何か遠慮したようなところが残念である。こうした傾向は、札幌でオープンする新規のスープカレー店でも認められる。 |
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例えば『クミン』もそうだ。『ムッシャ』と『クミン』では、味的にも、そして盛り付け的にも、非常に似たものがある。函館ではスープカレーは市民権を得ているとは言えないが、かといってこの特徴の乏しいスープカレーがブレイクするとも思えない。チキンも野菜もほどよくおしいのだが、「凄くおいしい」という突出した部分がなく、後半になると舌が飽きてきてしまう。 基本的な路線としては間違っていないが、あと一つ何かが足りない。どこかでオリジナリティを加えると、凄くおいしいスープカレーに変身できると思うのだが・・・。 |
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