[映画の精神医学]


 グラディエーター オフィシャル・ページ

オフィシャル・ページ(英語)

 凄い。凄い。凄い。凄いんだけど、何かカタルシスがない。
 実は、史劇スペクタクルというジャンルは、私の最も好きなジャンルであって、かなりの思い入れを持ってこの『グラディエーター』を見た。そう。映画史に残る傑作『ベンハー』を超える映画が、今後二度と登場しないのか。これは、史劇スペクタクル映画ファンにとって、重要な問題である。そして、ひょっとして、『グラディエーター』は『ベンハー』を超えるのではないかという期待があった。

 戦闘シーンに関して言うと、かなり凄かった。特に戦車と戦うシーンは、壮絶である。まさに手に汗握る迫力。コロシアムの群集シーンの迫力も凄い。しかし、何か物足りない。それは、やはり人間のドラマが弱いせいではないか。
 親愛なる皇帝、そして妻と息子を殺したコモドゥスへの復讐。極めて単純なストーリーは、万人に理解される。そこそこのヒットする映画であれば、この程度のストーリーでもよいのだが、もう一ひねり欲しい気がする。復讐心以外の心理ドラマがほとんど存在していない。結局、人間ドラマが薄っぺらになっている。『ベンハー』であればイエスとの出会いと信心の芽生えが、重要な骨子として存在し、戦車による壮大なスペクタクルを支えていた。
 『グラディエーター』は、もう一歩の映画だ。アクションが良く出来ているだけに、非常にもったいない。

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戦闘シーンは凄い

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戦車と戦うシーンは圧巻
 ビデオが出たら、もう一度見直したい

 

シカゴ発 映画の精神医学
アメリカ、シカゴ在住の精神科医が、最新ハリウッド映画を精神医学、心理学的に徹底解読。心の癒しに役立つ知識と情報を提供ています。
 人種、民族、宗教などアメリカ文化を様々な角度から考察。
 2004年まぐまぐメルマガ大賞、新人賞、総合3位受賞。
(マガジンID:0000136378)

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