樺沢紫苑の札幌激辛カレー批評 |
カレー専門店 札幌市南区南36条西10丁目 |
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最近はカレーの写真を見ただけで味レベルがわかるようになってきた。おいしいカレーというのは、盛り付けも美しいからだ。 平成15年12月オープンした「アガスティア」であるが、「アガスティア」のホームページに載っている写真と、ひまわりカレー同好会のオープン直後の写真とはかなり異なっている。正直、オープン当初の写真からは、「どうしても行きたいというレベル」とは判断されなかったが、新しい写真は「ちょっと食べに行きたいレベル」に達していた。ということで、雪も解けてきたので、石山通りを車で南へと向かう。 「吉野家」の交差点を超えて、NTT札幌体育館を越えて、すぐ左にある。店の外装はあまり目立たない。カレーののぼりが目印になるだろう。多分通り過ぎる人が多いと思うが、石山通はUターンしづらいので、場所はホームページの地図で確認してから行こう。 店内は喫茶店風。広々とした余裕のあるスペース。 メニューは、「チキン」(850円)、「野菜きのこ」(950円)、「角煮」 (1100円)の三種。辛さは5段階。「野菜きのこスープカレー、4番」をいただく。 スープは、うまみ系中濃タイプ。「リンタコッタ」「ピッキーヌ」の系統である。甘み、うまみ、塩加減、油加減、いずれも適切な味加減であり、たいへん食べやすい。均整のとれた味である。スープカレーを食べたことのない人でも、抵抗なく食べられる味だろう。一方で、4番という辛さは私には丁度よく、ほどよいスパイス感も楽しめた。 野菜は、ブナしめじ、椎茸、メークイン、ニンジン、ナス、ピーマン、ブロッコリー、パプリカ、さらに竹の子まで入って多彩である。調理も丁寧で、一つ一つの野菜がおいしい。特においしいのは、ナスとブナしめじ。 量も結構多くお腹も満足できる。 店長に「何か欠点があったら言ってください」と言われたが、特に思いつかなかった。しいて言うなら、値段くらいだろか。均整のとれた食べやすいスープでボリュームもある。ただし、950円という値段はちょっと高いか。郊外というロケーションも考慮すると。ただし、ランチ時はドリンクが付くので、適価なのかも。なお、Hot Pepper やホームページにクーポンがあるので、これを利用すると安く食べられる。 2003年末からから2004年にかけてオープンしている新店の味の共通点は、スープカレーファンよりも、そうじゃない人、普通の人に食べやすいカレーといえるだろう。スパイス感、辛さ刺激よりも、うまみに重点がおかれている。 近所に住む中高年の客も多いという話であったが、確かにこのスープであれば中高年にも抵抗なく受け入れられそうだ。 新店としてクリアすべきポイントは、ほぼクリアしている。激辛系よりもうまみ系ファンにお勧めの一軒である。ただ、個性的な味、刺激的な味を求める人にはなじまないかも・・・。 オープン時との味変化について尋ねてみたところ、オープンの時に調理していた女性の方は一ヶ月で辞められて、1月からは今の男性の方が調理しているそうだ。なんと、もと「ノアノア」にいた人である。スープカレー調理歴が長いわけで、この卒のない味レベルについても、謎が解けた。 「アガスティア」とは、「アガスティアの葉」(インドにかつて存在した聖者アガスティアが残したとされる、個人についての預言が書かれている葉)を語源としている。店名はユニークだが、カレーにそこまでのユニークさはまだない。このスープであれば、いろいろな具材と相性が良いと思う。非常に多くの可能性を秘めている。今後の進化、オリジナリティの発揮に期待したい。 (2004年3月13日) |
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