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ソウ完全解読

 

■ ゼップのコンプレックス

 もう一つ。深層心理的な考察。
 ゼップは、監禁した妻子に、聴診器をあてて楽しんでいた。
 これは、ゴードンの家ににあった聴診器だろう。
 普段使えない聴診器を、このときとばかり使おうという。
 
 このシーンは、心理学的に見て大変興味深い。

 医療職ではなく、単なる小間使いにすぎないゼップは、医者という職業に対して羨望を抱いていただろう。
 自分が医療職でないから、バカにされるんだというコンプレックである。
 実は、医療現場ではよくあることである。
 そのコンプレックが、この聴診器に集約されている。
 
 普段は決して使えない聴診器を、この監禁に乗じて使ってやれ。
 自分が医者になるということは不可能だが、「聴診器を使う」ということでその
願望を代償しているのである。

 この聴診器のシーンは、見事に象徴している。
 彼が「医者」であるゴードンに引け目を感じ、憎んでいたことを。 
 
 これらの描写から、ゼップが楽しい「監禁」と「復讐」を途中放棄して、病院へ行く
はずがない。

 

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