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ソウ完全解読

 

■前頭葉腫瘍が意味すること

 もう一つ気になるのは、ジョンが前頭葉の脳腫瘍だったということ。
 「前頭葉」という言葉を出す必要はないのに、映画では出ている。
 つまり、それによって何かを表現しようという作家の意図がある。
 
 前頭葉とは、外界の情報を整理し組み立て判断する機能を有する。
 人間らしさ,人間としての心、人格、自我、意識などが、前頭葉の機能と考えられ
ている。

 実は、異常犯罪と前頭葉の関係性が指摘されている。
 連続殺人犯などの脳を調べると、前頭葉に何らかの異常がある場合が多い
というのだ。
 
 もっと、詳しく知りたい人は、
 「脳が殺す―連続殺人犯:前頭葉の“秘密”」
http://www.kabasawa.jp/eiga/page/book4.htm
 を読んでみるとよい。

 したがって、ジョンがジグソーになった理由。
 第1義的には、前述したように、ゴードンに対する恨みということである。
 しかし、「前頭葉の障害」という、器質的な要因も原因の一つとして、提示されて
いるということだ。
 つまり、腫瘍前は犯罪などを犯すような人でなかったかもしれない、ということに
なる。

 脳腫瘍の症状の一つとして、性格変化、感情変化などが起きることは事実である。
 ジョンは単なる性格異常者、異常犯罪者ではなかったかもしれない。
 そんな、ジョンの悲哀をプラスする描写なのかもしれない。

 

まとめて読みたい方は、読みやすいPDF版
「ソウ完全解読」をこちらからダウンロードしてください。


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