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ソウ完全解読

 

■ゴードンは生きる 根拠2 妻子の救急隊員の保護シーンの意味は?
 
 ジグソウが起き上がるシーンの直前。
 アリソンとダイアナが、救急隊員に保護されているシーンが入る。
 ここで、救急隊員は言う。
 
 「大丈夫だ。警察にも連絡したし、全て問題ない」

 全てのシーンには、その存在意味がある。
 映画の法則である。

 では、このシーンの意味は何か?

 アリソンとダイアナの生存を観客に示すこと。

 「NO」である。
 アリソンとダイアナは、何とか逃げたことは既に描かれている。
 このシーンがなくても、「アリソンとダイアナは死んだ」と勘違いする人は一人も
いないはずである。
 そんなことを説明する暇があれば、この映画で説明されていない別のことを説明した方がいい。
 だいたいにして、映画の一番のクライマックスで、緊迫感を盛り上げる、と
いう演出効果から考えると、このシーンはない方がいいくらいだ。

 しかし、このシーンはある。
 このシーンは、「もうこの時点で、警察の捜査が始まっている」ことを示している。

 そして、救急隊員は、「大丈夫だ」「全て問題ない」と、事態が良い方向に向くこ
とを二回も繰り返している。
 映画の法則。反復は、映画的強調である。
 「ゴードンは大丈夫」であることが、映画的に強調されているのである。

 もし、脚本家が「ゴードンは100%死んだ」と観客に思わせたいとするのなら、この
シーンはあってはいけない。
 このシーンは、ゴードンが警察に救出されることを、暗に示しているのではないか?

 

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