激辛カレー批評
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トプカ 淡路町本店

東京都千代田区神田須田町1-11

03―3255―0707

トプカ 横浜カレーミュージアムの紹介
  

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ポーク 850円

 横浜カレーミュージアムのあまりのレベルの低さに衝撃を受けてから、なぜあれほどまでに、ミュージアムのカレーがまずかったのかという謎が、脳裏から離れなかった。
 すなわち、本店でもこんなにまずいカレーを出しているというのか? まさか、そんなはずはないだろう。いや、しかし本店より相当にレベル・ダウンしたものを、ミュージアムで出しているのか? この謎を解くには、本店と同じ物を食べて比べるしかない。
 ということで、1ヶ月もたっていないのに、北海道からまたまた東京に出かけていって、『トプカ』の本店(淡路町)に言ってみた。もちろん、カレーのためだけに東京に行ったわけではないが・・・。
 地下鉄丸の内線A5出口を出て2分。非常に近いところに店はある。店の外観は特に目立たない。カレーののぼりが立っていなければ、喫茶店と思うかもしれない。

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横浜カレーミュージアムの
ポークカレー (ハーフ)

 入り口で食券を買う。当然、ミュージアムと同じポークをいただく。「辛いのは大丈夫ですか?」と聞かれる。大丈夫と答える。でも、ミュージアムで食べたポークカレーはちっとも辛くなかったのに、どういう意味なのだろうか?
 すぐに、オニオン・スープが運ばれてくる。二口ほど飲む。凄くおいしいわけではないが、カレーが運ばれてくるまでのつなぎとしては、非常に良いサービスだ。食前のスープのサービスというのは珍しい。
 デジカメの電池がなくなっていたことに気付いて、電池交換を

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オニオン・スープ

していたら、電池交換が終わらないうちにカレーが運ばれてきた。早い。早すぎる。
 すばらしく、早い。カレーを食べる以前に、スープのサービスと待ち時間の少なさで、すっかり機嫌を良くする。
 自分の前に、カレーの皿が置かれた。その瞬間全てを悟った。最近のカレーめぐりによって、カレーを食べなくても、カレーが自分の前に置かれただけで、そのカレーがおいしいかおいしくないかは分かってしまう。私もだいぶ成長したものだ。
 まず、スパイスの風味が全く違う。ミュージアムのカレーは風味も貧弱で自己主張がほとんどないわけだが、本店のカレーは嗅覚と視覚がうまさを強烈に訴えている。
 一口、口に含む。辛い。かなり辛い。というか、私の舌の感覚の絶対値からいうと決して凄く辛い辛さではないのだが、ミュージアムのゆるい辛さをイメージをしていたものだから、予想していた辛さと全く違ったので驚いた。強烈な辛さ。強いスパイスの自己主張。しかし、後半はスープのうまみとスープのまろやかさ、そして甘さが口の中に広がる。このまろやかな甘さが快感である。辛さが強い割に、辛さは全く口に残らずむしろスープのまろやかさによってマイルドな口当たりが残るのである。傑作だ。確かに傑作カレーである。

 スーブのまろやかさと辛さとの絶妙なハーモニー。このカレーを究極カレーと言う人がいても、それは納得がいく。しかし、ミュージアムのポークカレーは、絶対に究極カレーたりえない。正直言ってミュージアムのポークカレーを食べたとき、気の抜けたコーラを飲んでいるような印象を受けた。スープ自体はうまいのだが、スパイスがゆるくて全くしまりがない。このスープには、このくらい強い辛さが丁度いいのである。いや、この強い辛さでないと合わない。
 一つのスープに合う丁度良い辛さというものが存在する。本店のカレーは、その絶妙なバランスが保たれている。しかし、一般客には明らかにこの辛さは辛すぎるので、辛さのトーンをダウンした。同時に辛味以外のスパイスも減量している。結果として、気の抜けたコーラのような、ピントのぼけた自己主張のそんざいしないつまらないカレーに成り下がってしまったのが、ミュージアムのカレーである。
 おそらく、スープ自体も本店の方が質が高いスープを出していることは明白だが、ミュージアムのカレーの最大の短所は辛さとのバランスを崩しているということである。
 確かにポーク・カレーは辛い。しかし、この辛さでないと絶対おいしくない。辛さを落として一般客のレベルに妥協する必要があるのか。同じものを堂々と出せばいいじゃないか。試食で誰がが余計なことを言ったのかもしれないが、仮にも「カレーミュージアム」である。辛口と説明しておけば、辛すぎると文句を言われる筋合いは無い。辛くなくて文句を言う奴はいても、「辛口カレー」と表記してあるのなら、辛いと文句を言う奴がバカである。
 それとミュージアムのカレーは、具本店と比べてかなりレベルが低い。本店のポーク。外見はしっかりとした肉の外見をともなっている。こりゃナイフがないと切れないなと思い卓上のカゴを見るが、スプーンしか入っていない。これはスプーンだけで切れますよというサインであるから、スプーンでしっかりとした硬さのあるポークを切ってみると、ウソのようにすっきのと切れる。一口、口に含むと肉がとろける。外見はしっかりと形状を保っていながら、肉自体はすごく柔らかく煮込まれている。肉の表面が煮崩れしていないので、肉汁が肉の内部に保たれている。この煮込み方も芸術的であり、カレーの具としてこんなポークは食べたことが無い。
 しかし、ミュージアムのポークはどうだったのか。上記の写真を見て欲しい。本店とミュージアのポークは、形状が明らかに異なっている。本店のポークは包丁で切ったまま角が残っているが、ミュージアムのポークは角は全くなく、完全に煮崩れしている。
 ミュージアムのポークを食べたときは、その辺のカレー屋にある柔らかく煮た角煮と全く変わらないと、何の感慨も無かった。
 結局、本店のポークカレーは、ミュージアムのポークカレーと全くの別物。正直言って、ミュージアムのポークカレーは、全く食べるに値しない。この程度のカレーなら、自分の家でカレーを作って食べた方がよっぽどおいしい
 東京以外の人が、ミュージアムの『トプカ』のカレーを食べるのはまだ分かるとして、東京にいる人が、ほざわざ横浜まで行って『トプカ』のカレーを食べるというのは、具の骨頂である。時間と交通費をかけて、わざわざまずいものを食べに行くのだから。
 改めて忠告しておくが、辛いカレーが苦手な人は、この本店のポークカレーは食べない方が良いだろう。辛口でない甘口の欧風カレーにすべきである。このポークカレーの辛さは私にとっては、丁度良い辛さであるが、いわゆる普通の人にとっては、かなりの辛さであることは間違いない。
 本店のこの辛口カレーを普通の定番カレーとして出してしまっている、その勇気は凄いと思う。賞賛に値する。
 友人の頼んだ、チキンカレーを味見させてもらった。ポークカレーと同じくスープカレーであったが、全く味は違う。スパイス使いが全く異なる。辛さよりもスパイスの刺激に重点を置いた配合になっている。その味わいは、刺激的、衝撃的である。と同時にちょっとスパイスのクセがあるので、苦手な人は食べれないかもしれない。かといって、辛くないわけでない。スパイスの刺激が強い分、トータルではポークカレーより2割型辛い印象である。チキンカレーとポークカレーのどちらがおいしいかと聞かれても困るが、賛否両論分かれてもおかしくない。それくらい、個性的な味である。
 もととなるスープも違うのだろうか。スープの後

