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スピルバーグ作品は、非常にわかりやすいと言われています。もちろん、子供が見ても楽しめるのが、スピルバーグ作品の魅力です。
しかし、実は周到に、奥深く作られています。そして旧約聖書やユダヤといったキーワードなしでは、本当の意味では理解できないのです。
以下の関連書を読んで、映画を見返すことで、さらにスピルバーグ作品への理解が深まることでしょう。 |
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はじめて書かれたスピルバーグの秘密
フランク サネッロ (著)
スピルバーグの伝記としては、この「スピルバーグの秘密」をお薦めします。スピルバーグの幼少期の話などもあり、スピルバーグのの人間性がうまく描かれています。文章も読みやすく、一気に引き込まれるでしょう。私としては、彼が学校で唯一のユダヤ人であった、という記述が大変興味深かったです。
■価格:2039円
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地球に落ちてきた男―スティーブン・スピルバーグ伝
ジョン バクスター (著)
こちらの伝記は、スピルバーグの人間性よりも、作品製作秘話の部分にスポットを当てています。裏話的な話が好きな人はおもしろく読めるでしょう。彼の映画への情熱、成功へのステップアップの過程を知ることができます。
■価格:2730円
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スティーブン・スピルバーグ―シネマの天才 シネマ・スター・ライブラリー・シリーズ
ダグラス ブロード (著)
スピルバーグの研究書として、最も優れているのはこの本でしょう。ストーリーの紹介にはじまり、深い解釈、裏話も含め網羅的に紹介されている。写真もとても多いので、写真集的にも楽しめます。
ETにイエス・キリストのイメージが重ねられているといった指摘が興味深かったです。
■価格:2854円
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スピルバーグ 講談社現代新書
筈見 有弘 (著)
スピルバーグについての、プライベートな話から、映画の紹介、批評まで、網羅的に書かれています。とりあえず、「スピルバーグについて一通り知りたい」という人には、お薦めです。
「ジョーズ」や「激突」の徐々に迫って来る恐怖が、ユダヤ人スピルバーグの反ユダヤ主義への恐怖と重ねて考察してある点が、私も以前からそう思っていただけに、納得しました。
■価格:504円
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スピルバーグ作品の原作小説は、いくつも出ていますが、ここでは敢えて原作と読み比べることで、映画の理解が深まり、映画がより楽しめるものを厳選してご紹介します。
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マイノリティ・リポート―ディック作品集 ハヤカワ文庫SF フィリップ・K.
ディック (著)
ディックといえば、「ブレード・ランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が有名ですが、何を読んでも面白い。私の最も好きな作家の一人です。 |
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「マイノリティ・リポート」は、短編です。15分で読めます。しかし、ラストが映画とは全く異なります。映画じゃこのラストは絶対にできない。凄い、ラストシーンですいかにも、ディックらしい。この原作と読み比べると、映画もまた何倍も楽しくなります。
この本には、シュワルツェネェガー主演の「トータル・リコール」の原作となった「追憶売ります」も収載されているので、買って損はないでしょう。
ちなみに、ディックは重症のアルコール依存症で、実際に妄想に悩まされていました。つまり、彼の想像ではなく実体験が小説になっているわけですから、物語も超リアルなのです。
■価格:672円。
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宇宙戦争 角川文庫
H・G・ウェルズ (著)
SF小説の古典中の古典。
宇宙人侵略もの、というか宇宙人ものの原点がこれだ。「未知との遭遇」が登場してから、宇宙人のイメージと言えば、すなわち背が小さく、頭と目が大きいグレイ型主流となったが、それまではこの「宇宙戦争」の影響で、タコ型宇宙人が主流であった。
スピルバーグが時代を逆行しているようで、
■価格:540円
宇宙戦争 |
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スーパートイズ 竹書房文庫
ブライアン オールディス (著)
「A.I.」の評判は、一般に良くないですが、私は大好きな一本。非常に深い話なので、理解しづらいのは事実です。
この原作は、短編ですから、10分で読めます。この映画の原作のエッセンスを理解し、映画で付け加えられた部分を比較すると、キューブリックとスピルバーグが、この映画で何をやりたかったのかが見みてくるでしょう。
■価格:2854円
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E.T. |
最もスピルバーグらしい作品。そして、大人から子供まで、何度見ても楽しめる。
心温まる。ラストの感動。
これが映画です。映画の魅力が満載です。見てない人は、まず見てください。
このストーリーは、旧約聖書「出エジプト記」を下敷きにしています(樺沢説)。
■価格:2090円
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ターミナル |
丁度、私がアメリカに来たばかりの頃見た映画です。つまり、主人公のナボルスキー同様に、全く英語が通じなくて苦しんでいたから、主人公にはとっても共感できました。
何が起きてもくじけず、常に前向きなナボルスキーには、非常にはげまされました。こんなことでくじけていてはいけない。
ナボルスキーの前向きな行動で、ターミナルに奇跡が起きます。素晴らしい作品です。「スピルバーグ監督ありがとう。こんな良い映画を作ってくれて」と、心から言いたい。
■価格:4179円
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樺沢の解読本
Eブック "「ターミナル」解読編" は、こちらから無料ダウンロードできます |

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プライベート・ライアン |
冒頭30分のノルマンディー上陸作戦のシーンは、とにかく圧巻。凄い。すごすぎる。映画史に残る戦闘シーンです。
映像はかなり残酷です。戦争とは、ルールなしの殺し合い。戦場とは、殺戮の場。戦争とは意味のないむなしいもの。全てが映像で語られる。文句なし、戦争映画の最高峰でしょう。
■価格:4179円
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シンドラーのリスト |
スピルバーグは、アカデミー賞が欲しくて、「シンドラーのリスト」を監督した。これは、全く見当違いもはなはだしい意見です。
「シンドラーのリスト」で、スピルバーグは、作風を完全に変えました。スピルバーグ自体が変わったのです。その内面に秘めていたユダヤ性を封印するように映画作りをしていたのが、それを開放してしまいました。自分の伝えたいテーマを、何の遠慮もなくストレートに伝えるように変化したのです。
私は、「シンドラー」以降のスピルバーグの方が大好きです。
■価格:4179円
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レイダース 失われたアーク |
痛快な娯楽活劇。スピルバーグの真骨頂がここにあります。
ただ私の興味は、ユダヤ人にとっても最も大切な宝、十戒をおさめたアークを奪還するというストーリーです。これ見ておもしろくない人っているのかな?
■価格:6997円
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アメリカ物語 |
スピルバーグの監督作品ではありません。プロデュース作品です。ただの子供向けアニメ。しかし、スピルバーグのユダヤ性が、最もストレートに現れているのが、この作品です。アメリカに渡ってきたネズミのファイベル一家は、スピルバーグの祖父たちであり、明らかにユダヤ人移民の問題を扱っています。
主題歌や「サムホエア・アウト・ゼア」などの挿入歌も素晴らしく、ミュージカルとしても感動的な作品です。■価格:3560円
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その他
本当は、「未知との遭遇」も入れたいところだが、スピルバーグの入門としてはどうだろうか。もちろん、映画ファンには、強くお薦めしますよ。
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