千の顔をもつ英雄〈上〉　〈下〉 著者：ジョゼフ キャンベル 出版社：人文書院

ルーカスがスター・ウォーズの脚本執筆のさいに、参考にしたと言われるのが、この「千の顔をもつ英雄」である。この本は、古今東西の神話や民話から、物語の共通性を抽出し、神話に共通するストーリーパターン「monomyth」 (原質神話)を提示している。そして、「スター・ウォーズ」は、その原質神話のパターンを見事に踏襲している。つまり、スター・ウォーズは典型的な神話の骨格を持っているのだ。これを読めば、スター・ウォーズが、原質神話そのものであることが、理解できるだろう。「スター・ウォーズは神話である」ということが、再確認できる。 　この本は、ハリウッドのシナリオ・ライターにとっては、必読の書として知られる。スター・ウォーズ・ファンにとっても、必読の書と言えるだろう。 ■価格：2940円

世界の神話にみられるイメージ、象徴などの広く集めた写真集である。 　これを見ていくと、スター・ウォーズに出てくる、キャラクターや建物にそっくりな写真をいくつも見つけることができる。 　例えば、アンコールワットはジェダイ寺院にそっくりである。また、長頭のジェダイマスター、キ=アディ=ムンディにそっくりな石像の写真があったり。最も興味深いのは、パドマ、ラクシュミーについての記述だ。パドマとは蓮華のこと。ラクシュミーは、蓮華の女神である。もちもちろん、スター・ウォーズに登場するパドメとシミ。二人の女性の語源である。 ■価格：3150円

元型論 C.G. ユング (著),  林 道義 (翻訳) 出版社：紀伊国屋書店

この本は、ちょっと難しい。しかし、特にこの本に限らず、ユングの本はどけも、読みづらく難しいのだからしょうがない。ルーカスは、元型、そして集合的無意識を意識して、スター・ウォーズを作っている。集合的無意識とは、全ての人間に共通する、無意識の集合体のようなものが存在するという仮説である。スター・ウォーズがもし集合的無意識に通じているとするならぱ、スター・ウォーズが多くの人にとってとてもなつかしく、そしてとても身近な物語であることに対して、興味深い説明を与えることができる。 　心理学や哲学の本に読みなれた人でないと、この本を理解するの難しいが、私のように精神医学、心理学に携わる者にとっては、ユングの重要な論文を収めているこの本は、必読書と言えるだろう。 　 ■価格：5880円

ユング心理学入門 河合 隼雄 (著) 出版社：培風館

ユングをわかりやすく理解したいという人は、この「ユング心理学入門」をお薦めする。「元型」や｢集合的無意識｣、「夢分析」など、ユングの主要な学説を網羅的に、そして過不足なく説明している。難解といわれるユングをよくここまでわかりやすく説明できたものだと、感心する。 　さすがは、河合隼雄先生である。私には、こんな本は一生かかっても書けない。河合先生の自らの臨床例などが盛り込まれている点も、非常に興味深い。 　ユングの入門書として、とにかくお薦めの一冊である。 　 ■価格：1575円

　カスタネダとルーカスの影響はあまり知られていない。
　しかし、ルーカスはインタビューの中で、オビ=ワンの消失と霊体化のアイデアについて、カスタネダの「未知の次元」の影響があると語っている。
　トナールとナワールという言葉が出てくる。ナワールとは物質を超えた普遍的存在。形而上的存在とでもいおうか。霊体＝ナワールと考えると、霊体化の理由や詳細についても、おもしろいほどにわかるのである。
　
「　『シスの復讐』では、オビ=ワン霊体化の理由が説明されなかった」と思っている人には、必ず読んで欲しい本である。霊体化の全てが説明済みであることが、理解できるだろう。

未知の次元 カルロス・カスタネダ (著), 名谷 一郎 (翻訳) 出版社：講談社

■価格：3800円

呪術師と私―ドン・ファンの教え カルロス・カスタネダ著作集 カルロス・カスタネダ (著), 真崎 義博 (翻訳)出版社：二見書房 ■価格：2310円