[映画の精神医学]


ピンチランナー 

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(6/16に閉鎖)
感動の第二弾予告編を見よう ! !

 はっきり言っておもしろいです。
 モーニング娘の初の映画主演作品ということで、見たい気持ち半分と、何か嫌な予感が半分で、躊躇していたが、たまたま見た予告編でついに見ることを決めた。
 そしてその判断は、完全に正しかった。
 まず、モー娘の七人それぞれのキャラクター設定が絶妙である。モー娘それぞれのキャラを生かした、キャラクター設定が、人物を生き生きとしたものにしている。そして、決してうまくはないけれど、体当たりで演じる彼女たちの演技もまた、生き生きとしているのだ。特に傑出しているのは、矢口である。それぞれはまっているキャラの中でも、彼女は特に輝いていた。
 私は、個人的には、安倍なつみファンであるが、彼女が出すっぱりであったことだけでも、超満足である。
 本物の駅伝を撮影した、駅伝大会のシーンは、あまりにもモー娘ファンたちが多く、映像的にうるさくなってしまい、成功しているとは言い難いが、今まで見たことがなかった緊張感と不思議な映像世界を実現している。
 『ビーバップ・ハイスクール』で知られる那須博之監督くは、やはりうまい。単なるアイドル映画にすぎないはずの『ピンチランナー』に、映像的なおもしろみを加味する努力は、全く期待しない意外さをもたらしている。
 しょせんアイドル映画では、という変な偏見を持って見たわけだが、『ピンチランナー』は単なるアイドル映画とは一味違う。モー娘はオーラが高いというか、今一番輝いている少女たちなのである。その彼女たちのきらめきが、損なわれることなくフィルムに収められているのだ。
 お涙頂戴的シーンが数ヶ所あるが、不覚にも私は三回は涙を流してしまった。これをおもしろいといわずに、何と言おうか。
 ただし、『ピンチランナー』を楽しむためには、最低の条件がある。モー娘のメンバー全員の名前を言える程度に、モー娘についての予備的な情報がなければ、本来のキャラと劇中のキャラとの対比ができないため、ちっともおもしろくないかもしれない。

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ナッチは可愛いなあ

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矢口の演技は、かなり
光ってます。

 


「私はミーハーです」
(樺沢談)

『ピンチランナー』は、『七人の侍』だ
 『ピンチランナー』は『七人の侍』をもとにしているのか。たまたま。モー娘は7人であるが、随所に『七人の侍』らしいところがあって、別な楽しみ方をしてしまった。
 盗賊に襲われて困っている農村を救うために七人の侍が集まり、戦うのが『七人の侍』である。『ピンチランナー』では、部員一人の廃部寸前の陸上部を救うべく、7人のランナーが集うのである。『七人の侍』は農民たちのために戦うわけだが、『ピンチランナー』では皆が基本的に自分自身のために戦う。自らの心のハードルを乗り越えるために。そして、『七人の侍』では侍一人一人が個性的であったように、『ピンチランナー』もキャラ一人一人が極めて個性的である。侍が一人また一人と増えていくところが、駅伝参加選手が一人また一人と増えていく個所と見事に重なる。七人が協力して一つの目標を達成するカタルシス。やはり『ピンチランナー』は、『七人の侍』だった

昼間だけの上映  その理由
 私の家の近くのシネマコンプレックスでは、『ピンチランナー』は日中だけの上映しかしていない。「日中だけしか上映しないで、誰がこの映画を見るのか?」と疑問に思ったが、実際に見に行ってその疑問が解けた。結局、私は日曜日に無事見ることが出来たが、観客のほとんどは中学生である。高校生が一部いたが、さすがに私のような30過ぎのオヤジはいなくて、恥ずかしい思いをした。結局、モー娘のファン層の中心は中学生なんだ、とはじめて気がついた。特に、女のこの中学生も多かったのが印象的である。モー娘は彼女たちにとって等身大のアイドルなのであろう。
 『ピンチランナー』が日中だけしか上映していない理由が、よくわかった。

 

シカゴ発 映画の精神医学
アメリカ、シカゴ在住の精神科医が、最新ハリウッド映画を精神医学、心理学的に徹底解読。心の癒しに役立つ知識と情報を提供ています。
 人種、民族、宗教などアメリカ文化を様々な角度から考察。
 2004年まぐまぐメルマガ大賞、新人賞、総合3位受賞。
(マガジンID:0000136378)

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