[映画の精神医学 HOME]

ソウ完全解読

 

  ゴードンとアダムの間にあった死体が、ジグソウだったというオチに対して、
「唐突過ぎる」「それを支持する描写はない」という指摘もあるが、どうだろうか。

 私は、映画開始直後。
 ゴードンが自分の名前を名乗り、「私は医者だ」と言った瞬間に、
「犯人は、彼の患者だな」と思った。
 私は精神科医だが、医者が患者から恨まれる、というのはよくあることだからピンときた。

 それに、真ん中の死体。この死体に関して何の説明もない。
 この映画に登場した全ての人物については、詳しい説明がなされているのに、この自殺死体に関しては、全く説明がない。これは、おかしすぎる。どうみても、この事件と関係ないわけはなく、事件の重要なカギを握っているとしか思えない。

 ゴードンが自分の足を切り、アダムを撃つ。映画のクライマックス。
 私はこの瞬間、心の中で絶叫した。

 「まさか、死体の説明が全くなしで映画が終わるんじゃないだろうな!!」

 その瞬間、この死体がおもむろに起き上がった。
 「やっぱり、そうか」
 「よかった、よかった」
 「そうじゃないと、いけませんよ」
 「そうこないと、脚本が破綻しちゃうよ・・・」
 
 「意外」というよりは、「ホッとした」というところ。むしろ「必然」である。

 ただ、このジグソウが、この映画に出ていた唯一のゴードンの患者、ジョンであったことには、ど肝を抜かされた。
 犯人がゴードンの患者だと、そこまで気付いていたのに・・・悔しい。
 楽しい悔しさである。

 生理的嫌悪感は残るものの、映画としての衝撃度はすさまじいものがある。
 凄い映画を見てしまったな・・・。

 私の中では、この映画に対する疑問は全くなく、矛盾も何一つない。
 このメルマガ「映画の精神医学」で、分析したり説明したりするようなネタが、全然
なくてガッカリしたほどだ。

 しかし帰宅して、「ソウ」の掲示板を見て驚いた。
 ラストシーンはどうなの?
 あのシーンはどうなの?
 あそこが、おかしくないか?

 疑問と矛盾指摘のオンパレードだ。
 そんなに説明されてないか?

 だいたい、劇中で過不足なく説明されていると思うが・・・。
 
 私の中では何の疑問もないわかりやすい映画で、本来細かいところなどつつかずに、素直にジェットコースター的展開を楽しむべき映画であることは百も承知だが、自分の映画への理解不足を棚に上げて、「ソウ」の批判を繰り広げる人もたくさんいるようなので、放っておくこともできない。
 
 ということで、この「ソウ」完全解読特別号を発刊することにしたわけである。

 ちなみに、私は「ソウ」は一回しか見ていない。
 一部、セリフを聞き逃した部分があるので、明日もう一回見に行こうと思っているが、解読という意味では一回見れば十分だろう。

 

まとめて読みたい方は、読みやすいPDF版
「ソウ完全解読」をこちらからダウンロードしてください。


[映画の精神医学 HOME]

 

関連サイト
[ブログ シカゴ発 映画の精神医学]
[精神医学・心理学本の全て]
[激辛カレー批評]
[カレー本の全て]
[スター・ウォーズ研究誌 ホスプレス]
[樺沢紫苑の世界へ]
[必ず役に立つ無料レポート]
[毎日50人 奇跡のメルマガ読者獲得法]