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チキン 850円

味のまろやかさ、やわらかさ、甘さというものが全くない。最後の口当たりまでが、刺激で支配されるという点が、二つのカレーの大きな相違点である。
 このチキンカレーを食べて思ったのが、札幌の『スリランカ我国』を中心とした、札幌スープカレーに味、スープの雰囲気が非常に似ていると思った。もちろん、『スリランカ狂我国』と比べると、まだ格下と言わざるを得ないだろうが・・・。
 11時45分までに入店すると、コーヒーがサービスされる。偶然にも、11時30分ごろに入店したので、アイスコーヒーがついてきた。スープとコーヒーがついて、このカレーが850円とは超安い。
 東京でカレーの食べ歩きを進めているが、1000円以上のカレーで1000円以上の価値があるカレーを出しているところは正直言ってほとんどない。このトプカの850円という値段は素晴らしい。
 味と値段の両方を考えれば、カレーミュージアムの選者である小野員裕氏が、このカレーを究極のカレーと呼ぶのも納得がいく。
ポークカレー 再食
 あまりのおいしさに、再び上京時に『トプカ』を訪れて、再食した。
 日曜日の開店直後に行くと、アジア人の店員は誰もいない。先日訪れた時と、雰囲気が全く違う。前回訪れたときは、ほとんどアジア人スタッフだったのに。
 注文は当然ながら、芸術的な「ポークカレー」。しかし、カレーが運ばれてきて愕然とする。明らかに前回と違う。ポークがかなり煮崩れしている。角がたったポークは一切れしか入っておらず、残念。味は依然としておいしいが、前回のポークよりもとろみが強い。やはり、前回の角の立ったポークの食感の方が良い。これだと柔らかすぎて角煮のようになってしまっていて、斬新さ、珍しさにつながらない。スパイスの感じや、辛さも微妙に違う。今回の方が少し辛めか。前回の方が、スープのうまみがもっとあったようだが。
 今回のホークカレーも、十分においしかったが、前回の芸術的なレベルのカレーとはちょっと違ったの残念である。厨房をのぞくと、太った眼鏡をかけた男性が調理している。本で見たが、この人が『トプカ』の店長である。すなわち、今日のカレーは、店長自らが、調理している。すなわち、今日のカレーの味が、本当のトプカの味ということか。
 ★4から、★4.5に格上げしようかと思ったが、とりあえず今回は見送る。また再食して、改めて判断するとしよう。。

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ポークカレー 850円
(日曜の昼)

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平日の昼ののポークカレー
明らかに違う ! !

 同伴した友人が、欧風カレー(野菜)を食べたので、味見させてもらう。「欧風カレー」すなわち、ルーカレーにしては、かなり辛い。スパイスもかなりはいっていて、刺激的。甘味よりも、辛味のほうが主役になっているルーカレーで、ちょっと珍しい。ただ、ルーカレーとしては、甘口の方があっているような。
「カレー博物館」でも欧風カレーを食べたが、そちらの方は、スパイスが抑制されていて、タマネギや野菜の甘さが効いていて、おいしかったが、それと比べると何かレベルダウンするような気がする。もっとも個人の好みにもよるが、私はルーカレーは、うまみとあまみが強い方が好きだ。         (2001年12月2日)

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欧風カレー(野菜) 

【読者の声】
>OHさん ポークカレー
 このHPを情報源に行って来ました。 ポークを3回、ムルギを1回食べました。 確かにおいしいです。スパイシーさが絶妙で大満足です。 ポークの方が肉が多くて気前が良かったので、ポークに軍配上げます。 (2001年11月)

トプカ

営業時間 11:00〜15:30
17:30〜23:00
土日祝11:30〜18:00
定休日  無休
駐車場  
席数  25席
ランチタイム  11:45まで入店で、コーヒーサービス)
種類 インドカレー、欧風カレー
  大盛り 200円増し
トプカ topuka_awaji_shop1.jpg (18576 バイト)

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