激辛カレー批評
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 SOUP CURRY DINING

SHANTi 原宿店

東京都渋谷区神宮前
 3−26−1
 ホノラリー原宿ビル2F


03−5772−6424

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曼荼羅スペシャル
1380円

 2004年4月3日、東京原宿に「SHANTi 原宿店」がオープンした。札幌西28丁目の「SHANTi」の系列に当たる。
 場所はわかりづらいので、初めて行く場合は地図必須である。JR原宿駅で下車したら、そのまま竹下通りを直進し、ムラサキスポーツがある交差点まで突き抜ける。明治通を渡ると左斜め前に入る道がある(原宿商店街)。そのを道を3分ほど行くと右手にバイクショップ「HONORARY」があるので、そこの二階である。オレンジのタペストリーが目印。
 まずは店内の雰囲気の良さに驚かされる。かなりの広さだがスペースに余裕がある。エスニック調だが、それが突出せずシックにまとまっている。お香がたかれているのは、札幌店と同様である。店員の衣装もかわいらしい。メニューカードも丁寧。飲食のプロがプロデュースとしているということは明らかだ。札幌では、こうしたプロによるプロデュースされたカレー屋というのはほとんど存在しないので、大いに驚かされる。
 まずは、メニューは「オリジナルスープ」6種と「サイゴンスープ」3種の全9種。メニュー選択に迷うが、「SHANTi」の魅力を堪能したい人は、「オリジナルスープ」の「曼荼羅スペシャル」をたのもう。
1380円とちょっと高めだが、メインの具はチキンとMOMO(チベット餃子)が入っていて、野菜も満載である。1380円がキツイという人は、「チキンと野菜」(980円)を。まずは、「チキン」の入ったものを食べて欲しい。
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 値段は一見高めだが、ランチ時はライス大盛無料で、ソフトドリンクもつく。原宿のこのロケーションを考慮した場合、かなり安いと言えるだろう。
 さて味の方。これは、おいしい。鳥だしが効いたアッサリスープに背脂のコクとコッテリ感が加わる。札幌店の味がかなり忠実に再現されている。特に明らかな違いというのは、私にはわからなかった。盛り付けの美しさ、パプリカの肉厚感も札幌店そのままだ。
 スープカレーの東京での出店ということになると、やはり水の問題が大きい(詳しくは、拙著「北海道スープカレー読本」参照)。しかし、このオリジナルスープは、豚の背脂をスープをとる段階から使ったややコッテリめのスープである。スープ表面にも油膜が浮く。水を制するのは油ということか。油によって、水の違いがマスキングされている。
 コッテリとはいっても、東京のコッテリラーメンと比べると、それほど脂が多いわけでもなく、スープそのものはシンプルでアッサリとしているので、かき混ぜながら食べれば、表面の油膜も全く気にならない。適切な脂加減、塩加減と言える。
 スプーンでほぐれる柔らかチキン。そのボリューム感とともに、初めてスープカレーを食べた人は、これには驚かされるだろう。野菜がおいしいのも「SHANTi」の特徴で、パプリカ以外ではジューシーなナスとホックリとしたジャガイモが印象に残る。ヤングコーン、オクラといった野菜は、最近の札幌スープカレーでは定番の具となりつつあるが、初めて食べる人にはインパクトがあるだろう。
 辛さは、1-49ボーガまである。私は15ボーガを食べた。激辛好きにはペロリと食べられる辛さ。次回は20-25ボーガに挑戦したいという感じ。初めてスープカレーを食べる人は、10ボーガくらいからスタートしたほうが良いだろう。辛さに弱い人は、5ボーガ以下で。スープカレーを食べたことがなく辛さにも強くない人と一緒に行ったが、3番でも辛いと言っていた。
 辛さ自体は、後を引かないスッキリとした辛さ。チリペッパーとピッキーヌの両方で辛さを出しているようだ。スープのうまみがしっかりしているので、ある程度辛くして食べた方がおいしいだろう。
 「チキンサイゴン」は、同伴者のを味見程度にいただいた。これは、ほとんど油が浮いていない非常にサッパリとしたスープ。あまりコッテリしているスープは嫌いという人には、こちらのスープをお勧め。非常にヘルシーな感じでサラリといただける。ただ、このスープはサラリ感が強いだけに、辛さ選択が弱いと物足りなく感じる人もいるだろう。

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チキンサイゴン
980円

 東京でスープカレーはブレイクするのか?
 札幌と同レベルの味が出せれば、ブレイクは必至というのが、以前からの私の考えである。ただし、東京で、札幌と同レベルの味を出すというのは、水や野菜の問題などがあり、実際はかなり困難である。この「SHANTi」のカレーは、札幌店と同レベルの味を再現しているし、丸ごとチキン、野菜がおいしい、辛いほどとおいしいといった、札幌スープカレーの魅力を良く伝えている。
 「マジック・スパイス 下北沢店」もおいしいのだけれど、マジスパは辛さを楽しむスープカレーであり、ある程度辛くしないと、その味の魅力が十分発揮されないため、スープカレー初心者には辛さの選択などがやや難しい。どちらかというと、ツウ向けの味だ。スープカレーをまだ一度も食べたことのない人には、こちらの「SHANTi」をお勧めする。   (2004年4月16日)

 ちなみに、本日は「東京1週間」(講談社)の取材ということで来店。6月号にスープカレー特集が組まれる。私の写真やコメントなども含めて、かなり大きな扱いで掲載されると思われるので、興味のある人はぜひ買って欲しい。
 

SHANTi 原宿店

営業時間 11:00〜22:00(LO)
定休日  年中無休
駐車場  なし
席数
ランチタイム
種類  スープカレー
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