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ソウ完全解読

 

 だから、死体が起き上がった瞬間に、
「タイトルのSAWは、そういうことだったのか」と気付くおもしろさがあるわけだ。
 
 たがら、日本のタイトルも、「ソウ」じゃなくて、「SAW」のままにして欲しい。
 「SAW」を読めない人って、いないでしょう。
 中学校の英語で習うわけだし。

 それでも、「sawは鋸の意味で、seeの過去形というのはこじつけだ」という書き込
みには、笑った。
 そこまで疑い深い人のために、二つ証拠を追加しておこう。

 アメリカのテレビ版の予告編。
 一番最後に、タイトルが読まれる。お約束だ。
 そこで、なんといっているかと言うと、"See, Saw."と言っているのだ。
 「見る、見た」である。
 テレビの予告編で、万人に向けて、「SAW」は「見た」という意味ですよ、という
ことを強調している。

 さらに、ワン監督自身が、「SAWはSEEの過去形のSAWのこと。観てもらえば意味が分かってもらえると思います」と言っているから、間違いない。
 
 映画のタイトルに複数の意味が隠されていることは、よくあることだ。
 この「SAW」は、「鋸」「見た」以外の意味はないのか?
 
 まず、犯人のニックネーム「ジグソウ (jigsaw)」の「SAW」である。
 「ジグソウ」とは、言うまでもなく「ジグゾーパズル (jigsaw puzzle)」のジグソウである。
 この映画自体が、最初は真っ白(真っ白なシャワー室)から始まり、ジグソウパズ
ルを組み立てるように、少しずつ謎が解けていく。
 最後に、「真ん中の死体」という一ピースを入れて、パズルが完成する「ゲーム」
に例えているのだ。

 そしてもうひとつ重要なのは、「ジグソーパズル (jigsaw puzzle)」には、
「困難な状況」という意味があること。
 ジグソウは、被害者を「困難な状況」に置き去りにするゲームを行なっていた。
 そこにも、かかってくる。

 「SAW」には、「シーソー(seesaw)」という意味もあるだろう。
 なぜなら、テレビ予告編で「シーソー」と言っているわけだから、間違いない。
 日本のオフィシャル・ページにも書いてある。
 刻一刻と立場が逆転するする「シーソーゲーム」にかけているわけだ。

 また、「sawbones」という単語があって、その意味は「医者、外科医」である。
 ゴードンは最後に鋸で自分の足(足の骨)を切る。
 彼が外科医(sawbones)であるという皮肉だ。

 以上のように、「SAW」というタイトルには、五つ以上の意味が隠されているとい
うことになる。
 これだけ見ても「ソウ」が、良く考え抜かれて作られた映画であることは、理解い
ただけるだろう。

 

まとめて読みたい方は、読みやすいPDF版
「ソウ完全解読」をこちらからダウンロードしてください。


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