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ソウ完全解読

 

■ ジョンの「死の宣告」

「このゴードンとジョンのシーンでは、すでに第二のゲームが起きていたじゃないか
? 第一のゲームから、ジグソウがゴードンをターゲットに選んでいたとしたら、因果関係の順序がおかしいぞ。」

 こんな指摘もあるだろう。
 だから、テープでは言っている。
 「死の宣告」が重要であると。 

 ジョンは、これより前にゴードンから、死の宣告を受けているはずだ。
 病状の説明を。
 「あなたは、脳腫瘍で余命は長くありません」といったことを説明されたはずである。 あるいは、結腸癌の時からずっとかかっていのかもしれない。
 
 ゴードンが、ジョンに癌の告知をする様子を想像して欲しい。
 機械的、事務的。そして患者を物扱いにした、非人間的な説明であったに違いない。 その根拠は、「例」の法則。
 一例を挙げれば、他も同じ。

 ジョンと対面して病状説明をしたときは、とても親切で、患者への配慮にあふれた
説明だった。
 はずかないだろう。
  
 テープのジグソウは言う。「毎日毎日、死の宣告をしている」こと。
 腫瘍外科医が、死の宣告をするのは仕事だから当然だ。
 それ自体を責めているわけではない。
 そのやり方が、患者さんの気持ちを配慮した、患者さんの立場に基づいた告知であるかどうが重要である。
 
 自分は、もう長くは生きられない。死の恐怖に直面し、おびえている。
 恐ろしくて不安でしょうがない。
 しかし、この男は医師でありながら、患者の気持ちなど理解しちゃいない。
 人を「物」のように扱いやがる。
 死の恐怖など全く知りもしない。
 ひどい医者だ。
 死に至る恐怖を教えてやろうじゃないか・・・。
 
 「死の宣告」を受けたジョン。その瞬間に、主治医ゴードンに対する殺意が芽生えた。

 ジグソウの目的は、被害者を殺すことにはない。
 死の恐怖に直面させ、命の大切さを教えるということにある。

 

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