樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
覚醒的香辛料厨房 HOT SPICE 札幌市東区伏古9条3丁目3−3 |
最近、ちょっとしたハバネロ・ブームが起きている。ハバネロをトッピングできる店も何軒も出てきているし、スナック菓子「暴君ハバネロ」が登場したりと。 「Hot Spice」では、「ハバネロ・ソース」が50円でかけ放題である。とは言っても、普通の人は数滴で十分だろう。入れすぎると食べられなくなる可能性もあるので、十分注意すること。 8種類の中から好きなソースをセレクトする。「ハバネロ・ソース」といえば酸っぱいという印象が強かったので、もっと酸味が弱いものをセレクト。「PURE CAP」にチャレンジした。 2−3滴入れる。かなりの辛さだ。しかし、酸味はなくスッキリとしている。ヒリヒリと舌に残ることもなく、意外にスッキリとしている。さらに数滴を加えてしまった。 正直、「ハバネロ・ソース」というアイデアを聞いた時はかなり心配したのだが、想像以上に楽しめた。これで50円は結構お得。とくに激辛依存症者にとってはありがたい。「ハバネロ・ソース」は、ラベルのデザインに凝ったものもが多く、見ているだけでも楽しい。 もちろん、以前からある辛味の壺も健在。 |
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さて、カレーの方はどうだったか。店主特製のオリジナル豚ばら肉とベーコンのカレーをいただく。正式メニューではないが、富良野ラベンダーポークのバラ肉を使ったカレーは「じゅま〜る」の頃出していたそうで、今後「Hot
Spice」でもメニューに加えたいとのこと。肉汁がししたる豚ばら肉がとってもジューシーである。結構脂がのっているので、やや若者向きか。 前回来たときよりも、スープのうまみみが増強されている。トマトの爽やかさを生かしながら酸味が突出することがない。マイルドの喉越しも良い。ようやく安定した味レベルに到達したようだ。野菜の量、スープの量も増えているようで、ボリューム的にも満足感がある。 「ハバネロ・ソース」もあるけども、このスープは旨みを楽しむタイプだ。辛いの、スパイシーなのが苦手な人に、特にお勧めする。 (2004年3月9日) |
再食 開店当初と比べて、かなりおいしくなっていた。 以前の「じゅま〜る」と比べて仕込み量が3倍にも増えたため、十分なうまみ出ず、現在の味に到達するまでに、かなり苦労した様子。「不完全なものを出してしまって大変申し訳ありませんでした」とのこと。お客への謝罪と還元ということで、先日チキンを500円でサービスしてが、その姿勢は潔い。 現在の有名店、人気店でも、オープン当初は、いまいちの味を出していた店が少なくないだけに、あまり目くじらを立てずに、今後の進化を見守りたい。 さて、味である。 |
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「じゅま〜る」の頃のトロミの強いスープとは異なり、サラサラとよりスープ状。トマトの酸味はかなり控えめになっており、うまみが十分にある。ライスとの相性がよく、スープ単独で食べるよりも、ライスをひたして食べる方が、よりおいしい。スープはアツアツで油加減、塩加減は適切。スープ単体で食べるよりも、ライスと一緒に食べた方がおいしく感じる。後半には、ライスを皿に投入してしまうと、また別なおいしさが楽しめる。 卓上の壷に入った辛さペーストが良い。自分でペーストを入れて自己調整するのだが、パウダースパイスを加えるよりも、何倍も風味と辛さが増す。というか、これを加える前の素のスープでは、スパイス感が弱すぎて、かなり物足りない。ペーストを数サジ加えて、辛さのバランスがとれて、おいしいスープへと変貌する。パウダースパイスを後から加えるシステムが、いかにダメかがよくわかる。 私は最終的に4-5サジを加えたが、店員が言うように結構辛いペーストであるから、辛さに弱い人は1サジ以下のレベルで調整されたし。 チキンはやわらかく、十分な鶏の味がする。しかし、ちょっと量が少ない。伊達産の生鶏を使っているとのこと。多くの店が、輸入物の冷凍レッグを使っている中、厳選素材を作っているそうだ。でも、十分においしいだけ、もうちょっと食べたい感じがする。 ライスは大盛のボリューム。スープは少なめに感じられるが、ライスと一緒に食べるスープということでいえば、量のバランスは適当。 なお、「野菜toチキン」のネーミング。「to」が他店で使われているのは最近まで知らなかったとのこと。 (2003年11月19日) |
開店時の味 江別にあった「じゅま〜る」が移転し、2003年10月5日に、リニューアル・オープンした。場所は地図の通り。新道の「ビックリドンキー伏古店」で曲がってすぐ。車でのアクセスが便利で、駐車場12台は安心のスペース。 オープン5日目の遅い時間(20時半頃)に訪れたが、駐車場には7台くらい駐車されていたのにはビックリした。店内は8割方客が入っている。特に宣伝もなしで、オープン 早々これだけの客の入りはなかなかのもの。やっぱり、ロケーションが良いのだろう。東区は厚別区、手稲区と並んでスープカレー店の少ない地区。街中からは遠いが、近隣の客だけを相手にして十分成立する。実際、歩てくる客も結構いるというから、周辺住民に期待されているようだ。 |
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建物のムードは最高だ。数十年前は、馬の厩舎だったそうだ。それを改装している。天井が高く、木のぬくもり。そして歴史を感じさせる。2階もある。 注文は、「とろ〜りとろける角煮」(1190円)。辛さ設定はない。 カレーは10分以内で出た。 見た瞬間、「じゅま〜る」とスープが異なる。「じゅま〜る」の頃はとろみが強かったが、これはサラサラのスープ状だ。味はトマトの風味が強い。これに似た味といえば、ロシア料理の「ボルシチ」である。トマトの酸味は前面に出ていないが、トマトの味が強く、好き嫌いを分けるかも。トマトベースなのでライスには合う。甘みとうまみが適度に出ている。もう少し、うまみが強い方がおいしいかも。食べているとそんなに油っぽさは感じなかったのだが、油が分離しているせいかスープと皿の境界の油膜が気になる。 角煮は非常においしい。1cmほどに薄切りされているので、スプーンだけで切れて、食べやすい。油ものってライスにのせてもおいしい。 「HOT SPICE」という名前の割には、スパイスが強くない。辛さはテーブルの辛さペーストで調整するが、苦味がちょっと出ている。 「じゅま〜る」とは違うコンセプトで、もっとスープっぽい味にしようと味を変えたのかと思い店長さんに聞いてみたが、そうではなかった。仕込みの量が4倍に増えたせいで、「じゅま〜る」と同じレシピで作っても、このように少し水っぽくなるのだという。基本的には「じゅま〜る」の味でやりたいので、もとの味に近づけようとレシピを調整しているようだが、かなり難航しているとのこと。うまみの少なさに関しても、苦慮している様子で、今後工夫を重ねて行きたいと言っていた。 「じゅま〜る」は私が「カレー50」に選んだ店ということで、広くみんなに紹介したいというレベルをクリアしていた。現時点の「HOT SPICE」は「じゅま〜る」と比べて、物足りなさがある。今後の進化に期待したい。 (2003年10月5日) |
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